中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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冬の丹沢;遅まきながら大山初詣

2013年02月11日 05時46分05秒 | 丹沢の山旅

                           <大山山頂からの眺望>

        冬の丹沢;遅まきながら大山初詣
         (山旅スクール5期同期会)
         2013年2月9日(土) 晴

<ルート地図>


注;累積登攀下降高度は1042mである.

<男坂経由で阿夫利神社下社へ>

■伊勢原駅から大山ケーブルへ
 私達山旅スクール5期の有志は,例年1月初旬に大山初詣をしている.今年も1月中に初詣を計画していたが,実施日当日の天候不良により中止したままになっていた.最近になって,メンバーの中から,
 ”やっぱり縁起物だから,今からでも大山参りをしよう・・・”
という提案があり,2月9日,大分,遅まきながら,例年通り大山詣でをすることになった.
 8時30分,伊勢原駅北口集合である.
 例によって,何時も塔ノ岳に登る日と同じように3時30分に起床した私は,朝の時間を潰すのに一苦労する.出掛ける以上,まとまったことをする時間はないが,出掛ける準備をするには時間がありすぎるからである.
 何とか時間を潰して,塔ノ岳に出掛けるときよりも約1時間遅いモノレールに乗って大船まで出る.それでも時間があるので,大船駅前のマクドナルドに入って,コーヒーを飲みながら時間つぶしをする.そして,やっと大船6時53分発同会同線沼津行の電車に乗車する.実はこの電車でもまだ早すぎる.
 藤沢で小田急電車に乗り換える.そしてさらに相模大野で小田原行急行電車に乗り換えて,集合時間の30分前に伊勢原駅に到着する.
 私は改札口前にある喫茶店に入って時間を潰すつもりだったが,今日の参加者のお一人である野菜漬物さんが,私より前に,もう集合場所に居られる.私は喫茶店に入るのをやめて,野菜漬物さんと雑談しながら,参加者が揃うのを待つ.
 今日の参加者は,野菜漬物さん,ノシイカさん,トドさん,ホッシーさん,それに私の5名である.私以外は女性である.
 “女「偏」に「姦」という字があれば,きっとこの4名のことに違いない・・・”
 私は口には出さずに,心の中だけで連想してニヤニヤする・・・実は,以前は,ご一緒する同時期性の中に男性も居られたが,寄る年波に勝てないのか,何時の間にか居なくなり,今,男性で残っているのは私一人になってしまった.
 大分前置きが長くなったが,伊勢原駅北口から大山ケーブル行のバスに乗る.
 初詣の時期に比較すると,登山客(参拝客?)の人数は大分少なく,バスも待たずにユックリと座れる.
 9時04分にバス停大山ケーブル駅に到着する.出発準備を済ませて,9時14分にバス停大山ケーブルから歩き出す.
 前方を見上げると山肌に残雪が残っている大山が聳えている.
 まずは土産屋が軒を連ねている参道を登る.


<バス停大山ケーブルから土産屋が並ぶ参道を登る>

■追分社から男坂へ
 9時30分,追分社に到着する.ここで衣服調整を兼ねて5分ほど休憩をとる.
 阿夫利神社下社までは,今のところは,ケーブルは使わずに,登りは男坂,下りは女坂を辿ることにする.
 9時35分,追分社を出発する.
 毎度のことながら,男坂の急階段は手強い.一段一段の段差が大きい上に,階段が自然の石を並べて作られているので,とにかく登りにくい.途中で見上げると,ため息が出るほど,とてつもなく長い石段が延々と続いている.ここは,もう,焦らずにエッチラホッチラ登り続けるしかない.
 男坂を登っている間,ほとんど人とすれ違うことはなかった.
 
<追分社から男坂へ>                                            <男坂の急階段>
       
■阿夫利神社下社
 10時17分,女坂との合流点に到着する.ここで,数分のトイレ休憩を取った後,石段を登って阿夫利神社下社前の広場に到着する.
 向かって右側に並ぶ茶店から,店に入って休憩を取るように,かなりしつこく勧誘される.でも,登山の途中でノンビリ休憩をしていたら,登る意欲がなくなってしまうので,ここはパス.
 広場は,ケーブルに乗ってこられたと思われる観光客で賑わっている.
 私達も阿夫利神社下社を参拝する.そして,境内の片隅で,ここからの登山に備えて,身の回りを整理する.

<阿夫利神社下社>

<阿夫利神社下社から大山山頂へ>

■頂上登山口
 阿夫利神社下社境内で準備を終えた私達は,10時34分に境内の頂上登山口から登山道に入る.登山口から,いきなり急な階段を登る.私達の前にも登山客が居るので,登山道は混雑している.
 長い石段を登りきると,ジグザグでやや急な登山道になる.

