教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

小学生の発達段階とPC

2007-08-30 | 雑感(教育関連)
早期教育というのがある種ブームであり、いろいろな習い事でも早ければ早いうちに習い始めた方がよいという考え方が広まっているようです。確かに有名なピアニストやバレリーナなどが早くからその道のプロに習い能力が開花しているという事実を見ればそのような考えがあるのもうなずけます。

 しかし、ここで注意したいのは、子供の脳の発達段階を無視してなんでもかんでも早くから習わせる、覚えさせるといった手法が正しいのかどうかを再考する必要があると思います。(もちろん早期から始める教育を全否定するものではありません。)

 この問題について特に今日は、PCの扱いについて考えます。最近では調べ学習などにおいて、調査段階からプレゼンまでの多くをPCを使って行う学校も増えてきています。しかし、小学生の年代に過度にPCに触れさせることには疑問を感じます。時間は限られていますので、何かを行えば別の何かを行う時間が減ってしまいます。
 小学校でPCを使わせて絵を描かせることばかりを行ったところ、平面的・幾何学的な図形しか描けない生徒が増えているという報告を小学校の先生から個人的に伺ったことがあります。脳科学の視点からでは、脳の(感動や刺激に関する)感性を司る部分の成長は10歳頃までがピークという説があります。となるとこの年齢では、五感のバランス良く刺激を与える教育方法が有効ということになる気がします。すなわち、粘土をこねたり、筆のタッチを確かめたり、木や紙、金属の加工などによる感触を実感できる教材を使った教育が重視されるべきではないでしょうか?

 調べ学習ではインターネット偏重の検索ではなく、辞書を引いたり図書館で調べたりという習慣。これは活字に慣れるという意味でも重要だと思います。
 プレゼンテーションもグループで行うのならば昔ながらの方法ですが模造紙に字の配置や大きさなどを考えながら仕上げていくという体験も重要だと思います。

 確かに大人の視点から見ればPCを使った方が効率的であり、作業も早かったり、見栄えも良い物が作れるかもしれません。 しかし、その期間(10歳まで)に培うべき能力を養う時間も同時に失うことのデメリットもこれからは考慮されるべきと考えます。
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