へそライン(体の正中線)に関連するお話です。
前回のブログで、
「手術の傷跡が腰痛の原因だった」・・という
2003年の症例をお話ししました。
”手術の傷跡への施術”については、知らない方が多いでしょうが、
私が手術跡への施術の中で、印象深かったのは、
T氏の心臓手術の傷跡への施術でした(2002年5月~)。
「心臓手術の傷跡への整体」(当時のブログ)をご参照下さい。
何が印象的だったかというと、
・・・手術跡の大きさや、T氏の症状も勿論ですが、
1傷跡にタッチすると電気的な反応が生じること。
2傷跡への整体施術によって、
頭までだらんと力なく垂れていた上体が、シッカリした前向き姿勢になったこと。
~~という2点に絞られるでしょうか。
1傷跡にタッチすると、電気的な反応が生じる・・について
胸中央の心臓手術の跡に手指をそっと触れただけで、T氏は、
「痛っ、イタタッ・・」と、体で反応しました。
ごくごく軽いタッチで、手術跡に手を触れて施術。
すると、手にチリチリチリという電気的な刺激が伝わります。
そのタッチ感覚で静かに手術跡をなぞっていると、
しばらくして、先ほどと同じ力でタッチしても、
「痛ッ・・」という反応が出なくなるのです。
・・・傷がその分、癒されているのでしょう。
手術跡が、医薬品に依る回復ではなく、
このような電磁気的な反応で回復する、という現象に、
私は大きな関心を持たざるを得ません。
(注;傷跡への施術に於いては、通常は脈動の反応が出ます)
2力なく垂れていた上体が、シッカリした前向き姿勢になった・・について
上の写真のKさんは、傷跡は残っていますが、
しっかりした骨格の持ち主に見えますよね。・・でも・、
はじめて来室した時のTさんの姿は、
異常なまでに頭は垂れ、上体が脱力し、茶碗を持つ力も無い状態でした。
週に一度のペースで来室していただき、主に、
傷跡、および傷跡に連動した部位(手も)を施術しました。
4ヶ月後、T氏は自分で車を運転して来室するほど回復しました。
弱々しく項垂れていたT氏は、実は、筋骨たくましい男性でした。
私はその当時は、T氏が
力なく頭までだらんと垂れていた体形には、傷の痛みと、
傷によって胸の筋肉が働かなかったのが原因と考えていました。
しかし、後になって、私は、
あの異常なまでに脱力し、垂れ下がったTさんの上体を思い出し、
「あれは、へそライン(正中線)の阻害による症状ではなかったか?」
と考えを巡らしたのでした。
・・前のブログで、K氏の手術跡の事例を書きました。
K氏の事例も、前屈みのうつむき姿勢が、シャンとした姿勢に変化しましたが、
それは胃潰瘍の手術跡を施術した後の現象で、その時は傷跡の引きつれはへそライン(正中線)まで伸び、へそラインが歪曲していました。
T氏の事例も、その姿勢は、極端に前屈みしたうつむき姿勢でした。
T氏の傷跡は、写真で分かるようにほぼへそライン(体の正中線)上にあります。
姿勢が前屈してしまう原因には、
へそラインが傷によって伸びることができない、
そういう理由があったのではないか、という考えが浮上しました。
つまり、K氏とT氏の事例には、
へそライン(体の正中線)が傷や引きつれによって伸展できない状況、
という共通点があるように思ったのです。
へそラインには、何か重要な機能がありそうだ!・・
・・幾つかの事例に出会って、私の頭は、へそラインの特殊性を意識し始めました。
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