淨空老和尚勸勉大眾「念佛祈求世界和平」
淨空老和尚勸勉大眾,一切法從心想生,所以起心動念都應是善念。
善念裡第一殊勝是念佛,以念佛祈求世界和平,能化解災難。
——於聯合國教科文組織法國巴黎總部
浄空老和尚は人々を激励されました。
すべては心から生じます。そのため心の働きはすべて善念でなければなりません。
善念のうち最も殊勝なものは念仏です。念仏して世界平和を祈れば、災難を解消することができます。
――国連教育科学文化機関(UNESCO)パリ本部にて
読者の皆さま
時々コメント欄に「こちらまでご連絡ください」とメールアドレスを載せて下さる方がいますが、基本的に私はコメントでのみ対応しており、私個人のメールアドレスで返信することは一切しておりません。宜しくご理解ください。
弟子規の翻訳についてはいまだに2011年の翻訳を見る方がいるようですが、すでに2018年に更新版を載せておりますのでそちらを見ていただければと思います。
管理人
江戸時代の著名な儒学者に貝原益軒(かいばら えきけん)がいます。
その益軒先生が最晩年に著した『和俗童子訓』は幼児教育について書かれたもので、
私はそれを2013年に別のブログに現代語訳して掲載しています。
内容の根本は浄空法師の説かれるものと完全に一致しています。
私は若い頃ある中国武術の先生に貝原益軒の『養生訓』という書物を紹介され、
若い頃からそれを熟読していたのですが、浄空法師の説法を通して『弟子規』を知り、
それを翻訳してみると、日本人の気質や生活様式に合ったものが必要だという気がしていました。
そして江戸時代の儒学者に着目すると、益軒先生が『和俗童子訓』を書いていたのです。
益軒先生は儒学者であり本草学(漢方医学)の大家でもあり、
『養生訓』には中国の医学書にある薬の処方は日本人の体質には強すぎるので、
日本人の体に合った調合法を勧めていたように思います。
その方針は『和俗童子訓』にも引き継がれていて、
中国伝統の教授法の本質を失うことなく、日本人向けに解説しているものです。
その内容とは、
・早期教育の重要性
・幼い子どもに良くない言葉、良くない行為、悪いものは一切見せないこと
・育ての親(乳母)を慎重に選ぶこと。
・手習いの師匠を慎重に選ぶこと。
・一つの書物を熟読・精読して完全に学んだあとでなければ、次の書物は学ばせないこと。
等々です。
この儒教の教えについては、
平安時代の弘法大師・空海が若き日に著した『三教指帰』にも記されています。
つまり、平安時代の空海も、江戸時代の貝原益軒も、
現代の浄空法師と完全に同じことを言っているのであり、
すべて儒教の典籍が基準になっていることがよく分かります。
古典研究倶楽部
このブログに『和俗童子訓』の現代語訳を載せています。
訳文は私が訳したものです。
(訳し方の問題にお気づきの方がいらっしゃったら、ぜひコメントでお知らせくださいm_ _m)
これを読むと、
ある年齢以上の日本人読者は懐かしさを覚えることでしょう。
70年代生まれの私でさえ懐かしく思いますから。
そして、『和俗童子訓』の教えの根本、典拠となるものが中国の古書だということ。
まあ、文科省の人などは日本人が英語ができないというので、
小学5年生からの英語教育を3年生からやらせるという程度の感じですから
(たいして効果はないことは現場の教師も有識者も分かっているはずですが)
これを読んでも何とも思わないかもしれませんが、
本当に影響力のある識者がこれを勧めれば
「あ、私もいいと思ってましたよ」なんて言うのではないかと想像します。
その意味で、古典の魅力を現代社会に再認識させる仕事をされている
S先生やI先生が自身の影響力を発揮されると良いのですが。
ちょっと期待を込めてます。
とにかく、まずこれ(古典研究倶楽部)を読んでおいてください。
近日中に浄空法師が昨年の冬至に講演されたものを掲載しますので、
『和俗童子訓』を事前に読んでおくと理解が深まることでしょう。
それでは。
管理人
これは前から温めていたアイデアなのですが、
今の仕事の状況ではまとまった形での更新は難しいので、
これからは新聞の連載のように少しずつ短い翻訳を更新する形に切り替えていこうと思います。
そして今の自分が関心を持てる内容として、
浄空法師が98年から2000年にかけて説法された「善財童子参学報告」があります。
はっきり言って長いです。
これに着手すると、今の仕事の状況からしても一年では終わらないかもしれません。
更新は不定期になります。
少しづつ、積み重ねを継続して、楽しみながら翻訳してみたいと思っています。
管理人
一切經都是如來般若智慧當中流露出來的文字。《華嚴》說得好,「佛法無人說,雖智莫能解」,佛經一定要有人說,如果沒有人跟你講解,世間再聰明、再有智慧的人也不懂。為什麼不懂?佛是從清淨心裡面流露出來的言語文字,世間人是分別心、執著心、染污心,他跟佛心不一樣,所以接觸到佛法必定會曲解意思,他憑自己的知見來解釋佛經,這就錯了。「依文解義,三世佛冤」,三世諸佛都喊冤枉,錯會了意思。所以,不能夠依文解義。
那麼,要什麼人說?要有修有證的人說,因為有修有證的人他心清淨。清淨心與清淨心就起感應,才能夠體會到這個經裡面真正的意思。所以不清淨的心去講佛經,沒有這個道理,講不出來的。你要求與佛菩薩感應,也要用清淨心才能得感應;心不清淨,想求也求不到,這個事情不是勉強的。不是說我多燒幾支好香,天天點燈禮拜,多巴結巴結,佛大概就慈悲對我了,你要認為他可以感情用事,那就大錯特錯了。佛菩薩沒有感情,純粹的理智,不講感情的。你這條件不合,那就一點辦法都沒有。果然心地清淨了,你一天到晚不燒香、不磕頭、不禮拜、不燃燈也有感應,為什麼?淨與淨感應。
http://ft.hwadzan.com/dv.php?sn=01-003-0044&lang=zh_TW
以下の「調和が危機を救う」第二シリーズは、
筆者が浄空法師に関心を寄せる大きなきっかけになったものです。
関心のある方は、最初から通してお読み頂ければと思います。
(記事は2013年に数ヶ月かけて翻訳したものです)
中国古来の智慧と大乗仏教は、現代社会をどう解釈するのか
調和が危機を救う 第二シリーズ
(注)小見出しは内容を把握しやすくする為に、筆者が加筆したものです。
1.人類に降りかかる災難の根源は何か
01/12 東方の聖人と仏陀の智慧
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/0f59fb4ead63477b985481354abba18a
02/12 人心と自然災害の関係
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/a3c982cdf8f9438350b6c408847233cb
03/12 因果の教育/財施の道理/護国息災法会
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/dd8149a12aead1e37ff2d816dbc673fc
04/12
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/69e61ce19832ed1db72d7df8b8c4e3de
