2025/1/1
・東京のとある児童養護施設で暮らす子供たちを年少から順番に撮影して構成したドキュメンタリー。
・見たばかりのMONDAYSの監督が地味なタイトルの映画を撮ったと知って興味を引かれる。
・施設がきれい。子供たちは結構しっかり食事できるし相応の学校にも行っている。自分の中の養護施設のイメージがずいぶん古臭いものだったことに気づく。
・最初に、ピクサーの映画に出てきそうな見た目と喋り方の女の子が出てきて、建物の中を案内してくれる。
・屈託なくてかわいい。だからこそ、不特定多数の目に晒される映像作品で見ることに後ろめたさも感じる。
・親がそばにいる子役タレントならともかく、複雑な事情を抱える子供のプライバシーは別物だろうし。
・作り手側はそのあたり百も承知だろうし、配慮も感じる。
・この見せ方でなければ伝えられないものがあるのもわかる。
・映像にしても写真にしても、思い出を記録に残すのは根源的な楽しさのひとつ。
・何事もなければ、出演者たちが10年後20年後に懐かしむ宝物のような作品になると思う。
・フライヤーの記載通り、作中では、子供たちの家庭環境には触れず、一人一人の生活を注視している。
・不幸な出来事を見せ場にしていない。
・時々子供たちの言葉にそれっぽい表現は出てくるけど、どの年代の子供たちも悲壮感を表に出さない。
・衣食住の心配が不要なのは大きい。施設の大人ががんばっている。映像外の苦労もたくさんありそう。
・「逆に恵まれているのでは」と思っては否定する。これが本来の姿だし、恵まれて見えるなら目標にするべき。
・ほとんどの子供が、施設で一緒に暮らす人たちのことを聞かれて「家族」と表現することを避けている。
・「他人」という言葉も頻繁に出てくる。
・かと思うと、退所した20歳の男の子が施設に顔を出すと、まるで実家に帰省したかのようにふるまう。
・よく考えれば、夫婦だって最初は他人だし、心からお互いを家族と思えるようになるには、それなりの時間がかかるというだけなのかも。
・NPO叩きがビジネスになる残念な世の中なので、広く見られることがいいこととは限らない。
・良識のある大人だけに見てほしい作品だった。
(札幌シネマフロンティア)
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