もともとは母親がビートルズ世代で、なんでも就職して初めての社員旅行の時に自由時間だっつのに旅館にこもってテレビで来日公演やらニュースを見てた、って聞きました。幼稚園のころTVでポンキッキをやってると「ほれ、これビートルズだよ」とか教わるんですけど、当時まだビートルズとずうとるびの違いすらよくわからないのにそんな事言われたって。小学校に入ってから「ああ、ビートルズの方は外人なんだ」ってやっとわかったという。どこ行ったかね、ずうとるび。
中学になってFMラジオを聴くようになってから、まあその影響がようやくまともに働いてきて、友人からも勧められたりして特集番組をエアチェックして聴くようになり、徐々にはまったわけです。聞いてみてびっくりしたのは、素人にも聞きやすいはっきりした発音の英語です。歌詞を用例に使った英和辞典なんかもあるくらいで、引用のほとんどがビートルズ(あとはサイモン&ガーファンクルが1、2曲くらい)だそうで、ちょうどいい言い回し方とかもそうなんだろうだけど、僕がヒアリングできる英語って、ネイティブが聞いてどう思うんでしょうね。
HELP!は好きな曲がたくさん入っていて、サージェントペパーとアビイ・ロードと並んでベストアルバムのひとつなんですが、たまたま弟が先にCDを持っていたのに何故か遠慮して、僕が買ったのは最後の最後、就職してからでした。「Ticket To Ride」をカーペンターズオリジナルだと思っていた友人もいたし、どっちかっつーと前半が映画とも関係して有名なのかもしれないですが、僕は後半の「Act Naturally」「You Like Me Too Much」とか「Another Girl」なんかが好きです。ちょっと翳りのあるメロディが好きなんだな。
このあたり、俗に言う「シルバービートルズ」の黄金期かと思いますが、よくよく聞いてみていると、やっぱりこの連中はアイドルとしてちやほやキャーキャー、お人形さん扱いの毎日にはとても我慢できなさそうだよなあ、と思えてきます。よく10年もバンドもったよなあ、ホントに。
THE BEATLES「HELP!」PARLOPHONE TOCP-51115