05/12 災難を解消するために/共業と別業/布施の効用
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/d7a66bcae88bd9b59afb31c38cb22375
06/12 菜食のすすめ
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/10af00e6640e41c4d1ddcca781766c3d
07/12 温暖化と海面上昇の問題
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/9ab8bd45ffadd48704a9dff41f61b304
08/12 意念は宇宙全体に影響する
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/7ee101776a7ab2db1777d6f3a3fe9993
09/12 「人定勝天」の真意/「仁者無敵」の真意
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/cb80ac2645a99820f7041043254b07f3
10/12 世界的な飢饉の問題
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/399090154767d7909c9e90b70671a390
11/12 災害への対処と世界の潮流
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/c1c45569afc0a580d79767d5165e8a60
12/12 僧侶は何をすべきか/国は何をすべきか/業を解消する
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/1a9ad5b45fced20936f8d006241f4e24
2.天地に生きる人類が直面する最大の危機
01/10 消費社会と人の価値観/小三災と原爆/節約の美徳
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/2fbaac0844038f96ee1bfebe84fc5bfd
02/10 智慧と知識/経済に関する素朴な疑問
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/5c9b6fa0a3e9e6d30d268cb7c91f4ace
03/10 中国古来の経済観
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/332c8fd4a8052ac2543358628df432ce
04/10 福を惜しみ、福を修める
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/db4161cfbd0be27d73e30b308cb3c636
05/10 制度よりも徳育である
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/e58dd82b340a533180f2531f48111163
06/10 民を貴しと為す/因果の責任/選挙制と真の人材
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/54bd0ad81b4b01eba97ecef40c4c756e
07/10 倫理・道徳・因果の教育
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/74147fc8fef50097548d34361018bb1d
08/10 教育の第一の目的とは/真の自由とは何か/上下関係の秩序
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/706d96674824a1331bae31afddfb09f2
09/10 科学技術と倫理道徳
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/40ed2af4a98906be48eb366a5fedf300
10/10 五常の徳と天性/一つの根源
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/bb133293a77304138ccc9e55b7645a2e
3.千古不変の真理――因果の定律
01/06 因果の定律/心の波動と物質の感応
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/bf5a05e0418d16fd0cb9166ce673d848
02/06 人の意念と周辺環境/人生酬報
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/c739357ced88a0f1bc9281126ee8e1ae
03/06 四種類のご縁/命の中の財源/歓喜心と美容
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/169a89b775854f1cfb4c5c3f3dce0bd5
04/06 仏教は積極的/心のエネルギーの性質
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/9b3c130e7aad4e367efaba5936419dcb
05/06 霊性こそが真の自分である/因果の原理
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/3cd5d9861fb24d26e000e7f96f552691
06/06 殺生と因果
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/034cb66a92f1ac77250783b3d6c112c0
4.両親と家族が縁起よく立ち去るために
01/05 業因の感応と家族の縁/類は友を呼ぶ
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/a793f4f9c3f72ea9768c786618421272
02/05 自殺の果報の恐ろしさ/亡くなった同胞を悼む
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/3af4a42b29362d2bda59796e98a7ac6a
03/05 因果は三世に通じる/最後の一念/位牌の意味/本当の親孝行
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/bf636a4a83ffe84d22c6403b61c168d1
04/05 自然環境と鬼神/宿世の業力
