富士山に登った。
と言っても、宝永山の火口縁だけど。
しかも、富士宮5合目駐車場まで登ったのは富士急のバスで、
我々はそのバスに乗って行っただけ。
三島駅で駅弁買って、5合目駐車場で腹拵えして、登山届提出して、
入山料の千円を払って、売店で金剛杖買って、さあ出発。
新五合目の登り口には、最初に富士登山した外国人の記念碑が有る。
赤い溶岩粒の登山道は、まるで砂場のように足を取られて、極めて
歩き難い。しかも急な登りが続いて、息が切れる。
心なしか空気も薄いような気もする。
6合目の山小屋はガスの中で霞んでいる。杖に焼き印押して
もらって、宝永山に向かう我々は、右に分岐する。
斜面をトラバースする登山道は整備されていて、歩きやすい。
ガラガラの石ころの中の高山植物の黄色の花が、目立つ。
所々にハイ松が低く枝を広げている。
流れる雲の中、程なく「宝永第一火口縁」の道路標識に着いた。
時たま薄くなるガスの中に宝永山の山頂と火口底とが見える。
小休止していると、三島駅から同じバスで来た、3人組のパーティー
が追い付いてきた。何となく仲間意識から、一緒に記念撮影。
ここから火口底まで下り5分帰りの上りが10分の往復で、
若手だけがトライした。
霧の晴れ間から、宝永山頂が顔を出したので、記念撮影。
3人のパーティは宝永山を経由して、御殿場ルートから山頂を
目指すらしい。手を振って別れた。
火口縁を、樹林帯への分かれ道の「宝永第二火口縁」の標識
まで下る道は、傾斜がきつくガラガラの石ころと、ザラザラの
砂の急斜面で、一歩下りるごとに靴が埋まるほどに滑って、
極めて歩き難い。
大砂走とは、こんな状態だろうか。
この道は年寄りにはかなりこたえる。
これだけ砂利を踏み下ろしたら、どんどん山が低くなるんじゃ
ないかと、余計な心配をしてしまう。
針葉樹の樹林帯の中を、先程の富士宮5合目駐車場に戻る道は、
UP-DOWNが少なく歩きやすい。
立ち枯れした針葉樹の残骸や、土石流のあと、コケモモの小さな花、
富士山らしい景色を楽しみながら歩くことが出来た。
提出した登山届に、持ち物としてウィスキーの小瓶と書いて
おいたが、なんとみんな小瓶を持って来ていた。
さすがに山では呑まなかったが。
その分、帰りの新幹線でビールが美味かった。
雲の中杖を頼りに富士の山
眺望は無けれどこれも富士登山 蛙蝉
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