ウイルヘルム山登頂記(4):パプアニューギニアへ(2)
ポートモレスビーに到着
2007年2月10日(土)~17日(日)
第2日目 2007年2月10日(土)その2
■機内誌に掲載されているBetty’s Lodge
flower-hillは,今,成田からパプアニューギニア(PNG)のポートモレスビー行の機内にいる。もう成田を出発してから4時間ほどになる。私は先ほどから機内誌に掲載されているウイルヘルム山の記事を興味深く読んでいる。
記事には,PNGの高校生が,ウイルヘルム山へ登ったことが書かれている。この記事の中で,ゲグルスグルのBetty’s Lodgeの彼らが宿泊したようである。このロッジは,まさに私達が12日に宿泊するところである。このロッジの持ち主のベティさんにも是非合ってみたいものである。
■ポートモレスビーに到着
暫くの間,ウトウトと過ごす。その内に,機内が何となく騒がしいので目覚める。3時15分である。すでに赤道を通過して,PNGの近くのビスマルク海の上を飛んでいる。巡航高度は10100メートル,外気温は-36℃である。やはり赤道付近だけあって,日本付近に比較すると,外気は大分暖かいようである。
4時02分,機内ではアイスクリームと水が配られる。寝不足気味で,何となくけだるいときに,アイスクリームはとても美味しい。4時30分,ドスンという衝撃を感じる。無事,ポートモレスビー空港に到着する。小さくてのどかな空港である。4時40分,到着。そして,4時47分にディセンバーグ。
空港の建物の照明が暗くて狭い。入国審査は,窓口がたった2ヶ所しかなく,大変時間が掛かる。無愛想な係員が,投げ返すような感じでパスポートを返してよこす。すぐに荷物を受け取りにコンベアーの所へ行く。室内の照明が薄暗い。
■トランシットの手続きにイライラ
やっとのことで,出て来た荷物をピックアップして外へ出る。現地の旅行代理店パラダイス観光(Paradise Adventure Tours)現地スタッフの宮久保さんが私達を出迎えてくれる。私達はこれから国内線に乗り換えて,マウントハーゲン(Mt.Hagen)へ向かう。そのために,一旦受け取った荷物を,また,マントハーゲン行の飛行機にチェックインしなければならない。
窓口は長蛇の列である。ジリジリしながらひたすら待ち続ける。そして,6時頃,漸く荷物を預けることができた。果たして,無事に荷物がマウントハーゲンまで届くのかなと不安になる。
■ポンコツ寸前のリムジンバス
ツアーリーダーのケイさんが,
「離ればなれにならないで,一緒に行動してクダサ~イ・・・」
と何回も私達に注意する。
私達は宮久保さんの後を追って,小さなリムジンに乗車する。このリムジンは,トヨタ製。土手っ腹に2人の子供が水泳を楽しんでいる絵が描いてあり,その下に「明るく仲よく元気よく」と書いてある。どうやら,日本の何処かの幼稚園辺りで使っていた中古品のようである。
自動車に乗り込んで,またビックリする。座席シートがボロボロである。クタクタヨレヨレにして垢だらけにしたような南京袋風のカバーが掛けられている。しかもところどころ綻びている。シートの座るとバネが抜けていて,ゴスンと尻が沈む。シートがグラグラするのか,鉄製の長いアングルで椅子が固定されている。補助椅子は,開くと止まらないのか,それを支えるために四角い箱が括り付けられている。心なしか,何となく饐えたような匂いが漂ってくる。このシートに出くわしたのが,PNGに到着して味わった最初のカルチャーショックである。
<ボロボロなリムジン>
■ホテルで朝食
6時12分,私達を乗せたオンボロリムジンは,国際空港ビルを発車する。これから,私達は空港近くのゲートウェーホテル(Gateway Hotel)で朝食を摂る予定である。ほんの数分のドライブの後,6時15分にゲートウェーホテルに到着する。
<ゲートウェーホテルのネコちゃん>
ホテルには綺麗なプールがある。そのプールの傍で,バイキング方式の昼食を摂る。可愛い斑ネコが私達のリュックの匂いを嗅いでいる。私は過食にならないように,ソーセージ,目玉焼き,フルーツなどを慎重に選んで取り皿に載せる。それに,ヨーグルト,トマトジュースを選ぶ。ソーセージは,いつも日本で食べているものと違って,何となく口に合わない。
