教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

逆上がり記事について(学習のモチベーションに関連して)

2014-12-08 | 番組、記事、書籍コメント
ハフィントンポストの以下の記事
「はじめて逆上がりが出来た女の子:成功後の一言が指導者を撃ち抜く」が話題になっています。

逆上がりが出来た女の子の記事です。

--------本文よりここから引用

「ついに彼女は逆上がりを成功させました。初めての成功に女の子は大喜びです。先生も我が事のように一緒に喜びます。

次の瞬間、女の子は喜びながらこうつぶやきました。

「もうこれで、逆上がりの練習しなくて良いんだね!!」

------------------------------

この最後の一言が結構、教育関係者の中で話題になっていますね。


例えば自転車に乗るということについて、先週の東京大学のMoocインタラクティブティーチングでは、目標の主観的価値ということで以下が紹介されていました。


1)達成価値:目標やタスクの修得および達成 Attainment Value
 乗れるとおにいちゃんになる というような

2)内発的価値:タスクを行うことそのもの Intrinsic Value
 自転車にのることそのものが楽しい

3)道具的価値:他の重要な目標を達成にこの目標やタスクが役立つか Instrumental Value
 自転車にのることで、遠くにいける 体が健康になる

この女の子が逆上がりができたということは、1)の達成価値と関係がありそうですね。
しかし、タスクを行うことそのものに対する楽しみではなかったので 2)ではないようです。
そして 3)に関して言えば、逆上がりという練習により、例えばひっくりかえって1回転するというような身体感覚や腹筋や踏切のタイミングと体の預け方など、身体能力・感覚の発達が道具として一部身についた可能性はあると思います。

よって、それができたことで 「もう練習しなくてよい」と本人が思ったとしても、指導した体育の先生はがっかりする必要はないのかもしれません。

(どうしてもいやがって練習しない・できない子に強制するのは道理に反していると思いますけど)
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