<妻籠宿を散策する>
中山道六十九宿巡り(第11回);第3日目(1):妻籠宿(2)
(五十三次洛遊会)
2011年11月11日(金)~14日(月)
第3日目;2011年11月14日(月)
<第3日目のルート>
■3日目の行程
■3日目のプロフィールマップ
水平歩行距離 18.7km
累積登攀高度 739m
累積下降高度 857m
■3日目の行程
まずはJR南木曽駅まで戻る.南木曽駅から馬籠宿行の路線バスに乗り換えて,馬籠宿に向かう.
馬籠宿では昨日廻った残り半分を見物しながら,妻籠宿,落合宿を廻って,中津川宿の半分を廻って,JR中津川駅で解散の予定である.
途中,馬籠峠の難所を通過する.
<3日目の朝>
■ホテルで朝食く
夜半,のどが痛いのに気がつき,目が覚めてしまう.
洗面所に行って,何度もうがいをするが,一向に痛みが治まらない.どうやら風邪を引いてしまったようだ.旅先で風邪を引いてしまうなどと予想もしなかったので,風邪薬など持ち合わせていない.ただ,居たいのを我慢して夜が明けるのを待つだけである.
5時30分に起床する.
のどが痛いだけで,特にだるいわけでもないので,中将の歩行には差し障りはなさそうである.
6時30分,1階の食堂へ向かう.もう,大方の皆さんがおそろいである.
「おはようございます・・・」
と挨拶しようとするが,風邪で喉がガラガラになっていて,うまく声が出ない.仲間が,
「大丈夫ですか?」
と心配してくれる.
正直なところ,多少熱があるのか,身体が少しだるい感じがする.でも,まあ,大したことも無かろうと,勝手に判断する.
朝食は,サンドイッチ,ヨーグルト,サラダ,コーヒーだけ.昨日の朝と全く同じメニューである.
■馬籠宿へ
7時丁度に恵那プラザホテル前に集合.すぐ近くのJR恵那駅に向かう.
恵那7時25分発中津川行普通列車に乗車,中津川駅で松本行普通列車に乗り換えて,7時58分に南木曾駅に到着する.
南木曽駅前8時15分発の○○行(行先の○○は忘れた)乗合バスに乗車する.
バスはそれほど混雑していないので全員が座れる.
8時23分,バスは馬籠宿バスターミナルに到着する.
<南木曽駅に到着>
<南木曽駅前から乗合バスに乗車する>
<妻籠宿見物>
■妻籠宿の詳細図(再掲)
(再掲)
■バスターミナルから妻籠宿の通りへ
バスターミナルから,5分ほど坂道を登って,妻籠宿の本通りに出る.ここからが,3日目の行程になる.
本通りに出ると,目の前に人だかりがしている.テレビか映画か知らないが,街を撮影している.私には興味なし.
観光客の中に,チラホラと外国人が居る.
■南木曽町資料館
8時46分,南木曽町資料館に到着する.
残念ながら時間がないので素通りする.
<南木曽町資料館>
■脇本陣奥谷
8時46分,脇本陣奥谷の前を通過する.
資料2(p.118)によると,脇本陣奥谷は,島崎藤村『若菜集・初恋』のヒロインが嫁いだ林家だそうである.
そういえば,私も学生時代に寮生活をしていたことがある.その頃,寮の学生仲間と一緒に.この初恋の詩を感激しながら読んだことがある.その頃のことを甘酸っぱく思い出す.
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとにみえしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
・・・・・・・・・・
学生時代のことが,懐かしくなる.あれから幾星霜.あの頃の友達も,今は随分と沢山,あちらに旅立ってしまった.
■木曽路資料館
8時47分,木曽路資料館の前を通過する.立ち寄りたいのは山々だけれども,時間がない.
■妻籠宿本陣
8時48分,妻籠宿本陣に到着する.
資料1(p.230)によれば,島崎藤村の『夜明け前』のモデルになった島崎重吉は,この本陣縁の人だという.また資料2(p.119)によれば,現在の建物は江戸後期の図面通りに復元したものらしい.
