教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

研修講師塾ダイジェスト版(5/1編)

2010-05-01 | 研修・セミナー・講演など
らーのろじー株式会社 本間正人氏の「研修講師塾」起承転結コースに参加しています。
このコースは、5/1から5/5までの5日間連続コースです。参加者は主に人材開発や企業コーチ・個人コーチなどをしている方が多いようです。

本間さんは、らーのろじーという会社で、教育から学習へのシフトすなわち学習とは学校教育に閉じられるものではなく、生涯が学習の連続であり、自ら学ぶ「学習学(learnology)」の提唱をしています。今回は、この連続講座に参加中ですので、備忘録として当ブログに記事を掲載していきたいと思います。

※当ブログ内容につきましては、本間氏の許可をいただいて掲載しております。

今日は初日ということもあって、講義が中心でした。
 まずは、教育学から学習学へというコンセプトの説明がありました。

「教育学は指導者がTeaching(講義)によって知識を伝授していくのに対して、学習学では、Facilitating(集団研修の中で学習者の学びを促進)、Coachingによる一対一あるいはグループコーチングによる指導、Mentoring(自らが経験して学んだ体験を伝える)といった方法が取られるといいます。つまり教育は個人の外側から内側への働きかけが主であり、学習は個人の内側から外側への働きかけが主であると捕らえます。
 さらに、ここ最近のIT化、eラーニングなどの手段により、教材提示・テスト・評価・弱点のフィードバックなども簡単に行えるようになってきたため、いわゆるティーチングによる知識伝授の部門はどんどんITによって置き換えられ、むしろこちらの方が効率的に学習が進むと。従って学校は、集団でないと学べないようなこと、ITによって補えない実技系の学習などにシフトしていき、教師もよりファシリテーターやコーチ、メンターの位置づけになっていくであろうということ。
 さらに個人を超えて組織集団も学ぶということ。それが学習する組織とか学習する社会といった概念である。」
 このへんまでのお話は、私が当ブログなどにも書いてきたことであり全く同感でした。

 さらに集団で学びを成功させるには、ベストプラクティスの共有が大事であり、個人主義になってライバルには工夫したやり方を教えないといった方策では企業の成長・発展は難しいということでした。また、ここは落としてしまいそうな重要概念なのですが、かつての成功体験・成功プラクティスが未来永劫使えるわけではないから、手放す(unlearning)ことも時に必要だということ。いま、業績がなかなかあがっていない企業は共通してこのアンラーニングができていないといいます。過去の成功体験にしがみついてそれでやろうとしてもうまくいきませんね。(営業課長が部下に「とにかく根性でまわって注文とってこい」というようなもの)

ここで一息入れて、「今まで出最高の講師は誰ですか?」という問いに対しての個人ワーク、「最高の講師はどんな特徴をそなえていますか?」といった問いに対してのグループブレインストーミングなどを行いました。

次のお話では、ハワードガードナーのMI理論が出てきました。
学習者は、学習者が得意な学びのスタイルがあり、
1.言語(ことばによる学び)
2.数・論理(理論的な説明)
3.空間(グラフや図形)
4.身体(手を動かすなど)
5.音楽(聴覚を使う)
6.自然
7.内省(一人で時間をとる)
8.対人(英会話など)

これに本間モデル(上の図 講義を元に作成)
を重ねることができるそうです。この対比は面白いと思いました。

すなわち、言語・論理的な部分⇒知(左脳)
空間・身体⇒体(間脳や脊髄)
音楽・自然⇒感(右脳)
内省・対人⇒徳(前頭野)

さらに、ティーチングモード、ペアワーク、グループコーチング、コンペファシリテーションなどのモードによる使い分けのお話。個人的に本間さんに質問してみると、ペアワークでほぐした後、グループワークを入れると深まるといった感じでした。

あと、研修プログラムの評価についてですが、評価は改善を進めていくためには必要なプロセスであり、それは受講者のよりよい行動変容につながっているかどうかで評価されるべきものであるということ。

1)直後アンケート、2)フォローアップアンケート(いくらか時間をおいてから)、3)360度フィードバック(上司⇔部下、同僚⇔同僚) 、4)専門家による観察、5)実験群と対象群の比較によるもの について、それぞれのメリット・デメリットの説明がありました。
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