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アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(20)
ポカラ空港で足止め
2001年3月30日(金)(つづき)
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←これまで公開したアンナプルナ紀行(1)~(19)
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<ポカラ空港>
■ポカラ空港のチップ
私達は,スタッフなど沢山の人と一緒に専用バスでヤナプールを出発して,14時06分にポカラ空港に到着する。沢山の人が雑踏する空港で,現地スタッフが一箇所に集まっている。皆真剣な顔をしている。どうやら,現地リーダーが中心になって,手当を山分けしているようである。
14時16分,現地スタッフが見ている前で,HAリーダーから現地リーダーに,私達から集めたチップを手渡す。現地リーダーは現地スタッフの目の前で,チップの総額を数えている。その後,チップをどのように分けたかは分からない。
■妙に厳しいセキュリティチェック
14時20分,私達はポカラ空港の建物の中に入る。HAガイドは,
「ここで待ってて下さい・・・」
と私達に言い残して,どこかへ行ってしまう。暫くすると,HAガイドが搭乗券を持って,戻ってくる。緑色の枠が印刷された搭乗券を一人ひとりに手渡す。
14時26分,セキュリティチェックを受ける。搭乗待合室の入口は,右が男性,左が女性と別々になっている。入口にはカーテンが掛かっている。
カーテンを開けて,一人ずつ中に入る。すると,机の向こうに検査官の男性が1人座っている。随分と念入りにチェックが行われる。パスポートだけでなく,腹巻きの中のお札までチェックされる。係員が物欲しそうな顔をして,私の財布の中身をチェックする。幸か不幸か,千円札はなく,1万円札が2~3枚しか入っていない。もし,千円札が有ったら,1枚ぐらいは強要されたかもしれない。仙人は,日本製のタバコを「1箱くれ」と言われたようである。そこで,仙人は3箱ばかり係員に手渡したという。
「ナイフはないか。ライターはないか」
と聞かれる。そして,厳しいボデーチェックを受けてから,やっと搭乗待合室に入る。
<ポカラ空港の待合室> <搭乗券>
※この図の上の場所で男女別々のセキュリティチェックがある。
<飛行機が飛ばない>
■雷鳴轟く搭乗待合室
漸く,セキュリティチェックを終えて,搭乗待合室に入る。待合室は薄暗い。天井に取り付けられている蛍光灯の半分以上が切れているのか点灯していない。数本の蛍光灯が,ピカッ,ピカッ・・・と,点いたり消えたりしている。待合室の時計が3時50分を指している。正確に合っている。この所,狂っている時計ばかり見ていたので,正確な時計を見ると感激してしまう。
片隅の売店では,絵はがき,地図,帽子などが置いてある。女性群が売店に群がっている。
<ポカラ空港の搭乗待合室>
外が随分と暗くなってきた。今にも雨が降り出しそうである。待合室には20人ほどの乗客が待っている。私達以外にも日本人がチラホラと居る。
14時57分,突然,雷鳴が轟き渡る。同時に停電。待合室は更に薄暗くになる。売店では,直ぐにローソクが点けられる。停電がしょっちゅうあるのか,やけに手回しが良い。
強い雨が降り出す。果たして,飛行機が飛ぶかどうか心配になってくる。
15時04分,風雨が一層強まり,風がゴウゴウと吹き出す。待合室の扉がバタバタとはためいて,風が待合室の中を吹き抜ける。突然,大きな音が響く。近くに雷が落ちたようである。私達は,暗い待合室で,ひたすら待っている。
■飛行機が飛べるか?
15時13分,ようやく雨が上がり,空が明るくなりはじめる。15時21分に,再び待合室の電気が灯る。しかし,飛行機が何時飛ぶか何のアナウンスも連絡もない。手持ちぶさたになった私は,空港の様子をスケッチしながら,暇を紛らわす。
<雷鳴一過のポカラ空港(再掲)>
別の日本人ツアー客を連れた太った女性の添乗員が私達に近付いてくる。HAさんより,大分手慣れているようである。彼女によれば,ポカラからカトマンズに行く飛行機が,今日中に飛べるタイムリミットは,16時30分だとのことである。有視界飛行のために,遅くなると暗くなって飛べないようである。ところが,もう16時20分になってしまう。一体どうなるか,だんだんと心配になる。
HAガイドが,アトラストレック社と連絡を取り合っている。会社からは,17時まで様子を見ているようにという指示がある。HAガイドは私達に,ここで待って手くれと言い残して,慌ただしく,何処かへ行ってしまう。
■待合室に取り残される
空港の係員が,私達の所に来て,英語で大声で,
「イェティ航空(Yeti Airline)はキャンセルされました。すぐ待合室の外へでてください」
と私達に言う。どうしようかと迷っていると,すぐにHAガイドが私達の所に戻ってくる。
「飛行機は飛びません。搭乗券を戻してください・・・車が手配でき次第,呼びに来ますので,ここで動かずに待ってて下さい・・・」
17時33分,マウンテンエアラインの飛行機が,ポカラ空港に到着する。青色に塗られたボデーにエベレストの絵が描かれている飛行機である。乗客が降りてくる。待合室が俄に賑やかになる。先ほどの太ったガイドのグループは,この飛行機に乗り込んで,カトマンズ空港に向けて飛び立つ。私達だけが待合室にポツネンと取り残される。
