白い鳥が群れて飛び立つような「ハクモクレン」。花弁の基部のピンクがかわいい。ハクモクレンとコブシの違いと見分け方は、花の大きさ、花弁の数、花の向きで区別する。庭木になっているのは多くはハクモクレンのようだ。
(2021年早春 川崎市)
■早春の花シリーズ
「チロリアンデージー」(早春の花 001)
「クリスマスローズ」(早春の花002)
「ツルニチニチソウ」(早春の花 003)
「ペーパーホワイト」(早春の花 004)
「日本水仙」(早春の花 005)
「黄水仙」(早春の花 006)
「カラスノエンドウ」(早春の花 007)
「ラッパスイセン」(早春の花 008)
「ヒマラヤユキノシタ」(早春の花 009)
「ジンチョウゲ」(早春の花 010)
「ヒメオドリコソウ」(早春の花 011)
「アラセイトウ」(早春の花 012)
「オオイヌノフグリ」(早春の花 013)
・中国の中南東部を原産とする落葉広葉樹で江戸時代以前(時期不明)に日本へ渡来した。紫色の花が咲くモクレンとは別種であるが江戸時代末期までは同種扱いされていた。
・花期は葉が出る前の3月~4月だが、モクレンよりは半月ほど早い。コブシと同じように枝先に白い花を咲かせるが、花芽は長さが2.5センチほどあり、コブシよりも一回り大きい。
・花弁は6~9枚だが、ほぼ同じ大きさの「萼片」が3枚あり、計9枚以上の花弁があるように見えるのがモクレンとの違い。雄しべと雌しべはモクレン同様に多数ある。
・モクレンは群生するが、ハクモクレンは単独で植栽されることが多い。また、モクレンは背丈が3~5m程度にとどまるが、本種は10mを越す大木となる。
【育て方のポイント】
・寒さに比較的強く、北海道でも植栽できるが、蕾が生じた後に霜が降りると花が傷むことがある。
・日当たりを好む「陽樹」であり、日陰では育ちが悪い。
・湿気のある肥沃な土地を好むが、あまり土質を選ばない。
・街路樹として使われることもあるが、本来は煙害に弱い。
・剪定は好まない樹種であり、強度の剪定は樹勢が衰える原因となる。冬季に不要な枝を付け根から切除する程度にとどめるのがベター。
【主な園芸品種】
・ニシキモクレン
・アレキサンドリナ ~ モクレンとの雑種
・エリザベス
ハクモクレンとマグノリアアクミナータの交配種で、咲き始めの花が黄色っぽいことから「黄花モクレン」とも呼ばれる。花色は開花が進むにつれてクリーム色に近付く。