<山頂登山口>

■夫婦杉
 私達は随分とユックリした速度で登りつづける.途中で沢山の登山客に追い抜かれるが,それでいて私達よりさらに遅い人もいるのが面白い.こうして比較してみると,塔ノ岳で見掛ける登山客とは,どこか違う感じがする.
 ジグザグ道を登る途中で,10時55分,夫婦杉という大きな杉の木の前を通過する.大きな杉の木に感心する.

<夫婦杉>

■蓑毛分岐(16丁目分岐)
 11時27分,蓑毛分岐(16丁目分岐)に到着する.「新吉原町中」という刻字のある大きな石柱が立っている.
 蓑毛分岐を過ぎる頃から,登山道の残雪が増え始める.ところどころがアイスバーンの状態になっているので,途中で軽アイゼンを装着する.ところが,アイゼンを持っていない登山客もかなり居るので,事故に巻き込まれるのではないかと心配になる.この時期,塔ノ岳に登ってくる登山客のほぼ全員がアイゼンを持参しているのとは大違いだなと実感する.

<蓑毛分岐>

■富士見台(ヤビツ分岐)
 11時50分,富士見台(ヤビツ分岐)に到着する.ここからはヤビツから登ってくる登山客が合流する.防寒具を腰に巻き付けたおかしな格好の登山客が増える.山岳ガイドが居たら真っ先に注意を受けてしまう服装である.
 晴れていれば,ここから富士山が良く見えるはずだが,今日は水平線上に雲が掛かっていて,残念ながら富士山は全く見えない.
 小休止後,引きつづき山頂を目指す.
 ヤビツ峠から登ってきた女性グループのリーダーらしい人が,私達のメンバーに,ストックの使い方を注意する.見当外れの注意である.注意を受けたメンバーは憮然とした表情で聞いている.
 “防寒具を腰に巻き付けた人の注意など聞きたくないよ・・・”
と顔に書いてある.私も同感.
 “あまり好い加減なことをいうなよ・・・お前さんより少しはマシに山のこと勉強しているよ”
と心の中でだけ愚痴を言う.

<富士見台>

あれ~っ・・・塔ノ岳のご常連だ
 大山山頂近くで,下ってくる集団の中に,三角髭のTさんそっくりの人が居る.
 “あれ~ぇ・・・三角髭のTさんそっくりだな.でも,今日は土曜日だし・・・Tさんは塔ノ岳の筈だ.おかしいな・・・”
と思いながらシゲシゲとTさんチックの方を見つめる.
 「やっぱり,三角髭のTさんだ・・・」
 気がつくと,Tさんの前後に塔ノ岳ご常連の方々が沢山居られる.F田さん,M田女史,K井さん,K村さんなど.私が何時も土曜日あるいは水曜日に塔ノ岳にお会いする主力メンバーが揃っている.これには驚いた.これでは今日の塔ノ岳は,ご常連不足で精彩に欠いているに違いないなと思う.
 「普通の人が歩かないコースを歩いていますよ・・・」
とのこと.このメンバーなら“さもありなん”と納得.
 「後ろに,野菜漬物さんが居りますから声を掛けてあげて下さい・・」
でお別れする.

<塔ノ岳ご常連とすれ違う>

ハングライダーが空を舞う
 山頂直下の足場の良い所で,遅れ気味の野菜漬物さんを待つ.
 空を見上げると,ハングライダーがノンビリと空を舞っている.
 「気持ちよさそうだな・・・私も飛んでみたい・・」
ど若い女性が話しながら私達の前を通過していく.
 “あんな高い所を飛ぶなんて怖い,真っ平ゴメンだ・・・”
私は声を出さずに言う.正直なところ,私は高い所が大嫌いだ.
 “100万円貰っても,あんなものには乗らないぞ・・・”
 乗ることを想像しただけで背筋がゾクゾクしてくる.

<ハングライダーが空を舞う>

■大山山頂に到着
 山頂に近付くにつれて,雪が多くなる.
 12時33分,予定より大分遅くなったが,なんとか大山山頂の鳥居に到着する.辺り一面が雪に覆われている.
 気温がどの位か分からないが,風がないので,それほど寒いとは感じない.
 まずは,ともかく塔大山山頂で休憩を取ることにする.

<大山山頂の鳥居を潜る>

<大山山頂>

■阿夫利神社上社
 まずはともかく,大山山頂に鎮座する阿夫利神社上社をお参りする.
 山頂付近にあるベンチは,どこも登山客で満席である.私達も,どこかに腰を下ろして,昼食にしようと思う.