<ゲートウェーホテルの朝食>
食事をしながら,宮久保氏と雑談をする。彼によれば,PNGの対日感情は,決して悪くないとのことである。この点は一安心である。都市部での物価は,とても高いようである。また,ブタ3匹出さないと嫁が貰えないという(あとで,嫁を貰うのに50匹のブタが必要という話を聞いたが,どちらが正しいのか良く分からない)。地方へ行くと貨幣経済にはほど遠く物々交換が主体になるという。
■国内線ターミナルへ
朝食を終えた私達は,7時35分に再びオンボロリムジンに乗り込む。そして,国内線ターミナルへ向かう。道路の両側には深紅のブーゲンビリアが咲き誇っている。明るい日差しが如何にも南国らしい。
広々とした空港敷地内の道路をグルグル回って,7時43分に国内線ターミナル(Domestic Terminal)に到着する。国際線ターミナルとは打って変わって,ウジャウジャと沢山の群衆が集まっている。皆,真っ黒な顔をして,眼だけが白くクルクルしている。汗くさいような独特の匂いが一面に漂っている。
私達は,緊張しながら,宮久保氏の後を追う。
7時50分,宮地氏とはここでお別れ。まずは,セキュリティチェックを受けるが,ここも混雑している。ようやくセキュリティチェックを終えて,8時01分に2度目のセキュリティチェックを受けて搭乗待合室に入る。ここまで来ると,人の数も随分と少なくなり,漸く落ち着いた雰囲気になる。搭乗待合室の片隅の椅子に座って,搭乗時間が来るのを待つ。椅子の傍らには素晴らしい壁画がある。PNGの人達の芸術性には,ほとほと感心させられる。
<素晴らしい壁画>
■キャプテンが居ない
8時45分,搭乗時間になる。しかし,一向に,搭乗開始にならない。ツアーリーダーが,係員に様子を聞きに行く。
「キャプテンが居ない・・・」
これが,搭乗開始にならない理由らしい。
私達は,居眠りをしながら,ひたすら搭乗開始を待っている。私は心の中で,
「オイ,オイ,一体,全体,どうなっているの・・・」
と呆れている。
(つづき)
ポートモレスビーに到着
2007年2月10日(土)~17日(日)
第2日目 2007年2月10日(土)その2
■機内誌に掲載されているBetty’s Lodge
flower-hillは,今,成田からパプアニューギニア(PNG)のポートモレスビー行の機内にいる。もう成田を出発してから4時間ほどになる。私は先ほどから機内誌に掲載されているウイルヘルム山の記事を興味深く読んでいる。
記事には,PNGの高校生が,ウイルヘルム山へ登ったことが書かれている。この記事の中で,ゲグルスグルのBetty’s Lodgeの彼らが宿泊したようである。このロッジは,まさに私達が12日に宿泊するところである。このロッジの持ち主のベティさんにも是非合ってみたいものである。
■ポートモレスビーに到着
暫くの間,ウトウトと過ごす。その内に,機内が何となく騒がしいので目覚める。3時15分である。すでに赤道を通過して,PNGの近くのビスマルク海の上を飛んでいる。巡航高度は10100メートル,外気温は-36℃である。やはり赤道付近だけあって,日本付近に比較すると,外気は大分暖かいようである。
4時02分,機内ではアイスクリームと水が配られる。寝不足気味で,何となくけだるいときに,アイスクリームはとても美味しい。4時30分,ドスンという衝撃を感じる。無事,ポートモレスビー空港に到着する。小さくてのどかな空港である。4時40分,到着。そして,4時47分にディセンバーグ。
空港の建物の照明が暗くて狭い。入国審査は,窓口がたった2ヶ所しかなく,大変時間が掛かる。無愛想な係員が,投げ返すような感じでパスポートを返してよこす。すぐに荷物を受け取りにコンベアーの所へ行く。室内の照明が薄暗い。
■トランシットの手続きにイライラ
やっとのことで,出て来た荷物をピックアップして外へ出る。現地の旅行代理店パラダイス観光(Paradise Adventure Tours)現地スタッフの宮久保さんが私達を出迎えてくれる。私達はこれから国内線に乗り換えて,マウントハーゲン(Mt.Hagen)へ向かう。そのために,一旦受け取った荷物を,また,マントハーゲン行の飛行機にチェックインしなければならない。
