2024/12/14
・家庭教師が担当の中学三年生を指導して地域トップの学校に合格させる話。
・原作は本間洋平の小説。色々混ざって柳美里だとずっと勘違いしていたが全然違う。
・主演は松田優作。薄気味悪い家庭教師役。
・父親役が伊丹十三。斬新なキャスティングだと思ったら、当時はマルチタレントだったようで、映画を撮り始めたのは本作出演のあと。
・空宙空地の短編『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』で関戸さんがちゅうちゅうしていた目玉焼きのオマージュ元をようやく見れた。
・本家では言い返せてなかった。気の毒。
・森田芳光監督の代表作と言われているけど、公開当時の時代感覚が絶妙に肌に合わない。
・家政婦扱いの専業主婦、暴力をふるう家庭教師、セクハラ味の強い身体接触、不機嫌を垂れ流す体育教師。
・意図的に気持ち悪さや斬新な表現を狙っているのはわかるけど、そのさじ加減が辛い。
・一番嫌だったのは母(妻)千賀子の扱い。賃金もらっているわけじゃないのに家事は仕事扱い、息子二人からは召使い扱い、子育てには参加せず口だけ出してくる夫、空き時間には内職までしている。
・「布団くらい自分で敷け」と口に出せない気弱さが問題とも言えるけど、弱いのがダメだ言われたらキリないし。
・とはいえ、自分も母親に対して甘えたことを言っていた記憶はたくさんあるので、同族嫌悪的な要素もある。
・作品的にこれらの問題を良しとしてはいないのはわかるんだけど(結局合格しているから微妙ではあるが)、当時の時代感覚ならどのくらいのバランスなんだろうと想像しながら見なければいけない。
・何の問題もない兄が何のために存在するんだと思っていたけど、その後の展開に納得する。
・呪いは消えない、ヨソに行くだけ。怖い。
・最後のほうの残飯をみんなで片づけるシーンはよかった。家族はじめての共同作業ではないか。
・そういうシーンだと思ったら、父親がツッコミ入れていて面白かった。言うタイミングが遅すぎる。
・食事シーンだけ抜き出して見ると面白い。発明。
・同一方向を向いて食事、目玉焼きちゅうちゅう、お風呂でパック豆乳、一気飲み。真似したくなるのもわかる。
・繰り返し見れば色んな発見はありそうな作品だけど、繰り返し見たいかと言われると微妙な作品だった。
(U-NEXT)
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