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<「まちの駅おやま」で万歳!>
歩いて巡る日光道中二十一宿(第4回):第2日目(4):西堀酒造・小山宿
(小田急トラベル)
2009年9月27日(日) つづき
<西堀酒造>
■間々田一里塚
友沼八幡神社で休憩を取った私たちは,14時05分に歩き出す.単調な自動車道歩きが続くので,どうしても沿道の観察がおろそかになる.その結果,江戸日本橋から19番目の間々田市塚跡を見逃してしまう.残念.
やがて,千駄塚という地名の所を通過する.
「千駄塚って何だろう・・・・?」
と気になるが,ガイドに菊間もなく,ドンドンと先に進む.
<西堀酒造に到着>
■西堀酒造に到着
15時28分,休憩予定の西堀酒造に到着する.
ここで,酒造工場の見学と,試飲会があるとのことである.私は下戸なので,試飲会には,それほど興味はないが,でも,本当に美味しい日本酒を,チョコ1杯ぐらいは味わってみたい.
やがて,西堀酒造の社長,西堀氏が現れる.若い方である.社長自らが,私たちを案内してくれるそうである.歓迎の言葉の後で,
「・・・・見学時間を45分程度にしてくれとのお話しですので,詳しいことをご説明する時間は有りませんが・・・・」と
言いながら先頭に立って,工場を案内してくれる.
なお,西堀酒造は,酒造工場としては規模が小さいので,若成(わかさかり)などの製品は,ごく限られた地域でしか味わえないそうである.
<西堀酒造の入口,長屋門は国登録文化財である>
<長屋門の前で,西堀社長の説明を受ける:右端の半袖Yシャツが西堀社長>
■工場見学の第一印象
大手の電気機械メーカー出身の私には,全く縁遠い製品を作る工場が大変珍しくて,お伺いしたいことが,次々に頭に浮かんでくるが,今日は,団体行動なので,質問をぐっとお腹に飲み込んだまま,キョロキョロ眼で,工場を拝見する.正直なところ,
「随分,狭くて暗いところだな・・・」
というのが第一印象である.
かつて,サラリーマンを終えた私は,18年ばかりの間,無能な研究者として働いていた.その間,研究者の一員として,それなりにかなり多くの工場見学をしたことがある.その中には,いわゆる中小企業に属する様々な業種の工場が含まれている.たとえば,エレクトロニクス関連の工場,金型工場,製薬工場,トイレタリー製品の工場,プラスチック成型工場,醤油工場(これは大手),ウイスキー製造工場など.
清酒の工場と聞いたときに,すぐに頭に浮かんだのは,ウイスキー工場や製薬工場のようなイメージが浮かんでくる.だが,実際に工場の敷地に一歩入ったときの印象は,今まで見学したところとは,全く違う予想外のところということである.
<国文化財の煉瓦煙突が中庭に建っている>
■古い歴史の文化財
工場の敷地に入ると,建物に囲まれた小さな広場がある.ここで,西堀社長から,全体的な説明を受ける.
社長の説明によれば,当社は明治5年開業の老舗である.敷地内には江戸末期,明治,大正,昭和の各時代に建設された建物が残っている.その中には,国登録有形文化財の煙突(勿論今は使っていない)も含まれている.
言われてみると,なるほど,とても味わい深い外観の建物が並んでいる.
<原料の米を蒸かす大釜が並ぶ>
■工場の内部を見学
まず最初に,西堀社長から,米の澱粉から麹を使って糖を作り酵母で発酵させて清酒が出来るまでの工程の簡単な説明を受ける.そして,ほぼ製造工程に沿って,工場を見回る.
工場の内部は,予想とはかけ離れたものであった.オートメーション化した工場で白い作業衣,白い帽子とマスクをした従業員が働く姿をガラス越しに見るのかと思っていたが,その予想は見事に外れた.
やや狭い感じのする薄暗い倉庫に入ったような感じである.建物内には,そこはかとなく甘い香りが漂っている.上を見上げると,高いところに歴史を感じる大きな梁が見えている.
直ぐにとてつもなく大きな樽が並んでいる場所を通過する.社長が,
「・・・例年,1月から4月に掛けて,酒粕を取り除いて,清酒を作っています・・・その頃,見学していただくと,工場は活気に溢れています.今は一番静かなときです・・・」
と説明を進める.
当初,私は社長の説明を聞き漏らさないように,ノートにメモを取っていたが,
「ああ~そうだ・・・今は研究者ではなく,単なる老いぼれ素浪人だった・・」
と,突然,我に返る.そして,直ぐにメモ取りは中止する.
その後,気楽に工場を見せて貰うつもりだが,どうしても,
年間生産量は?
品質管理の体制は?
製品の原価構成比率は?
流通コストは?
製品の流通経路は?
直間比率は?
原材料はどこから,どの程度仕入れるの?
仕入れ検査の方法は?
従業員数は?
従業員一人当たりの生産量は?
