<荒涼とした砂漠を驀進する(16:56頃)>
ペルー周遊記(63):第19日目(2):やっとリマへ
2008年7月19日(土)(つづき)
<ガソリンスタンド脇のレストラン>
■パンク修理の間に・・
私達は路線バスに乗って,ワラスからペルーへ移動している.途中でバスのタイヤがパンクしたので,臨時停車.タイヤの修理が終わるまで,車外の空気を吸ったり,修理をしている所を見物したりしながら,時間を過ごす.
私は,小腹が空いてきた.そこで,昨夜,夕食に街へ繰り出した皆様から,お土産に頂戴したピザの1片を,リュックから取りだして,食べながら,パンクの修理が終わるのを待つ.
<KAさん差し入れのピザとミカン>
■バランカでランチタイム
14時43分,ようやくパンクの修理が終わる.バスは何事も無かったかのように,ノロノロと動き出す.
14時55分,いつの間にか平野を走っていたバスが,バランカの市街地に入る.ここで右折してハイウェーに入る.ハイウェーに入った途端に,道路の舗装が格段に良くなる.
15時08分,スペの市街地にあるガソリンスタンドに入る.ここで給油をしながらのランチタイム.約40分の休憩である.
ガソリンスタンドの前には,かなり広い駐車場がある.私達のバスは,ガソリンを入れた後,駐車場の片隅に停車している.
乗客のほぼ全員が,駐車場脇のレストランに入る.
私は,まだ過食気味に感じていたので,昼食は摂らなくても良いかなと思っている.
<小綺麗なレストラン(15:08頃)>
■レストランの中を一回り
それでも,乗客の皆さんに釣られて,レストランに入ってみる.店内はとても明るい雰囲気である.厨房からは,良い香りが漂ってくる.メニューを見ると美味しそうな料理が並んでいる.
客席は,50~60人ほど座れる広さがある.バスに乗り合わせたほぼ全員の方々が,そちこちに座っている.
売店を一回りしてみる.何種類かのスナック類が並んでいる.
このスナックを見ている内に,それほどお腹が空いている訳でもないので,わざわざ高い食事を摂ることもない.このスナックで間に合わせようと思い立つ.
そこで,手頃な大きさのRITZという袋菓子と,GOLPE Blackというチョコレート棒のようなものを購入する.両方合わせて,たったs/.2.5(約100円)である.
<昼食はスナックで・・・・>
■軽食スナックで間に合わせる
私は,スナック菓子を持って,バスに戻る.まだ,大半の乗客は,レストランで食事をしている.静かなバスの車内に座ると,とても心が落ち着いてくる.大きなバスの窓から西日が眩しく射し込んでくる.
私は日射しに暖まりながら,リュックから飲み残しのインカコーラを取りだして,一人静かにスナック菓子を食べる.そして,癒されるって,こんな時のことを言うかなと,ふと思う.
<見渡す限りの砂漠>
■ガソリンスタンドを発車
15時35分頃,食事を終えた乗客が,三々五々とバスに戻ってくる.私達のグループの人達も,間もなく全員がバスに戻ってくる.
席に着く直前に,KAさんから,ミカン半分を戴く.丁度,何か柑橘類が欲しいなと思っていたときなので,大変有り難い.
15時42分,漸くバスはガソリンスタンドを発車する.
■使えないトイレ
同行の一人が,バス車内後方にあるトイレに行く.ところがトイレに鍵が掛かっていて入れないと言う.近くに座っていた女性の乗客が,乗務員と掛け合って,何とかトイレを使わせて貰う.
どうやら,路線バスにはトイレが付いているものの,そう簡単には使えないようである.そんなことは,『地球の歩き方』を見ても,どこにも書いてない.
■荒涼とした風景
16時08分,バスは,見渡す限りの砂漠の中を爆走している.同じような風景が連続する.ときどき緑が見える所もあるが,砂漠,砂漠の連続である.荒涼とした風景を眺めていると,日本は恵まれているなとつくづく思う.
単調な砂漠を見ていると,ついつい眠くなる.そして,何時の間にか,居眠りを始めてしまう.
16時50分,突然,ゴウゴウという自動車の音が聞こえ出し,目が覚める.辺りを見回すと,大半の乗客が居眠りをしている.後方の座席から,赤ん坊がぐずっている泣き声が聞こえてくる.
バスは滑るように走っている.さすがに幹線である.上り斜線,下り車線,何れも2車線である.上り車線と下り車線が,少し離れた所に,別々に造られている.
16時59分,112キロメートルポストを通過する.リマまで後100キロ余りである.