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/851a33cd96b4ac336f5252b29fec7592
05/05 飲酒について/喫煙について
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/ba73460fabea432bf59d97ba934b2e48
5.人類の知らない宇宙・人生の真相
01/10 異次元空間の衆生/鬼神を敬して之を遠ざく
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/149966d33584d478cf4cd4362da66f6d
02/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/e64ad45ce46ab5095ce87ed4344a3df4
03/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/cc15e2de3317ad93f58c855c934dccb7
04/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/27575a446ba0a3c9646dfec253ee378c
05/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/1cb3a026b6f560a07c0a80837c6d1c0f
06/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/cddb25933d3adc2bd4bc2f0a6a4eec69
07/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/46049f0d4c6fa9575125c79fb384f15d
08/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/92404f93bd2b226301f51a2f157ffc5e
09/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/d8deb0d3451940078e35813752d241c3
10/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/0413b4c772eb198113e29942c8099612
6.欲望に従うことの代償
01/06 夫婦は賓客のように敬い合う/男女関係の乱れ
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/9008bd1443dbed257d40d836b8b0e652
02/06 家庭と婚姻の問題
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/c9c5f3a01d6d5407564667a898178315
03/06
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/5c84d5d03c2ccf08e8cb2d999bb56a61
04/06 「万悪淫為首」(あらゆる悪の中で最も悪いものは淫欲である)
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/bd9b24ff34dde071cc4fbaf7361953fc
05/06 芸能人に対する警鐘
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/e29f13d3957bf278f344ba5df7887318
06/06 歓喜仏について
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/8c5441c85f153b6030fabe2e4caf762f
7.我々の子孫は如何にして心の拠り所を得るのか
01/10 児童教育と競争原理の問題/伝統教育の社会実験
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/36fb0ca4fa86e258397076da99e128eb
02/10 学生のあるべき姿とは/三つの根
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/f5900b5840dde5947194d82aff3b55fa
03/10
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/db4a8a148060e168447106b3b91ff72d
04/10 享楽的な世相と災難/清浄心と慈悲心で健康を保つ
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/ef3b4dbfd8520ed44a19c53df771364c
05/10 礼節は最後の砦/卓越した人材を育成するには
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/009bc340bd92d565d59dab4a29ecd22f
06/10 古来の教学方法を実践する
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/5b98e9df9d6027e2723f432697014243
07/10 聖賢を育成する女子教育の重要性/家譜と家族意識の重要性
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/c4a16401c86b3b3432db687bd8067a7c
08/10 三綱五常/トインビーの言葉の真意とは/社会を救う伝統文化の核心
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/4cdcef0fe1aae73ef6b00dbb08ed19b8
09/10 まず自分自身を調和させること/国連平和会議への出席と社会実験の経緯
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/b4656bebf4df2ca58768e6823ba47545
10/10 各宗教の根源は一つの神である/自性から流露した倫理道徳の智慧/災難を回避するために
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/68379abbdbbb1f0be9ca6276ff9be7d3
星とたんぽぽ
金子みすゞ
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきにだァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
可以做参考。
03:55.....
