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<旅行中に書きためたノートと資料>
ポーランド訪問記(1)プロローグ
(個人旅行)
2001年6月16日(土)~6月25日(月)
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『ポーランド訪問記』の復刻再編集について
2011年6月14日(火) FH
復刻版『ルートバーン』に引き続いて,『ポーランド訪問記』の復刻再編集版を開
始する.10年一昔というが,10年も前のことを,今更,ほじくり返しても仕方がないと
いう嫌いもあるが,一方では,せめて直近の10年ぐらいは,自分史として纏めておき
たいという願望もある.
復刻版『ポーランド訪問記』が何回の連載になるか,今のところ,余りよく分から
ないが,多分,20~30回になるかと思う.例によって,旅行中に持ち歩いた雑記帳
に書き込んだメモやスケッチを,帰国後纏めて,ameblo上に連載した記事を加除修
正して再編集の上,gooブログ上に連載するつもりである.
幸いなことに,私のこの粗末なブログを定期的に見て頂いている奇特なお方も何
人か居られる.これらの方々には大変申し訳ないと思っているが,これから始める
復刻版『ポーランド訪問記』にもお付き合い頂ければ,私にとって望外の幸いである.
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出発前:2002年11月7日(木)
この所,単行本の執筆に頭がいっぱいになっていて,柄にもなく気分的にも多忙を極めた.昨夜,その原稿もやっと仕上がり,電子メールで出版社に送った(注1).原稿執筆中は,毎朝4時半か5時頃から7時過ぎまでパソコンに向かっていた.そして,朝食後,勤務先か,あるいは鎌倉天園のハイキングコースへ向かうのを日課として過ごした(注2).
その上,これ以上何かを持ち込んでも,時間の都合をつけるのが困難なことが分かっているにも関わらず,9月から近畿ツーリスト主催の「山旅スクール」第5期生として入門した(注3).さらに,鎌倉生涯学習センター主催の「色鉛筆画コース」に入門してしまった(注4).
山旅スクールの方は,月に2~3回の頻度で山行がある.入門以来,入笠山,飯盛山,マチガ沢出会い,徳沢渓谷,榛名山,大菩薩峠といったハイキングに毛が生えた程度のところを歩きながら,登山に関する諸々のことを系統的に教えてもらっている.私は,今でこそコンピュータ関係を生業としているが,もともと資源工学を専攻した山師である.だから,若い頃,某鉄鋼商社に勤務していた頃は,金,銀,鉛,亜鉛,鉄などの地下資源を求めて,年がら年中,山歩きばかりしていた.だから,商売柄,山旅スクールのインストラクタが喋る程度の山歩きノウハウは知識としてある程度心得ていたが,それでも,改めてインストラクタの口から体系的にノウハウを教えて貰うと大変ためになる.そして,インストラクタの話を聞いていると,山師であった若き日のことを彷彿と思い起こしてしまう.
一方,色鉛筆の方は,参加者の8割方が50~60才代のオバサン連である.毎回,まともに歩くことも困難に思える老先生が描いたリンゴ,バナナ,花などの絵をお手本にして,そのまま模写するという単調な作業を繰り返している.ARENAの一部の方はご存じのとおり,私は従来から山歩きの度に,ボールペンを持ち歩き,白黒だけのスケッチを描き続けている.しかし,山野に咲き誇る花々だけは白黒だけのボールペンでは,到底,表現することはできない.白黒だけの世界に物足りなくなった私は,俄に色エンピツで色を付ける技術を教えて貰いたくなった.だが,この色鉛筆の学校に通っても,どうやら山へ出かけて絵を描くことはなさそうなので,やや期待はずれである.それでも,たかが色鉛筆と思っていたことも,習い始めてみると,結構,奥が深いことが分かり,大変驚いている.
こんな無計画でハチャメチャな毎日を送っていても,時にはポッカリと穴が空いたような暇な時間がある.今,正に,そんなポッカリ状態である.ここ数日,例によって,早朝,4時半にパソコンに向かう.メールを一通り見ると,当面差し迫った原稿書きがないので,取り敢えずはやることがない.当て所もなくネットサーフィンをしている.つい先だってまで,原稿書きに大童だったのに・・・・
そこで,「ついでに・・・」と言ったら差し障りがあるが,ARENA(注5)を開いて,一通り眺めてみる.例によって,Nさんの旅行記が載っている.
面白い・・・!
Nさんは,列車マニアだった私には垂涎の的のようなスノードンも訪問しているようである.このNさんの旅行記を拝見しながら,終戦直後,D51が牽引する列車で,毎日,煤だらけになって中学,高校へ通学していた頃のことを,懐かしく思い出す.つい昨日のことのように・・・・・・
凍てつくような寒い日に,わざわざ信越本線の線路脇に遊びに行く.そして,列車が来るのを待っている.やがて,わたしたちの直ぐ脇を列車が通過する.そのときに蒸気機関車から迸るように吹き出す水蒸気を体中で浴びる.この水蒸気のなま暖かさを,今,少年時代のあれこれと一緒に思い出す.