窓口は長蛇の列である。ジリジリしながらひたすら待ち続ける。そして,6時頃,漸く荷物を預けることができた。果たして,無事に荷物がマウントハーゲンまで届くのかなと不安になる。
■ポンコツ寸前のリムジンバス
ツアーリーダーのケイさんが,
「離ればなれにならないで,一緒に行動してクダサ~イ・・・」
と何回も私達に注意する。
私達は宮久保さんの後を追って,小さなリムジンに乗車する。このリムジンは,トヨタ製。土手っ腹に2人の子供が水泳を楽しんでいる絵が描いてあり,その下に「明るく仲よく元気よく」と書いてある。どうやら,日本の何処かの幼稚園辺りで使っていた中古品のようである。
自動車に乗り込んで,またビックリする。座席シートがボロボロである。クタクタヨレヨレにして垢だらけにしたような南京袋風のカバーが掛けられている。しかもところどころ綻びている。シートの座るとバネが抜けていて,ゴスンと尻が沈む。シートがグラグラするのか,鉄製の長いアングルで椅子が固定されている。補助椅子は,開くと止まらないのか,それを支えるために四角い箱が括り付けられている。心なしか,何となく饐えたような匂いが漂ってくる。このシートに出くわしたのが,PNGに到着して味わった最初のカルチャーショックである。
<ボロボロなリムジン>
■ホテルで朝食
6時12分,私達を乗せたオンボロリムジンは,国際空港ビルを発車する。これから,私達は空港近くのゲートウェーホテル(Gateway Hotel)で朝食を摂る予定である。ほんの数分のドライブの後,6時15分にゲートウェーホテルに到着する。
<ゲートウェーホテルのネコちゃん>
ホテルには綺麗なプールがある。そのプールの傍で,バイキング方式の昼食を摂る。可愛い斑ネコが私達のリュックの匂いを嗅いでいる。私は過食にならないように,ソーセージ,目玉焼き,フルーツなどを慎重に選んで取り皿に載せる。それに,ヨーグルト,トマトジュースを選ぶ。ソーセージは,いつも日本で食べているものと違って,何となく口に合わない。
<ゲートウェーホテルの朝食>
食事をしながら,宮久保氏と雑談をする。彼によれば,PNGの対日感情は,決して悪くないとのことである。この点は一安心である。都市部での物価は,とても高いようである。また,ブタ3匹出さないと嫁が貰えないという(あとで,嫁を貰うのに50匹のブタが必要という話を聞いたが,どちらが正しいのか良く分からない)。地方へ行くと貨幣経済にはほど遠く物々交換が主体になるという。
■国内線ターミナルへ
朝食を終えた私達は,7時35分に再びオンボロリムジンに乗り込む。そして,国内線ターミナルへ向かう。道路の両側には深紅のブーゲンビリアが咲き誇っている。明るい日差しが如何にも南国らしい。
広々とした空港敷地内の道路をグルグル回って,7時43分に国内線ターミナル(Domestic Terminal)に到着する。国際線ターミナルとは打って変わって,ウジャウジャと沢山の群衆が集まっている。皆,真っ黒な顔をして,眼だけが白くクルクルしている。汗くさいような独特の匂いが一面に漂っている。
私達は,緊張しながら,宮久保氏の後を追う。
7時50分,宮地氏とはここでお別れ。まずは,セキュリティチェックを受けるが,ここも混雑している。ようやくセキュリティチェックを終えて,8時01分に2度目のセキュリティチェックを受けて搭乗待合室に入る。ここまで来ると,人の数も随分と少なくなり,漸く落ち着いた雰囲気になる。搭乗待合室の片隅の椅子に座って,搭乗時間が来るのを待つ。椅子の傍らには素晴らしい壁画がある。PNGの人達の芸術性には,ほとほと感心させられる。
<素晴らしい壁画>
■キャプテンが居ない
8時45分,搭乗時間になる。しかし,一向に,搭乗開始にならない。ツアーリーダーが,係員に様子を聞きに行く。
「キャプテンが居ない・・・」
これが,搭乗開始にならない理由らしい。
私達は,居眠りをしながら,ひたすら搭乗開始を待っている。私は心の中で,
「オイ,オイ,一体,全体,どうなっているの・・・」
と呆れている。
(つづき)