蓮の花 (Photo credit should read NICOLAS ASFOURI/AFP via Getty Images)
これは清代の学者、紀昀(キ・イン、紀暁嵐)が『閲微草堂筆記』に書いた物語です。
北の村に鄭蘇仙という人がいました。鄭はある日、夢の中で冥界に行ったところ、閻魔王が冥府に捕らえられてきた人々を吟味し選別している場面に遭遇しました。するとその時、隣の村の老婦人が冥府の本殿に来ました。閻魔王はたちまち満面の笑顔となり、拱手の礼をしながら迎えに行ったばかりか、良いお茶で老婦人をもてなしたのです。さらに閻魔王は、冥府の役人にすぐさま老婦人を裕福な家に転生させるよう命じました。
この光景をさっぱり理解できない鄭蘇仙は、こっそりと冥府の役人に尋ねました。「あの人はただの農婦なのに、なぜあれほど閻魔王の尊敬を得られて、良い家に転生することができるのですか。一体どのような功徳を積んだのでしょう」。
聞かれた役人は、鄭にこう答えました......
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