ところで,Nさんの旅行記も,やがてアイルランドへ到着するであろう.アイルランドに入ってからは,Nさんも私達一行は,ほとんど一緒に行動した.全員が一緒に行動した部分は,多分,Nさんが引き続き詳しく記述してくれるであろう.だからNさんに任せよう.
そうなると,アイルランドへ入国するまで,お互いにバラバラに行動した部分の旅行記だけを,後から私が補足すれば,このアイルランド紀行は完結することになる.蛇足ながら,私はオランダを経由してアイルランドへ入国した.だから,そこの部分は,近々,機会を見て,Nさんの旅行記と繋がるように書くことにしておこう・・・・・今のところは.
だが,そこで,もう一つ気になるのが,昨年訪問した「ポーランド旅行記」が放置されていることである.放置しているから,現地で手に入れた資料が,未だに十分に整理できていない.
実は,ポーランド旅行のときもNさんご夫妻に同行していただいている.こちらの訪問記も,私としてはNさんにお願いしたいし,Nさんが纏めてくれれば,それに越したことはない.でも,現役で,バリバリ仕事をされているNさんに,これ以上の重労働をお願いするのも忍びない.
一方,私は「忙中閑有り」で,早朝にポッカリ空いた時間が退屈である.そこで,この空き時間を利用して,昨年のポーランド訪問記を連載することを思い立った・・・・・・が,そんなことを始めると前途が長い.だから,多少,難儀な気もする.だから,途中で書くのが厭になったら,何時でも連載を止めるという気楽な気構えで,その気がある間だけ,連載を続けることにしよう.
とはいえ,来年(1993年)6月にフィンランドで開催される予定の国際会議の原稿締め切りが今月末である.あと1週間もしたら,こちらの方に全力投球しなければならない.余談だが,また,Nさんご夫妻にフィンランドの旅に同行していただけるだろうか・・・
フィンランド用の原稿作りに励むようになったら,折角のポーランド訪問記の執筆も,当然,中断するだろう・・・・・が,とにかく,この第1回のプロローグをアップすることにしよう.そして,来年(1993年),6月,フィンランドへ旅立つ頃までには,今日から始めるポーランド訪問記が終え,続いてフィンランド訪問記に上手くバトンタッチできれば良いがと思う・・・・・が,提出する論文が学会のレフリー,2人の審査を通過しなければ,フィンランド行きは実現しない(注6).
フィンランド行きが実現しないときは,どこか高い山へでも行って,憂さ晴らしをしよう.もっとも,フィンランド行きとは別に,私にはどうしてもやりたい夢がある.それはパプアニューギニアにあるウイルフェルム山(標高4,500メートル)へ登山することである.これが実現したら,フィンランド訪問記の先に,ウイルフェルム山登頂記を纏めたいとも思っている.そこで,11日に主催者のアトラストレック社に,来年の年末休業期に登頂企画が成立しそうかどうかを確かめたところ,どうも雲行きが怪しい.今日現在,申込者ゼロだという.またもやこの計画は流れそうである(注7).
ところで,つい最近,古希を迎えた私には,正に仏教の教えにあるように「生」と「死」は瞬間,瞬間で繋がっていて区別できないという切実感がある.毎朝目が覚めると,
「今日も生きていて,朝を無事迎えられた.有り難いことだ」
という感慨を日々新にしている.
この心境は,若い人にはとても理解できないであろう.とはいえ,現在の私は,お陰様でまずまずの健康状態で,特段に痛いところも痒いところも,今のところ全くない.この限りにおいては,引き続きウイルフェルム山への登頂や,この訪問記の連載に努力し続けることにしよう.もっとも,訪問記の方はARENAの皆様に受け入れられればであるが・・・
まずはともかく,ポーランド訪問の概要を紹介しよう.
■訪問日程
2001年
6月16日(土) 10:55 BA006 成田発
15:30 ロンドン着
17:25 BA4452 ロンドン発
20:50 ワルシャワ着
6月17日(日) ワルシャワ観光
6月18日(月) 11:00~12:00 ワルシャワ大学訪問
15:05 ワルシャワ発 (列車)
17:40 クラクフ着
6月19日(火)~22日(金) IS2001国際会議
6月23日(土) 12:05 クラクフ発 (列車)
4:45 ワルシャワ着
6月24日(日) 9:20 BA849 ワルシャワ発
11:00 ロンドン着
13:25 BA005 ロンドン発
6月25日(月) 9:00 成田着
■同行者
Sさん(私の共同発表者)
Hさん(税理士)
F先生(発表者)
N夫妻(ARENA鎌倉オフミ幹事長)
私(後に山仲間から山欠病病原体と言われるようになる)
(合計) 6名
学会が開催されたのはポーランドのクラコフという町である.ここは,日本で言えば,さしずめ京都のような歴史と伝統のある古い町である.クラコフに入ると,中世に迷い込んだような錯覚に陥る.黒い服を着た魔法使いが箒に乗って飛んでくるような雰囲気を持つ小さな町に,私達は1週間近くも滞在した.その間,町中をかなり隅々まで歩き尽くした.
