スガシカオのアルバムは、これとひとつ前?の「FAMILY」を買ったんですが、聴く人に言わせると「けっこう雰囲気を変えた」そうなんですけど僕にはよくわからない。相変わらずぶ厚い音(フィル・スペクターを思い出すんですよ)のくせに聴いたあとカサカサした感じが残る不思議な曲と、なんつーか頼りないようで耳に残る歌声とヘンな歌詞。前のよりはこっちの方がCFとかドラマとか色々あってちょっとは一般受けしやすい感じかなー、と言う感じはあります。ベースとドラムを、特別なことはしてないと思うんだけど大事に編曲してるのか、どっしり重みのある聴き応えが好きです。
歌詞を作るときに、なんというか「日本語の紡ぎ方」を考えているような思っているような、そういう言葉が連なっているので、僕の下手な鼻歌でも歌ってみると気持ちいい曲が多いです。ちょっと話し言葉が多いと思うんだけど歌って見るとあまり気にならないし、やたらに意味のない英単語も少ないと思うし。だってときどき唐突に英単語が出てくる「工夫してないなあ」って思わせちゃう歌詞、多くないですか?英単語といえば、昔ダウンタウンの番組で板尾が「湾岸コミュニケーショ~ン」ってギャグやってましたね。あ、ただ曲のリズム取りというかハミングのようなもの(相槌?)はやたら多いかな。
でもこの人の曲ってよく裏声が入るんで、僕は気持ちよく歌ってるんだけど下手な鼻歌がさらに下手に聞こえる。べつにいいんだけどさ。
スガシカオ「SMILE」BMG FUNHOUSE AUCK-11001
学生のときロックがとても好きな友人がいて、何だっけな「ロッキンオン」だったか雑誌を持ってきて見せてもらったんですが、ほりのぶゆきというまんが家が「タテノリ」というまたいつものナンセンス脱力まんがを描いていてなんじゃこりゃと思いました。この人のパンダ侍なんて好きなんですけどね。
話がどっかに行ってしまいましたが、その友人が「いいよ」と勧めてくれて聴いた渋い曲がいくつかあるんですが(ラグタイムのギターとか)、そのうち印象深いもののひとつがこのヴェルヴェット・アンダーグラウンドです。売れなかったけど伝説なんだとか。なんというかヘタウマというか、途中でリズム狂ってんじゃねーの?って所まであるんですが、そういうのもひっくるめてとびっきり奇妙な魅力があります。で、ポップアートの奇才アンディ・ウォーホールが気に入ってプロデュースをしたんだそうです。ジャケットは彼が書いたバナナ。よく見ると「Andy Warhol」ってだけ書いてある。気に入ってテコ入れしたくせに、果たして売る気あったんでしょうか。
1曲目の「Sunday Morning」なんて、こんな曲日曜の朝に聴いたら何もする気がなくなります。そのくらいけだるい雰囲気満載なんですが、次の曲のこれまたダルいドライブ感と続けて聴くと不思議と会社に行くときにぴったりなのです。まあ会社でやる気を出すことなんて僕まったくないですし、上司にも「一番直してほしい事は朝元気がなさすぎるところ」とまで言われるくらいですからちょうど好いのでしょう。
ホントかどうか知りませんがクイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーにも影響を与えただとか、後のミュージックシーンに多大な影響を残したという評価ですが、確かにすごく印象に残る一方で「これならオレもバンドやれるかな」という気にならないこともないですな。実際にやって同じようにカッコ良くするのは実はすごく難しいんだけどね。
「The Velvet Underground & Nico」Polydor 31453 1250 2
スピッツはなんでも、ハードロックだかパンクだかで活動してて、なんだかちょっと路線を変えたこういう曲で売れちゃったんだとか。本当だとすると、そういうのって当人はちょっと微妙なんですよね。もったいないねせっかくいい演奏といい声でいい歌うたうのに。
前の会社にいたころ、なぜか非常に僕になついてくれていた草サッカーチームの後輩の高校生が「スピッツいいですよ」って勧めてくれたんだけど、その時は結局CFとかで流れるのを聴いただけでした。でもそれだけでも透明感のある歌声と、比較的ゆっくりとしたテンポで丁寧に歌うからなおさら深まる歌詞の意味というか謎めいた感じが印象に残っていました(それとボーカルの名前「マサムネ」)。確かそのときはロビンソンだったかな。その後輩も「歌詞の意味よく分かんないんですよね」って言ってました。関係ないけど高校生っていつも気楽で楽しそうですよね。僕もその頃は気楽に見えたんだろうな。実際そうだったけど。
このCDは嫁が持ってたのを借りて聴いてみてはまりました。渚、ハヤテなんかがとくにお気に入りです。もちろんこんなキーじゃ歌えませんが、歌った気持ちになって聴いてるとけっこうテンションが上がるので、会社に行くときによく聞いています。歌えないから電車の中でつい声出ちゃうキケンも少ないっつーことです。
スピッツ「インディゴ地平線」POLYDOR POCH-1605