今まで青空だった上空には,次第に雲が湧いてくる.もうリマが近いぞと雲が教えてくれる.
<リマ近郊の地上絵(17:40頃)>
■青い海が見え始める
辺りには民家も人気も全くない.荒涼とした月の砂漠のような風景が延々と続く.
17時25分,進行方向右手に青い海が見え始める.南太平洋である.バスは海岸線に沿って,南下し続ける.17時32分,56キロメートルポストを通過する.西日が眩しく真横から車内に射し込んでくる.
17時38分,料金所を通過する.進行方向左手の山裾に,ナスカ風の大きな地上絵が描かれているのが見える.
17時50分,バスはガソリンスタンドに入る.運転手がスタンドの係員と書類のやり取りをしているのが,バスの窓越しに見える.直ぐに発車する.
■薄暮のリマ郊外
バスは,何時の間にか,海から離れて,内陸を走っている.
17時55分,35キロメートルポストを通過する.辺りは薄暗くなり始めている.漸く,リマまで35キロメートルの所まで到着である.
18時頃,リマの市街地に入る.夕方のバス停には,沢山の乗客が,通勤バスの到着を待っている.私達のバスも,砂埃が舞い上がる喧噪の街並みに入り込む.市街地には,沢山のバスが走っている.すれ違う車の数も急に多くなる.上空を見ると,この季節特有の雲がリマを覆っている.
<リマに到着>
■リマ市内のバス停
車窓から外を見ていると,街中はますます人や車でゴチャゴチャと混雑し始める.バスの中も,何となくザワザワとし始める.
18時25分,人が一杯溢れているビルの前に到着する.
「・・・ここリマかな・・?」
KAさんが近くの乗客に尋ねる.どうやら,リマ市内には幾つもの停留所があるらしい.リマの停留所は終着の一箇所だとばかり思っていた私達は,戸惑い慌てる.
「ここで降りるのかな・・・次の停留所かな・・」
と迷い続ける.その内に,半数ほどの乗客が,バスから降りてしまう.
窓際に座っていた女性が,外でプラカードを持っている男性の姿を見付けて,
「・・・あそこにいる方,あなた方を出迎えているんでは・・・」
と教えてくれる.
初老の白人男性が,私達のチーム名を書いた紙を掲げて待っている.
■大混乱のバゲージダウン
私達は,大急ぎでバスから降りる.そして,この男性に挨拶する.私達を,ここから,今日の宿泊場所であるポコアポコまで運んでくれる方である.予め,三井さんがリマの旅行社に手配してくれていた方である.
バスから自分の荷物をピックアップしなければならない.
バスの荷物入れ室の前には,乗客が無秩序に群がって,自分の荷物を取り出そうとしている.はちゃめちゃな大混乱である.私達も群衆の中に飛び込んで,自分の荷物を引きずり出さなければならない.私の前にも後にも人が密着している.ヒョッとしたらスリがいるかも知れない.自分の懐中物にも注意しながら,やっとの思いで,自分の荷物を手にする.
毎日,毎日,ここでは,こんなことが行われているのかと思うと,空恐ろしくなる.
ペルーのバス旅行は,つくづく大変である.
<われ先にとバスから荷物を引きずり下ろす(18:34頃)>
■ようやくポコアポコへ
やっとの思いで,出迎えのリムジンに,荷物を積み込み,自分たちも乗車する.
18時40分,私達を乗せたリムジンは,ようやくバスの停留所を発車する.
リマの市街地のどの辺りを走っているのか良く分からないが,沢山の自動車が走っているし,大きな建物が沢山並んでいる.さすがに大都会である.
18時50分頃,空港の脇を通過する.空港を見て,やっと自分たちがどの辺りを走っているかが分かる.
19時28分,私達を乗せたリムジンは,やっとポコアポコに到着する.
ワラスを出発したのが,9時31分,リマのバス停に到着したのが,18時25分.400キロメートルの距離を移動するのに,実に8時間54分(8.90h)も掛かっている.時速は400km/8.90h=44.9km/hと低速である.日本の新幹線に,9時間近くも乗っていたら,東京から1,170キロメートルほども離れた博多まで,往復できるかもしれない.
いや,はや・・・・
<漸く送迎車に乗車(18:37頃)>
(つづく)
[加除修正]
2008/12/7 転換ミス訂正
2008/12/16 転換ミス訂正
「ペルー周遊記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fd6a4745d5e480046d0482e28f3ed1bb
「ペルー周遊記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3ecba672d5d5d775088d099955217f1c
このシリーズの最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6fee0e316085f32cce0c47a424821346
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