耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

秩父の散策

2019年07月11日 08時42分03秒 | 大人の遠足

 初夏の秩父を散策した。

 日本史上では和同開珎が鋳造された地の「知知夫」が秩父の由来だと言うが、

今は観光地としての整備が進んでいる。

   

 西武秩父駅から、秩父鉄道の秩父駅前までのつもりでバスに乗った。乗客は

我々一行のみで、貸し切り状態だった。良くないこととは知りつつ、ワンマンの

運転手に美味しい蕎麦屋は何所か?と聞いたら、観光客はあまり行かないが、

クルミ蕎麦が有名な「わへいそば」が、固めで美味しいだろう、とのこと。

その上、秩父神社にお参りするなら、ここで降りた方が良い、と神社の近くで

降ろしてくれた。

 

 

 武甲山の男神と秩父神社の女神との、年に一度の逢瀬である「秩父夜祭」で

有名な秩父神社は、関東でも屈指の古社のひとつで、徳川家康が寄進という

社殿の周りには、色鮮やかな木彫がある。

左甚五郎作と言われる、竜・虎・梟・三猿が並んでいて、美しい。

 

 

 暑いから、神社詣りはそこそこにして、美味しい蕎麦を求めて、歩き出した。

秩父駅前からの下り坂を20分も歩いただろうか。やっと見えてきた「わへいそば」は

定休日だった。

 

 ぶうぶう言いながら、もう一度秩父神社の近くの、古民家風の蕎麦屋に

戻って、冷たいビールでやっと一息。私は念願のクルミ蕎麦にした。

 

  これから、造り酒屋を見学する、というのに、やっぱ蕎麦には日本酒だろう、と

秩父錦を一杯ずつ。

 

 見学を申し込んでいた「武甲酒造」は歩いて10分。

東京農業大学の醸造学科出を自慢する親父が説明してくれたが、学士様だけあって

少し横柄な態度だが、話すことは面白かった。

   

 この蔵の日本酒は、秩父地区以外には殆ど出荷していないと言うが、試飲に出して

くれた日本酒は、どれもおいしかった。

 

 

 秩父駅から長瀞駅まで、秩父鉄道の予定だったが、1時間に1本しかなく、

値段を交渉して2台のTAXYで移動した。早く着いたのは良いが、船が出るまで

30分も待たされた。荒川ライン下りは、3社が競合していて、客の奪い合いの

ようだった。

 

 

 

 大雨の後ではあるが好天無風なので、荒川の流れは緩やかで、波一つない。

 

 船頭の兄さんが、両岸の特色ある岩石の名前を説明する。撮影できたタモリも

喜んだと言うが、この辺りは結晶片岩が露出している。地下のマグマの近くで

造られた岩で、ミルフィーユのように岩が層になっている。通常は地下深くでしか

見ることが出来ないが、なぜか長瀞周辺にはこのような岩が地上に現れている。

 

 さらにマンガンを含んだピンク色の「紅簾石片岩」が、地上で観察できるのは

世界的にも貴重と自慢していた。

 

 川幅が狭くなって船首が上下して、大きく飛沫を上げる処が2カ所あったが、

スリルが有るのはそこだけ。あっという間に川下りはおわってしまった。

 

 

   川船の水の飛沫も酒の供 蛙蝉

  

 帰りに、長瀞駅から見上げる武甲山は、玄武岩の上に、石灰岩が乗り上げて出来た

と言う。これが秩父セメントを産んだが、今は業界再編により太平洋セメントに

なっている。

 山頂まで石灰岩の採掘が進み、山肌をさらす異様な姿が印象的だった。

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