男女別の従業員人数と平均年齢は?
平均勤続年数は?
安全管理の体制は?
会社の組織は?
等々,下らない質問が,止めどもなく,次々に頭の中から湧き出してくる.
「ああ,そうだ・・・私は研究者ではなく,ただの老いぼれ素浪人だった・・」
質問が口から出かかるが,ぐっと押さえて,飲み込む.
<工場内部>
<酵母室>
■試飲会
一通りの見学コースを廻った私たちは,試飲会の会場に案内される.
会場の広さは200平方メートルほどだろうか?
試飲コーナーと直販コーナーに分かれている.清酒だけでなく葡萄酒も置いてある.お酒好きにはたまらないコーナーだろう.私は甘そうな葡萄酒を,ほんの一口飲んでみる.実に美味しい.この辺で試飲は止めようと思っていると,五十三次洛遊会の1人から,
「・・FHさん.そう言わずに,これ飲んでみて下さい・・・」
と,大吟醸というのか,とにかく立派な瓶に入っている酒を,一寸だけ注いでくれる.同時に,この酒がいかに凄いか,一くさりの説明を受ける.でも,私は,もともと酒に対する知識が皆無な無粋人なので,説明が頭に入らない.伺うそばから頭の中を素通りしていく.
それでも,この1杯は,とろんとした舌触りと,適度な甘さがあって,下戸の私でも,とても美味しいと思う.
<小山宿>
■小山一里塚
試飲会を終えた私たちは,16時08分,「エイ,エイ,オー」の掛け声とともに,西堀酒造を出発する.
国道に沿って,2キロメートルほど歩いたところで,16時40分,大きな道路の高架下を潜る.
この辺りから,次第に街らしくなってくる.私たちは,すでに,江戸から12番目の宿場町,小山宿に入っているようである.
旅行社の資料によると,小山宿の規模は,本陣1軒,脇本陣2軒,旅籠74軒,宿内戸数423戸,宿内人口1392人であった(年代不詳).
そろそろ,江戸日本橋から20番目の小山一里塚跡があるはずだが,場所は不明である.
■明治天皇御駐在所跡
16時59分,明治天皇御駐在所跡に到着する.
私たちの列が,前後に大きくバラけてしまったので,ここで,後ろのグループが到着するのを待つ.先着グループが到着してから,5分ほどで,再び全員が揃う.
「・・・もう間もなく,ゴールですよ」
というガイドの言葉に励まされて,再び歩き出す.
■まちの駅おやま
途中,脇本陣跡がある筈だが見つからない.見落としたのか,もともと無いのか良く分からない.
辺りは小山市の繁華街,何となく街の活気が伝わってくる.
17時00分,私たちは,2日目のゴール,「まちの駅おやま」に到着する.ガイドの発声で,万歳を三唱して解散.
ここから,今日の宿泊ホテル「エクセルイン小山」へ真っ直ぐ帰る人は,ガイドが一緒に行くという.私は,これからあちこちをウロウロするのも面倒なので,ガイドと一緒にホテルへ戻ることにする.
「では,一寸,思季彩館を覗いてから,ホテルへ戻りましょう・・・」
とガイドが言う.
思季彩館は,「まちの駅おやま」の広場に接して建っている.私も売り場を一回りしてみる.さまざまな土産品や地場の野菜,果物類が置いてある.野菜や果物が特に割安な感じがする.何となく青物が食べたかった私は,キュウリ1パック(4~5本入っている)100円のコーナーで,1パックを購入する.後で,就寝前にでも食べたいなと思っている.
<エクセルイン小山>
■思季彩館を出発
17時13分,思季彩館を出発する.
何処か分からないが,細い道を通って,長い階段を登る.JR小山駅構内のショッピングセンターのようなところを抜けて,駅の反対側,つまり東側に出る.
私たちは,17時21分,再び「エクセルイン小山」に帰りつく.
直ぐに自分の部屋へ戻る.そして,まずは熱い風呂に入って,今日一日の疲れを取る.
<やれ,やれ・・・やっと歩き終わった>
■サイゼリアで夕食
17時45分,ホテルロビーへ降りる.ここで,五十三次洛遊会のメンバーと落ち合って,一緒に夕食を楽しむ予定である.
昨夜の夕食は「サイゼリア」で摂った.あちこちウロウロするのも面倒なので,今夜も「サイゼリア」で夕食を摂ることにする.
そよ風に吹かれながら,ノンビリ歩きをして,17時50分に「サイゼリア」に到着する.
私は,今夜も格安メニューで済ませる.グラスビール1杯を含めて,1000円を下回る値段である.昨夜,料理の写真は撮るなといわれたので,今日も写真は自粛する.
■ショッピングセンターを一回り
19時00分,「サイゼリア」での夕食を終える.同じ建物の中にあるショッピングセンターの中を一回りしてから,ホテルに戻る.
明日の準備をして,20時頃,早々と就寝する.
(つづく)
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