所以伝統中医上説,你怎么様能够譲你不生病呢?
伝統の中医(漢方医学)では、どうすれば病気にならないと言われているでしょうか?
他説你要加強你的正気!
それはあなたの正気(せいき:公明正大な気概)を強化することです!
就“正気存内,邪不可干”。
“正気が内にあれば、邪気は入り込まない(邪は侵すことができない)”。
<参考>
良い子どもはどのように教えられたのか 2014-08-04
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/1caa6c6727861b2cef081a6fd89623aa
邪を退ける方法 2013-11-30
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/5d612d1e0a6a005f71a18568c5e88ca8
磁場 2012-02-14
http://blog.goo.ne.jp/fayuan/e/726f86eeb1b255bd01b03fd1c1838ae7
はだかの王さま
The Emperor's New Suit
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen
大久保ゆう訳
【翻訳出典】
青空文庫:http://www.alz.jp/221b/aozora/the_emperors_new_suit.html
むかしむかし、とある国のある城に王さまが住んでいました。王さまはぴっかぴかの新しい服が大好きで、服を買うことばかりにお金を使っていました。王さまののぞむことといったら、いつもきれいな服を着て、みんなにいいなぁと言われることでした。戦いなんてきらいだし、おしばいだって面白くありません。だって、服を着られればそれでいいんですから。新しい服だったらなおさらです。一時間ごとに服を着がえて、みんなに見せびらかすのでした。ふつう、めしつかいに王さまはどこにいるのですか、と聞くと、「王さまは会議室にいらっしゃいます。」と言うものですが、ここの王さまはちがいます。「王さまは衣装部屋にいらっしゃいます。」と言うのです。
城のまわりには町が広がっていました。とても大きな町で、いつも活気に満ちていました。世界中のあちこちから知らない人が毎日、おおぜいやって来ます。
ある日、二人のさぎ師が町にやって来ました。二人は人々に、自分は布織り職人だとウソをつきました。それも世界でいちばんの布が作れると言いはり、人々に信じこませてしまいました。
「とてもきれいな色合いともようをしているのだけれど、この布はとくべつなのです。」とさぎ師は言います。「自分にふさわしくない仕事をしている人と、バカな人にはとうめいで見えない布なのです。」
その話を聞いた人々はたいそうおどろきました。たいへんなうわさになって、たちまちこのめずらしい布の話は王さまの耳にも入りました。
「そんな布があるのか。わくわくするわい。」と、服が大好きな王さまは思いました。「もしわしがその布でできた服を着れば、けらいの中からやく立たずの人間や、バカな人間が見つけられるだろう。それで服が見えるかしこいものばかり集めれば、この国ももっとにぎやかになるにちがいない。さっそくこの布で服を作らせよう。」
王さまはお金をたくさん用意し、さぎ師にわたしました。このお金ですぐにでも服を作ってくれ、とたのみました。さぎ師はよろこんで引き受けました。部屋にはた織り機を二台ならべて、すぐに仕事にとりかかりました。でも、はた織り機には何もありませんでした。糸もありません。それでも、さぎ師はいっしょうけんめい布を織っていました。いいえ、ちがうのです。ほんとうは布なんてどこにもなくて、からのはた織り機で織るふりをしているだけなのです。ときどき、材料がなくなったみたいにいちばん値段の高い絹と金でできた糸をください、と王さまに言いました。のぞみどおり材料をもらうと、はた織りには使わず、またからのままで織るふりをしつづけました。夜おそくまではたらいて、がんばっているふりをしました。
