映画 『CHAT チャット ~罠に堕ちた美少女~』 予告編
2016/12/20
・14歳の少女がチャットで知り合った男にレイプされた挙句、父親との信頼関係が崩れてしまう話。
・最初の30分くらいまでは、チャットで知らない男とコミュニケーションを取って、親に黙って会いに行っちゃう少女が不用意すぎて、設定がずいぶんチープに見えた。
・しかし、レイプされた本人である少女が「あれはレイプではなく愛に基づくセックスだ」と頑なに信じてしまう話だとわかってからは集中して観れた。
・被害者に被害者の自覚が無い。
・大人なら誰が見ても性犯罪なんだけど、それが愛に基づくセックスなのか、レイプなのか、きちんと理論立てて14歳に説明するのは案外難しい。
・ただ、ちょっと落ち着けばできないことはないと思う。
・怒りのあまり、彼女の父親にはそれができなかった。
・娘には、犯人を逮捕しようとする父親が敵に見える。
・父親も、犯人への憎しみが強くなるほど、娘のことが見えなくなる。
・結果、父親ががんばるほど、娘の信頼を失っていく。
・真綿で首を絞めるように家族の関係が険悪になる。
・家族でパーティのシーンでは、些細なリアクションで、娘が秘密をばらされたことに気付く。心底ハラハラする。白眉。
・それが仮装パーティというところに、作り手の意地の悪さを感じる。
・性犯罪は、ほんとにやられ損。仮に犯人を殺したとしても、被害者にとってトクすることはひとつもない。
・レイプ被害の問題だけでなく、もともと持っていた反抗期要素も加わってしまって、とても複雑な父娘の関係が描かれるようになる。
・幼い娘のいる父親は、あらかじめ見ておいたほうがいい作品かもしれない。父親にとってはサイコホラーだと思う。
・カウンセラーの有能感。目付きが頼りになりそう。
・相手は悪質とは言え、どこにでもいる性犯罪者で、捜査が進むにつれ、わりと簡単に娘の眼の覚めるところが、むしろ生々しい。
・程度の差こそあれ、アメリカでも日本でも、そんなに珍しい話ではないんだと思う。
・確かによくできているんだけど、話もタイトルも地味すぎて、劇場ではあんまりお客さん入らなさそう。
※完全ネタバレですが、三宅隆太さんの評がすばらしいです。→「これ、なんで劇場公開しなかったんですか?(三宅隆太)」
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