2016/5/31
・平賀源内の一生を描いた話。
・本編227分。長い。2時間過ぎてやっと1幕が終わった。
・幕が上がると、ずらりと二段に並んだ俳優たち。歌舞伎のように口上が始まる。かっこいい。
・そして、舞台奥の壁がすべて鏡。
・俳優も客席も映りこんでいるので、ものすごくたくさん人がいるように見える。
・ひとつのシーンか一幕のみの仕掛けかと思ったら、全編通じてずっと鏡だった。
・源内は二人で一役を演じる。「表」を上川隆也、「裏」を勝村政信。年齢で分けるのではなく、何かの二面性を現しているらしい。
・タイトルの「表裏」や群集の表現をするために、鏡を使うというのはものすごく直接的な仕掛け。
・思いつくだけなら誰でもできるだろうけど、それを使いこなすのは至難の業。
・その無理を当たり前のように通すところが蜷川演出。
・そんな鏡を活かした自慰シーンは、演劇史に残る間抜けなシーンだったと思う。
・ただでさえ人数が多いのに、一人で2役3役は当たり前。俳優だけでなく登場人物もとにかく多い。
・そんななかで、登場するとつい目で追ってしまう六平直政さんがさすが。
・作品内時間は何十年にも渡るし、脚本の持つ情報量、俳優や効果が発する熱量がタダゴトではない。
・こんな大掛かりな芝居を、1ヶ月近くも上演し続けていたのが信じられない。
・どうやってテクリハやっていたのか見学したい。
・平賀源内を中心に据えつつ、善と悪、聖と邪、高尚と猥雑、バカと天才、そういう世界の雑多さを描いた作品という印象。
・平賀源内は、作中紛れもない天才だったけど、そんな天才でも世界の一部に過ぎないという感じ。
・特典映像で、蜷川さんが「(最近の)内面に収束していく冷めた話にむかついている」と怒っていた。
・確かに舞台からエネルギーが発散しまくっている、打ち上げ花火が4時間近く続くような芝居だった。
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