しばらくすると王さまは、ほんとうに仕事がはかどっているのか知りたくなってきました。自分が見に行ってたしかめてもいいのですが、もし布が見えなかったらどうしようと思いました。自分はバカだということになるのですから。でも王さまは王さまです。何よりも強いのですから、こんな布にこわがることはありません。でもやっぱり、自分が行く気にはなれませんでした。そこで、王さまは自分が行く前に、けらいをだれか一人行かせることにしました。けらいに布がどうなっているかを教えてもらおうというのです。このころには町の人はみんな、王さまが作らせている布がめずらしい布だということを知っていました。だから、みんなは近所の人がどんなにバカなのかとても知りたくなっていました。
そこで王さまは、けらいの中でも正直者で通っている年よりの大臣を向かわせることにしました。この大臣はとても頭がよいので、布をきっと見ることができるだろうと思ったからです。向かわせるのにこれほどぴったりの人はいません。
人のよい年よりの大臣は王さまに言われて、さぎ師の家へ向かいました。さぎ師がからのはた織り機で仕事をしている部屋に入りました。
「神さま、助けてください!」といのりながら、両目を大きく見開きました。けれども、何も見えません。はた織り機には何もないのです。
「ど、どういうことじゃ!?」と思わず口に出しそうになりましたが、しませんでした。
そのとき、「大臣さん、」とさぎ師が声をかけました。「どうです? もっと近づいてよく見てください。このもよう、いろいろな技術が使われていてすごいですし、この色合いだって美しくて、思わずうなってしまいそうでしょう?」
さぎ師はそう言って、からのはた織り機をゆびさしました。大臣はなんとかして布を見ようとしましたが、どうやっても見えません。だって、そこにはほんとうに何もないんですから。
「大変なことじゃ。」と大臣は思いました。自分はバカなのだろうか、と首をかしげました。でもそう思いたくありませんでした。大臣はまわりを見まわしました。二人のさぎ師がいるだけです。よいことに、まだ自分が布が見えない、ということを誰も気がついていません。『見えない』、と言わなければ誰も気づかないのですから。
「あのぅ、どうして何もおっしゃらないんですか?」と、さぎ師の片われがたずねました。もう一人のさぎ師はからのはた織り機でいっしょうけんめい働くふりをしています。
急に言われて、大臣はあわてました。「あ……ふぅん。とてもきれいで、たいそう美しいもんじゃなぁ。」大臣はメガネを動かして、何もないはた織り機をじっくり見ました。
「なんとみごとな柄じゃ。それにこの色のあざやかなこと! このことを王さまに言えば、王さまもきっとお気にめすじゃろうなぁ。」
「その言葉を聞けて、ありがたきしあわせです。」二人のさぎ師が口をそろえて言いました。「では、王さまにもっと知っていただくために、布についてこまかく説明いたしましょう。」
さぎ師はからのはた織り機の前でしゃべりはじめました。色がこいとかうすいとか、もようがうねうねしてるとか、まっすぐとか。ことこまやかに言うのです。大臣はその説明を一言ももらさず聞き入っていました。なぜなら、大臣は王さまにもう一度同じことをまちがえずに言わなければならないからです。もしここで一言でもまちがえようものなら、あとで王さまがほんものを見たときに大臣には布が『見えなかった』と気づいてしまいます。だから大臣は聞いたことをそのまま王さまに言いました。
大臣が帰るとき、さぎ師たちはもっと金の糸や絹がほしいと言いました。布を織るためにひつようだと言うので、すぐに持ってこさせました。でもやはり、さぎ師たちは金の糸や絹を一本も使わないでみんな自分の物にしてしまいました。そして何もないからのはた織り機でずっと織るふりをつづけました。
それからまもなく、王さまはもう一人さぎ師のところに向かわせました。これも根のまっすぐな役人でした。役人の仕事は、布のはかどりぐあいと完成する日にちをしらべてくることでした。しかし、役人も大臣と同じように、見えたのはからっぽのはた織り機だけでした。なんどもなんども見ましたが、どうしてもからっぽにしか見えませんでした。
「どうなされたのですか? もしかして、お気にめさないとか……」二人のさぎ師は不安そうにたずねました。そして何もないはずの布をまるであるかのように見せびらかせました。
「ほら、この王さまのえらさにぴったりのこのもよう、……どうでしょうか?」
さぎ師は言いますが、布はどこにもありません。
役人は思いました。