<阿夫利神社上社>

山頂からの眺望
 「まずは,山頂を一回りしましょう・・・」
ということで,まずは大山山頂からの眺望を楽しみながら,昼食を摂る場所を見付けようということになる.
 最初に相模湾を見下ろす風景を楽しむ.
 今日は晴れてはいるが,何となく春霞が漂っている感じで,遠くの景色は茫漠としている.
 “これって・・・中国の大気汚染の影響かな・・・”
と思ったが口には出さない.

<大山山頂から相模湾を望む>

■厳しい表情の表尾根
 山頂の北尾根側に廻る.辺り一面に雪が残っている.
 あいにく富士山は見えないが,残雪が厳しい表尾根が見えている.一段と高い山が塔ノ岳である.尊仏山荘が見えている.多分,今日も尊仏山荘は沢山の登山客で賑わっているだろうな・・・でも,K村さん,K井さん,T田さん,M田さんなどが一斉に姿を消した尊仏山荘は一寸寂しかっただろうなと想像する.

<残雪の表尾根の山々>

テーブルで昼食
 山頂裏手にあるテーブルが空いているのを,ようやく見付ける.ここで昼食を摂ることにする.
 早速,野菜漬物さんから沢山のネーベンの提供を受ける.どれもこれもご自分で採取したり,育てた野菜が中心の料理である.どれもこれも,まさに珍味.料理が上手な人が実に羨ましい.
 美味しい食べ物は,確かに人生を豊かにしているなと実感する.

<野菜漬物さん提供の惣菜>

<深雪を踏んで見晴台へ>

■雪に埋もれた階段道を下る
 昼食を置けて,13時29分,大山山頂から下山開始.見晴,女坂経由で下山する予定である,
 見晴へ下る登山道は東寄りの道なので,日照時間が少ないためか,残雪が意外に多いようである.
 このルートの殆どが階段道だが,今日はまだ深い雪の中で,階段は殆ど雪の中である.
 下山途中で,お一人が,
 ”足が痙攣しそうだ・・・”
ということで遅れる・・・が,一旦治ると,今度は脱兎のような速度で下り続ける.この様子を見ていて,
 “この方は,まるで焼き玉エンジンのような人だな・・・”
と思う.

<階段道と途中にある平坦な場所で一息入れる>

見晴台に到着
 標高が下がるにつれて残雪が少なくなり,次第に泥道になる.靴底に泥がへばり付いて重くなるだけでなく,ヌルヌルと滑るので歩きにくい.そんな泥道が延々と続く.
 13時36分,ようやく見晴台に辿り着く.
 振り返るとたった今降りてきた大山山頂からの尾根が見えている.短時間の間に,随分と長い尾根道を下ったんだなと実感する.
 この写真の右手にはギザギザと尖った三峰の山が見えている.
 私は,ここで軽アイゼンを脱着する.沢山の泥がへばり付いているアイゼンは始末が悪い.とりあえずは,泥が付いたままのアイゼンをビニール袋に放り込んでから,リュックに仕舞い込む.

<見晴台から大山を望む>

■見晴台から阿夫利神社下社へ
 14時48分,見晴台を出発する.ここから阿夫利神社下社までは,勾配が緩やかなトラバース道になる.遊歩道のような道には残雪や泥濘もなく,極めて歩き易いが,所々に落石注意の場所があり注意を要する.また,途中には,先日の大雪のためか,道路が荒れていて,仮設道路が作られているところもある.
 15時10分,八大龍王に到着する.沢山の赤い幟旗が立ち並んでいるのが印象的である.
 八大龍王脇の瀧を眺めながら小休止する.

 
<八大龍王>                                   <八大竜王脇の瀧>

<女坂を下る>

■下り階段は慎重に
 15時18分,阿夫利神社下社広場下に到着する.ここでトイレ休憩.
 丁度そのとき,往路のヤビツ峠分岐で一緒になった女性グループと鉢合わせになる.相変わらず防寒具を腰に巻き付けている.
 15時26分,広場下を出発する,下りは女坂経由の予定である.件(くだん)の女性グループも同時スタートである.リーダーの女性が,
 「足許に注意してシッカリ下って下さい.」
と言っているのが聞こえてくる.
 女坂は,男坂に比較して楽だと言っても侮れない.特に下り始め階段はかなり急で,しかも自然の石を使った階段なので足場が悪い.転倒したら大事故になりかねない.私達も慎重に下山し続ける.
 気がつくと,先ほどの女性グループとは,声が聞こえないほど距離が開いてしまい姿形も見えない.私達もノソノソと下っているが,それに輪を掛けたように超スローモードのようである.余所様のことながら,大丈夫だろうかと気になる.