(つづく)
アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(20)
ポカラ空港で足止め
2001年3月30日(金)(つづき)
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<ポカラ空港>
■ポカラ空港のチップ
私達は,スタッフなど沢山の人と一緒に専用バスでヤナプールを出発して,14時06分にポカラ空港に到着する。沢山の人が雑踏する空港で,現地スタッフが一箇所に集まっている。皆真剣な顔をしている。どうやら,現地リーダーが中心になって,手当を山分けしているようである。
14時16分,現地スタッフが見ている前で,HAリーダーから現地リーダーに,私達から集めたチップを手渡す。現地リーダーは現地スタッフの目の前で,チップの総額を数えている。その後,チップをどのように分けたかは分からない。
■妙に厳しいセキュリティチェック
14時20分,私達はポカラ空港の建物の中に入る。HAガイドは,
「ここで待ってて下さい・・・」
と私達に言い残して,どこかへ行ってしまう。暫くすると,HAガイドが搭乗券を持って,戻ってくる。緑色の枠が印刷された搭乗券を一人ひとりに手渡す。
14時26分,セキュリティチェックを受ける。搭乗待合室の入口は,右が男性,左が女性と別々になっている。入口にはカーテンが掛かっている。
カーテンを開けて,一人ずつ中に入る。すると,机の向こうに検査官の男性が1人座っている。随分と念入りにチェックが行われる。パスポートだけでなく,腹巻きの中のお札までチェックされる。係員が物欲しそうな顔をして,私の財布の中身をチェックする。幸か不幸か,千円札はなく,1万円札が2~3枚しか入っていない。もし,千円札が有ったら,1枚ぐらいは強要されたかもしれない。仙人は,日本製のタバコを「1箱くれ」と言われたようである。そこで,仙人は3箱ばかり係員に手渡したという。
「ナイフはないか。ライターはないか」
と聞かれる。そして,厳しいボデーチェックを受けてから,やっと搭乗待合室に入る。
<ポカラ空港の待合室> <搭乗券>
※この図の上の場所で男女別々のセキュリティチェックがある。
<飛行機が飛ばない>
■雷鳴轟く搭乗待合室
漸く,セキュリティチェックを終えて,搭乗待合室に入る。待合室は薄暗い。天井に取り付けられている蛍光灯の半分以上が切れているのか点灯していない。数本の蛍光灯が,ピカッ,ピカッ・・・と,点いたり消えたりしている。待合室の時計が3時50分を指している。正確に合っている。この所,狂っている時計ばかり見ていたので,正確な時計を見ると感激してしまう。
片隅の売店では,絵はがき,地図,帽子などが置いてある。女性群が売店に群がっている。
<ポカラ空港の搭乗待合室>
外が随分と暗くなってきた。今にも雨が降り出しそうである。待合室には20人ほどの乗客が待っている。私達以外にも日本人がチラホラと居る。
14時57分,突然,雷鳴が轟き渡る。同時に停電。待合室は更に薄暗くになる。売店では,直ぐにローソクが点けられる。停電がしょっちゅうあるのか,やけに手回しが良い。
強い雨が降り出す。果たして,飛行機が飛ぶかどうか心配になってくる。
15時04分,風雨が一層強まり,風がゴウゴウと吹き出す。待合室の扉がバタバタとはためいて,風が待合室の中を吹き抜ける。突然,大きな音が響く。近くに雷が落ちたようである。私達は,暗い待合室で,ひたすら待っている。
■飛行機が飛べるか?
15時13分,ようやく雨が上がり,空が明るくなりはじめる。15時21分に,再び待合室の電気が灯る。しかし,飛行機が何時飛ぶか何のアナウンスも連絡もない。手持ちぶさたになった私は,空港の様子をスケッチしながら,暇を紛らわす。
<雷鳴一過のポカラ空港(再掲)>
別の日本人ツアー客を連れた太った女性の添乗員が私達に近付いてくる。HAさんより,大分手慣れているようである。彼女によれば,ポカラからカトマンズに行く飛行機が,今日中に飛べるタイムリミットは,16時30分だとのことである。有視界飛行のために,遅くなると暗くなって飛べないようである。ところが,もう16時20分になってしまう。一体どうなるか,だんだんと心配になる。
HAガイドが,アトラストレック社と連絡を取り合っている。会社からは,17時まで様子を見ているようにという指示がある。HAガイドは私達に,ここで待って手くれと言い残して,慌ただしく,何処かへ行ってしまう。
■待合室に取り残される
空港の係員が,私達の所に来て,英語で大声で,
「イェティ航空(Yeti Airline)はキャンセルされました。すぐ待合室の外へでてください」
と私達に言う。どうしようかと迷っていると,すぐにHAガイドが私達の所に戻ってくる。
「飛行機は飛びません。搭乗券を戻してください・・・車が手配でき次第,呼びに来ますので,ここで動かずに待ってて下さい・・・」
17時33分,マウンテンエアラインの飛行機が,ポカラ空港に到着する。青色に塗られたボデーにエベレストの絵が描かれている飛行機である。乗客が降りてくる。待合室が俄に賑やかになる。先ほどの太ったガイドのグループは,この飛行機に乗り込んで,カトマンズ空港に向けて飛び立つ。私達だけが待合室にポツネンと取り残される。
(つづく)