「わたしはバカではない。自分にふさわしくない仕事をしているだけだ。そうだ、バカではない。おそらく……この布はとてもふうがわりなのだろう。しかし、このことを、だれにも知られてはならないのだ……」
役人は少し考えてから、言いました。見えない布をあたかも見えているように。
「たいへんみごとな布だ! 色合いも美しいし……柄ももうしぶんない。わたしはこんな布を見られてとてもうれしいよ!」
そうして城に帰った役人は王さまに向かってこう言いました。
「たいへんけっこうなものでした。」
街はそのめずらしい布のうわさでもちきりでした。うわさがどんどんもり上がっていくうちに、王さまも自分で見てみたくなってきました。日に日にその思いは強くなるのですが、いっこうに布は完成しませんでした。王さまはいてもたってもいられなくなって、たくさんの役人をつれて、二人のずるがしこいさぎ師の仕事場に向かいました。つれていった役人の中には、前に布を見に行った二人もふくまれていました。
さぎ師の仕事場につくと、二人はいっしょうけんめいに働いているふりをしていました。糸を一本も使わないで、まじめに仕事をしているふりをしていました。
「さぁどうです、王さまにぴったりな、たいそうりっぱな布でしょう?」
前に来たことのある二人の役人がみんなに向かって言いました。
「王さま、王さまならこの布の色合い、柄をお気にめしますでしょう?」
そして、二人はからのはた織り機をゆびさしました。二人は他のみんなには布が見えると思っていたからです。
でも……
「なんだこれは? 何もないじゃないか。」と、王さまは思いました。
王さまは自分がバカかもしれないと思うと、だんだんこわくなってきました。また、王さまにふさわしくないかと考えると、おそろしくもなってきました。王さまのいちばんおそれていたことでした。王さまが王さまでなくなるなんて、たえられなかったのです。
だから、王さまはさぎ師たちを見て言いました。
「まさしくそうであるな。この布がすばらしいのは、わたしもみとめるところであるぞ。」王さまはまんぞくそうにうなずいて、からっぽのはた織り機に目を向けました。何も見えないということを知られたくなかったので、からっぽでも、布があるかのように王さまは見つめました。同じように、王さまがつれてきた役人たちも見つめました。王さまが見ているよりももっと見ようとしました。でもやっぱり、何も見えてはいませんでした。
「これは美しい、美しい。」
役人たちは口々に言いました。
「王さま、この布で作ったりっぱな服を、ちかぢか行われる行進パレードのときにおめしになってはどうでしょう。」
と、誰かが王さまに言いました。そのあと、みんなが「これは王さまにふさわしい美しさだ!」とほめるものですから、王さまも役人たちもうれしくなって、大さんせいでした。そして王さまは、二人のさぎ師を『王国とくべつはた織り士』と呼ばせることにしました。
パレードの行われる前日の晩のこと、さぎ師たちは働いているように見せかけようと、十六本ものロウソクをともしていました。人々は家の外からそのようすを見て、王さまの新しい服を仕上げるのにいそがしいんだ、と思わずにはいられませんでした。さぎ師はまず布をはた織り機からはずすふりをしました。そしてハサミで切るまねをして、糸のない針でぬい、服を完成させました。
「たった今、王さまの新しい服ができあがったぞ!」
王さまと大臣全員が大広間に集まりました。さぎ師はあたかも手の中に服があるように、両手を挙げてひとつひとつ見せびらかせました。
「まずズボンです!」
「そして上着に!」
「最後にマントです!」
さぎ師は言葉をまくしたてました。
「これらの服はクモの巣と同じくらいかるくできあがっております。何も身につけていないように感じる方もおられるでしょうが、それがこの服がとくべつで、かちがあるといういわれなのです。」
「まさしくその通りだ!」大臣はみんな声をそろえました。でもみんな何も見えませんでした。もともとそこには何もないんですから。
「どうか王さま、ただいまおめしになっている服をおぬぎになって下さいませんか?」
さぎ師は言いました。
「よろしければ、大きなかがみの前で王さまのお着がえをお手伝いしたいのです。」
王さまはさっそく服をぬぎました。二人のさぎ師はあれやこれやと新しい服を着つけるふりをしました。着つけおわると、王さまはあちこちからかがみにうつる自分を見ました。