■大山不動尊
 15時39分,大山不動尊に到着する.
 「あれぇ~・・! 犬は居なくなったのかしら・・・」
と誰かが言う.そういえば,ここを通ると,いつも犬に吠えられたなと思い出す.
 今日は犬に吠えられなかったが,本堂脇の犬小屋に,どこかの電話会社の宣伝に出てくる犬とそっくりの白い犬がちゃんと鎮座している.
 大山不動尊の境内で,参拝を兼ねて休憩を取る.

<大山不動尊>

■ミツマタ並木
 15時44分,大山不動尊を出発する.相変わらずの階段道だが,コンクリート製の階段なので極めて歩き易い.
 15時53分頃,ミツマタの並木道になる.清楚なミツマタの花が美しい.
 “大山のみつまた鹿さん食べないで”
と書いた看板が立っている.
 
<ミツマタ>                                    <鹿さん食べないでの看板>

<無事下山>

■かんき楼で懇親会
 16時02分,大山ケーブル駅近くの「かんき楼」に到着する.例年,正月にはここで豆腐料理を賞味することになっている.
 店の入口で.お店の方に,
 「泥靴ですが,入っても良いですか・・・」
と念を押してから,店に入る.
 例年通りの豆腐料理を注文する.
 前回,ここの店に入ったのは1年余り前のこと,でもついこの間のような気がする.1年経つのは早いものだなと今更のように思う.
 メニューを見ると,豪華に見えるが,かなりローカロリーの健康食である.たまにはこんなメニューも良いなと思いながら美味しく頂く.

<かんき楼の豆腐料理>

■バスで伊勢原駅北口へ
 17時03分,かんき楼を出る.土産物店が並ぶ参道を下って,17時10分にバス停大山ケーブルに到着する.結構沢山の登山客がバスを待っているが,座席には十分に余裕がある.
 17時22分,バス発車.
 途中の停留所から次々に乗客が増え出し,やがて超満員になる.伊勢原駅北口まではかなり遠いらしくて時間がかかる.今日が休日のためか,駅周辺は大渋滞である.

<バス停大山ケーブル;写真の乗客は無関係の方々>

■19時半過ぎに帰宅
 17時49分,バスはようやく伊勢原駅北口に到着する.このところ少しは日が長くなったとはいえ,辺りは暗くなり始めている.小田急電車も大分混雑している.
 途中から流れ解散.海老名から先は私一人になる.相模大野で各駅停車片瀬江ノ島行の電車に乗り換える.一駅ずつ停まっていくのが煩わしいが仕方がない.
 藤沢で東海道本線の電車に乗り換えて大船で下車する.さらに本数の少ないバスに乗って帰宅したときは19時半を廻っている.
 何時もより大分遅めの夕食を済ませると,もう眠くて仕方がない.
 大山は塔ノ岳に比較すると随分と楽に登山できる山だなという印象を受ける.でも帰宅が遅くなると,何とも言えない疲労感が残る.もう何もする気になれないので,風呂に入った後,早々と就寝する.
 でも,まあ,随分と遅ればせながら毎年恒例の大山詣でを済ませたので,多分,今年も無病息災で過ごせるかなと期待している.

<ラップタイム>

 9:14  歩き出し
 9:30  追分社( 9:35まで衣服調整)  <>
10:22  阿夫利神社下社(10:34まで参拝・休憩) 
11:27  16丁目追分(蓑毛分岐)
11:50  富士見台(ヤビツ分岐)(11:52まで展望休憩)
12:33  大山山頂(13:29まで昼食)
14:36  見晴(14:48まで休憩)
15:18  阿夫利神社下社下(15:26までトイレ休憩)<>
15:36  大山不動尊(15:44まで参拝・休憩)
15:55  追分社
16:02  かんき楼着

[山行記録]

■水平歩行距離       5.5km

■累積登攀下降高度   1042m

■登攀所要時間(休憩時間込み)
  大山ケーブル発      9:14
  大山山頂着        12:33
  (所要時間)   3時間19分(3.32h)
  登攀速度   1042m/3.32h=313.9m/h

■下降所要時間(休憩時間込み)
  大山山頂発         13:26
  かんき楼着          16:02
  (所要時間)  2時間36分(2.60h)
  下降速度   1042m/2.60h=400.8m/h
                                                                          (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e39e56cd91c0bae225b40a80dca227fd
「大山」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/162104abc52f59e09d5ea8281396e7e7
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/813e40bd6fbcf6cb18168d9c924563a0
「大山」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0fab24986945a4ae9e300e6d6dec8192



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