南宋が成立して間もない頃、高宗趙構の一人息子が若くして亡くなってしまい、また彼の属していた太宗家系の多くも「靖康の変」で金国に捕らえられてしまったのでした。そのため彼は、「王位を誰に継承するか」という問題に悩まされることになったのです。
当時、宗国と金国の民衆の間では、「金大宗は宗太祖に似ている」「宋太祖の生まれ変わりだ」「王位奪還のために宋を攻めている」という噂が流れていました。高宗の生母である韋太后は、宋国の衰えは太祖の霊によるものだと考えており、太祖、大宗間の確執を解消するために、趙構に王位を太祖系?に返還するよう求めました。(註:太祖趙匡胤は弟の太宗趙匡義に王位を譲りましたが、大宗は自分の子孫に王位を譲ったのでした)。
『異跡略』に、かつて宋太祖が夢の中で高宗に王位を返還するよう求めことが記されています。また、太祖は夢の中で高宗にこう語りました。
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誰に皇位を継承するのか?
南宋が成立して間もない頃、高宗趙構の一人息子が若くして亡くなってしまい、また彼の属していた太宗家系の多くも「靖康の変」で金国に捕らえられてしまったのでした。その...
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