「何と美しい! ……よくおにあいです!」
その場にいただれもがそう言いました。
「この世のものとは思えなく美しい柄、言いあらわしようのない色合い、すばらしい、りっぱな服だ!」と、みんなほめたたえるのでした。
そのとき、パレードの進行役がやって来て、王さまに言いました。「行進パレードに使うてんがい(王さませんようの大きな日がさ)が準備できました。かつぐ者たちも外でいまやいまやと待っております。」
「うむ、わたしもしたくは終わったぞ。」と、王さまは進行役に答えました。「どうだ、この服はわたしににあってるかね?」
王さまはかがみの前でくるっと回ってみせました。なぜなら王さまは自分の服に見とれているふりをしなければならなかったのですから。
お付きのめしつかいはありもしない服のすそを持たなければなりませんでした。地面に両手をのばして、何かをかかえているようなふりをしました。やはりめしつかいも何も見えていないことを知られたくなかったので、すそを持ち上げているようなまねをしているのでした。
王さまはきらびやかなてんがいの下、どうどうと行進していました。人々は通りやまどから王さまを見ていて、みんなこんなふうにさけんでいました。「ひゃぁ、新しい王さまの服はなんてめずらしいんでしょう! それにあの長いすそと言ったら! 本当によくおにあいだこと!」
だれも自分が見えないと言うことを気づかれないようにしていました。自分は今の仕事にふさわしくないだとか、バカだとかいうことを知られたくなかったのです。ですから、今までこれほどひょうばんのいい服はありませんでした。
「でも、王さま、はだかだよ。」
とつぜん、小さな子どもが王さまに向かって言いました。
「王さま、はだかだよ。」
「……なんてこった! ちょっと聞いておくれ、むじゃきな子どもの言うことなんだ。」
横にいたそのこの父親が、子どもの言うことを聞いてさけびました。そして人づたいに子どもの言った言葉がどんどん、ひそひそとつたわっていきました。
「王さまははだかだぞ!」
ついに一人残らず、こうさけぶようになってしまいました。王さまは大弱りでした。王さまだってみんなの言うことが正しいと思ったからです。でも、「いまさら行進パレードをやめるわけにはいかない。」と思ったので、そのまま、今まで以上にもったいぶって歩きました。めしつかいはしかたなく、ありもしないすそを持ちつづけて王さまのあとを歩いていきましたとさ。
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管理人問曰:
あなたは
見栄や面子をもって真実をゆがめて見る、王様や大臣の側でしょうか?
それとも“ありのまま”を“ありのまま”に見る、子ども側でしょうか?
自分の素直な感性を肯定できるでしょうか?
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<参考>
子曰、由、誨女知之乎。
子曰く、由よ、汝(なんじ)に之を知ることを誨(おし)へんか。
孔子は言った。「由よ、お前に“知る”ということを教えてあげよう。
知之爲知之、不知爲不知、是知也。
これを知るをこれを知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。
知っていることを“知っている”とし、知らないことは“知らない”とすること。
これが知るということです。」と。
管理人曰:
知らないことを「知らない」と言えること。
分からないことを「分からない」と言えること。
素直な心でそう思わないことを
「私はそうは思わない」と言えること。
社会は画一化すると無理が生じて衰退し、
多面性のバランスを維持すると健全になります。
Flood Maps
http://flood.firetree.net/?ll=33.8339,129.7265&z=12&m=7
海面の上昇をシミュレーションすることができます。
日本では首都圏、佐賀、愛知などは海抜が低いようです。
中国では天津、江蘇省、上海、広東省は海抜が低いようです。
地球温暖化白書
http://www.glwwp.com/
二酸化炭素とオゾン層 石油・天然ガス 森林破壊 水不足と食料枯渇
砂漠化 海面上昇 水質汚染 紙 割り箸 レジ袋 ・・・・ ・・・・