資料3(p.42)によると,ここは庄屋を兼ねた島崎藤村の母の実家だという.
私たちがここを通ったときには,時間が早すぎるのか,門は閉まっていて,中には入れない.
<島崎本陣>
■妻籠宿郵便局と郵便資料館
8時49分,妻籠宿郵便局と郵便資料館に到着する.
建屋の前の案内文によると,妻籠郵便局はもともと本陣にあったが,1979年(昭和54年)に,ここに移転した.この建物は重要伝統的建造物群保存地区の町並みの景観に合わせて造られたものだという.
時間が早いために,まだ開いていない.
■宿場内をブラブラ
宿場の中をあちらこちら見回しながら,ブラブラと歩き続ける.
■観光案内所
8時50分,観光案内所に立ち寄る.
ここで妻籠宿に関係する地図や資料を頂戴する.
■光徳寺
8時53分,高徳寺の前を通過する.
資料3(p.42)によれば,ここは1500年(明応9年)に開山された寺.石垣に樹齢500年の枝垂れ桜があるという(資料2,p.120).また,ここには,島崎家代々の墓があるという(資料1,p.230).
■車屋坂枡形
8時54分,枡形の碑の前に到着する.この辺りまで来ると,先ほどまで沢山居た観光客の姿は殆どなくなる.
言うまでもなく,私たちは手作りの旅を続けている.案内人が居るわけでもないので,一寸したことでも,すぐに分からなくなり,まごつく.
ここでも,分かれ道のどちらを行くのかに,暫くの間,迷う.皆で地図を持ち寄って,どっちへ行くか決める.その結果,仮に間違った方向に行ったとしても,それはそれで十分に楽しい.これも手作り旅の楽しさである.
■長閑で風情のある町並み
情緒豊かな街道筋を下る.この辺りまで来ると,観光客の姿は殆ど見られなくなる.江戸時代にタイムスリップしたような気分で,ノンビリ散策を楽しむ.
■下嵯峨屋
8時56分,下嵯峨屋に到着する.
ここは,1969年(昭和43年)に,長屋の1戸分を買いたい復元したものだそうである(資料1,p.231).代表的な庶民住宅で,片土間,並列2間取り形式.南木曽町の文化財.
■石仏寒山拾得
8時57分,石仏寒山拾得の前を通過する.
傍らの説明文によると,寒山拾得を題材にした「箒と巻物を持った人物により双体像」で,珍しいえがらだという.
寒山拾得については,若い頃,聞いたことがあるような,無いような・・・曖昧である.調べるのが面倒なので,そのまま通過.
■延命地蔵堂
上の写真の右端に見えるのが延命地蔵堂である.傍らにある案内文によると,1813年(文化10年),河原に地蔵尊が浮かび出ている石があるので,村人がここまで運び上げた.この石が常に塗れているように見えるので,別名汗かき地蔵とも言われるそうである.
■上嵯峨屋
8時58分,上嵯峨屋に到着する.昇ってくる太陽が眩しい.
資料1(p.232)によると,この建物は1750年代中頃(宝暦年間)の建物で,中流の旅籠屋を解体修理したものだという.南木曽町の文化財である.
■尾又とおしゃごじさま
9時01分,尾又(おまた)の前を通過する.
傍らにある案内文によると,木曽路(中山道)から,伊奈(飯田)道が分岐(分去れ,追分)していた所だという.
このお社は“おしゃごじさま”.説明文によると,御佐口(みさぐち)神が祀られているという.この神は土俗信仰の神様らしい.
■妻籠宿町並入口
9時05分,妻籠宿町並入口と書いた案内板が立っている場所に到着する.
私たちは,昨日から今まで2日間にわたって見物してきた妻籠宿も,この辺りで終わりになる.
これから,次の宿場,馬籠宿を目指して歩き続ける.
[参考文献]
資料1;今井金吾,1994,『今昔中山道独案内』日本交通公社
資料2:岸本豊,2007,『新版中山道69次を歩く』信濃毎日新聞社
資料3;五街道ウォーク事務局『ちゃんと歩ける中山道六十七次』
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