＜ポコアポコの夕食＞
ペルー周遊記(64)：第19日目(3)：ポコアポコの夜
２００８年７月１９日（土）（つづき）
＜ペルー最後の晩餐＞
■無愛想な猫
ワラスから，路線バスの長旅を終えて，19時23分，私達は無事，リマのポコアポコに到着した．7月10日に，ポコアポコを出発して，ワラスへ向かってから9日目に，漸く元の場所に帰ってきた．
ポコアポコの店内にはいると，あの無愛想な猫がロビーで香箱を作っている．私が近付いても，見向きもしない．いかにも猫らしい．
まずは，前回泊まっていたときと同じ部屋に入る．ここはホテルではないので，狭い階段を苦労して，自分の荷物を，3階の自分の部屋まで引きずり上げなければならない．どうしても，階段のあちこちに荷物がぶつかる．そして，ザッと荷物の整理をする．
＜無愛想な猫＞
■豪華な夕食
19時20分頃から，夕食である．
久々の日本食である．しかも豪華．鍋焼きうどん，鶏肉とブロッコリー，お刺身，チリモアなど．
久々のリマを祝して，わたしもコップ一杯のビールで，お付き合いする．私は，
「明日の夜には帰国する・・・となると，今夜が，ペルー滞在の最後の夜だ・・・」
と自分に言い聞かせて，長い夜の宴会に，お付き合いする．正直に言えば，かなり退屈で，長～い，長～い，辛抱の時間である．
「お付き合いも大切だ・・・」
と自分に言い聞かせながら，ひたすらお開きになるのを待つ．
「下戸は辛いな～ぁ・・・」
と思いながらも，その気持が顔に出て，他の人に気付かれないように努力する．
＜豪華な夕食＞
＜賑やかな夜＞
■久々にＮＨＫのテレビを見る
21時40分頃，漸く夕食が終わる．内心で，
「やれ，やれ・・・やっと終わった．これでお付き合いも終わりだ」
とホッとした気分になる．
そそくさと，ポコアポコの店内を一巡した後，自室に戻る．
ベッドに横たわって，テレビをオンにする．久々にＮＨＫの番組を見る．ガーシュインの音楽番組である．ガーシュインの曲は，私も好きである．思わず聞き惚れる．
続いてニュース番組になる．どうやら，日本列島全域で，梅雨明けになったようである．関東地方では，雷が発生する可能性があるので要注意とのことである．
続いて「のど自慢」の番組になる．この種の番組は，私の好みではないが，他に見る番組もないので，惰性で見続ける．
その内に，眠くなってきたので，22時50分頃，就寝．
■夢を見て目が冴える
柔らかいベッドの寝心地は最高である．
暫くの間，熟睡する．その内に，何か夢を見始める．その夢に驚かされたのか，24時頃，目が覚めてしまう．途端に，どんな夢を見ていたのか，思い出せないが，何だか気分が爽快になる夢だった．
目が冴えてしまったので，ふたたびＮＨＫを見る．圓蔵が落語「道具屋」を演じている．圓蔵の巧みな話術に，思わず引き込まれる．落語は同じ出し物でも，何回聞いても面白いから不思議である．
その内に，「海外安全情報」の放映になる． ＮＨＫの番組を見ていると，自分が，今，ペルーに居ることを忘れてしまいそうになる．
その内に，フィンランドの紹介番組になる．テレビを見ていると，フィンランドの森がとても美しいことが分かる．でも，何となく物足りないことに気が付く．なぜ，物足りないのか良く分からないが，多分，大きな山が放映されていないからだと思う．それだけ，今の私は山への終着が強過ぎるのだろう．
■深夜の大音響
その内に，また眠くなる．何時頃か分からないが，テレビを消して，再び就寝．
・・・・眠っている内に，どこからか，とても大きな音が聞こえてくることに気が付く．
「ドドチャンチャン，ドドチャンチャン・・・・」
と激しいリズムの音楽が響いてくる．
「外でだれかが騒いでいるな・・デモかな，それともお祭りかな・・・」
私は寝ぼけた頭で，うるさいなと思いながら推測する．
しかし，音楽は，何時まで経っても，足許から聞こえてくる．
どうやら，このビルの1階辺りから，沸き上がってきているようである．
「うるさいな～ぁ・・・うるさいな～ぁ・・・」
と思いながら，眠れないままの夜を過ごす．
こうして，ペルー滞在19日目は終わった．
（つづく）
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このシリーズの最初の記事
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