クラクフの近くにあるアウシュビッツとビルゲナウの殺人工場跡を訪れた.ここで,何とも筆舌に尽くしがたい人間の「業」に触れて,とても気が滅入った.そして,世界遺産に登録されている岩塩鉱山跡も訪れた.ここも凄かった.さらには,中世の雰囲気がそのまま残っているライプニッツが学んだ古い大学のキャンパスも訪れた.ここで改めて歴史の重さに感激した.美味しいアイスクリームも味わった.
これらのエピソードについても,追々,この訪問記で紹介したいと思っている.
第1回 おわり
(注)
1.この原稿を山と渓谷社に持ち込んだ.しかし,出版しても採算ベースまで売れる見込み
がないということで,自費出版が条件になった.自費をたたき出してまで出版する気はな
かったので,出版計画は没.その原稿を加除修正し,さらに大幅に写真を追加して,この
ブログで連載したのが前回の「ルートバーン」の記事である.
2.当時は某大学に勤務していた.週4日大学に通勤,その他の日は研修日か休日だった.
3.山旅スクール5期生として3年間コースを修了.その後,約2年間,同スクールの挑戦コー
スに通った.
4.このコースは数回で終わったが,結局,色鉛筆画は身につかなかった.
5.当時,ニフティ上に開設したフォーラム「ARENA」は,某ソフトウエア企業主宰したも
の.大手企業のIS部門長など数10名がメンバーになって,月に1回程度,研究会を開催
していた.このフォーラムのメンバーであったNさんは,現在ARENAオフミという低山ハ
イキングを主宰している.
6.フィンランドで開催される学会に論文を提出し,レフリーの審査を経て,学会で発表予
定だった.しかし,同年降って沸いたようにSARSがヨーロッパで大流行したため,勤務
先から渡航自粛を言い渡され,フィンランド行は実現しなかった.
7.ウイルヘルム山登頂は,2007年に,アルパインツアー社主催のツアーに参加して実現
した.
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※以下は2002年11月7日(土)の補足記事
ここまでグタグタと書き殴ってから数日の間,なんとなくARENA(注:クローズドフォーラム)にアップする気にならないので,そのまま原稿を放置した.そして,11月10日(日)になった.今日はARENA鎌倉オフミの日である.10名余りの参加者を鎌倉北部の社寺や山に案内した.幸い天気にも恵まれた.
コースの途中で後北条ゆかりの社寺をいくつか廻った.日本史に興味のある方は,北条早雲のことを事前に少し調べておけば興味が倍増したであろう.圧巻は途中で訪れる龍宝寺.この寺の山中には後北条三代の墓もあって見所である.例によって仲間の「師匠」(あだ名)にこれらの遺構の説明をしていただいた.
途中,山道が少々あったが,後は街中(田舎だが)の道をひたすら歩いた.秋の空気は透明で輝いている.キラキラと冷たく輝く空気を浴びて,そぞろ歩きするのは本当に心地よい.これから暫くの間,箱根や丹沢の低山が紅葉の見頃である.今が一年中で一番自然が綺麗に着飾る季節である.
休日には,有志とともに,これらの低山をハイキングすることにしている.とはいえ山では天候が急変することがある.秋の山は突如気まぐれで冬山に豹変する.寒さ対策に万全なことは無論,日中から飲んだくれ御仁の参加は,安全確保の視点からも歓迎したくない.だが,ハイキングが終わってからのアルコールは,また,格別であろう.ただ,道中,下らない卑猥な雑談に夢中になるのも考えもの,余り騒がずに自然と対話しながら,静かに足早に過ぎ去っていく秋の名残を,しみじみとした気持ちで愛でることにしたい.
なお,12月のARENA鎌倉オフミは鎌倉の紅葉を鑑賞することになっているようである.自然の織りなす素敵な芸術品を十分に鑑賞しよう.また,幹事長から案内が出るであろう.そのときは,それこそ,マル秘のすばらしい場所で,参加された皆様と一緒に,静かに紅葉を楽しみたいと思っている.
(つづく)
「ポーランド訪問記」の前回の記事
(なし)
「ポーランド訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/06b19be6656ffcde47d794329cbb9731