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北アルプス:北穂高岳・涸沢岳・南穂高岳縦走(6)
上高地逍遥
(山旅スクール挑戦コース)
2007年8月19日(日)~22日(水)
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第4日目 8月22日(水) 曇り時々晴,一時雨
<梓川沿いに下る>
■モーニングコーヒー
早朝4時30分に起床する。今日はいよいよ上高地を経由して下山する日である。天気は相変わらずスッキリしない。昨夜の予報によると,今日も午後から雨になるようである。私達は雨に会わないように,早めに下山する予定である。
30分ほどで,下山準備を終える。まだ朝食まで,少々時間があるので,ロッジの外へ出てみる。広いカールを囲む穂高連峰の尾根から白い雲がカールに向かって流れ落ちている。どんよりとしていて,稜線は全く見えない。カールの向こう側に建っている涸沢小屋の電灯が明るく輝いているのが良く見えている。
5時30分から朝食を摂る。山小屋とは思えない豪華なメニューである。早々と朝食を終えた私は,6時頃,リュックを背負って小屋の外へ出る。テラスの脇にある売店がもう開店している。まだ,出発まで多少の時間があるので,モーニングコーヒーを注文,テラスに座ってユックリとコーヒーを味わう。
<涸沢ロッジの朝食とコーヒー>
■上高地を目指して
私達は,6時35分に,涸沢ロッジを出発する。
出発してすぐに,小さな雪渓を横断するが,ここから先の登山道は,一般の観光客も利用する歩きやすい道である。私達はゆとりを持って順調に下山し続ける。間もなく樹林帯に入る。私達は順調に下り続ける。
<雪渓を渡る> <本谷橋をオッカナビックリ渡る>
7時54分に,本谷橋(1865m)の袂に到着する。ここで10分ほど休憩を取る。その後,揺れる橋を渡って,登山道を淡々と下り続ける。途中で,雨粒が少し落ちてきたが,本格的な雨にはならずに,いつの間にか止んでしまう。
右手に屏風岩を眺めながら登山道を下り続ける。やがて,川沿いの綺麗に整備された登山道が現れる。ここまで来ると,いよいよ上高地に戻った気分になる。
<上高地そぞろ歩き>
■横尾山荘で預けた荷物を受け取る
8時59分に横尾山荘(1695m)に到着する。今回のツアーの初日に宿泊した山荘である。初日に横尾山荘に預けて置いた着替えなどの荷物を受け取る。山荘前の広場には,これから槍ヶ岳や穂高岳に向かうと思われる登山客や,一般観光客で賑わっている。沢山の人達を見ると,漸く上高地まで戻ったことを実感する。
9時19分に横尾山荘を出発する。私達は速からず遅からずの速度で,上高地へ向けて歩き続ける。道すがら,ときどき登山客とすれ違う。進行方向右手を流れている梓川の水量が,何時もより心なしか少な目に思える。
■徳沢園のアイスクリーム
これまで,何回となく,この道を歩いている。何時もバスの時間が押していたり,入浴時間が足りなかったりで,随分と急ぎ足で通過していた。でも,今回は,ユックリと周りの景色を楽しみながら歩いている。ユックリと眺めていると,上高地も素敵なところだなと気が付く。それもその筈,わざわざ遠方から河童橋周辺だけを散策するために,上高地まで来る観光客が圧倒的に多いことに,今になって気が付く。
10時08分に徳沢園(1650m)に到着する。徳沢園といえばアイスクリームである。仲間達が一斉にアイスクリームを購入する。私も皆につられるようにしてアイスクリームを買い求める。
■明神館の雨
10時25分に徳沢園を出発する。沢山の観光客とすれ違うようになる。だんだんと軽装のハイカーの人数が増えてくる。私達は相変わらずユックリとしたペースで歩き続ける。同じような景色の中を単調に歩き続けるので,だんだんと飽きてくる。それに,梓川を下流に向かっているのに,道路は結構アップダウンを繰り返す。ダラダラと続く登り坂は,疲労している足に結構堪える。
11時08分に徳本峠登山道の分岐(1605m)を通過する。傍らに島々側からの登山道が不通になっていることを示す案内板が立っている。
<徳本峠の通行止め案内>
11時11分,明神館(1600m)に到着する。到着した途端に,かなり激しく雨が降り出す。沢山の観光客に混じって,明神館の軒下で雨宿りをする。ほとんどの仲間が雨具を着始める。私は何だか面倒で,雨具を着る気になれない。まあ暫く様子を見ようと横着を決め込む。
■さわやかな木道歩き
10分ほど雨宿りをしていると,雨が小止みになる。
11時32分に明神館を出発する。まだ雨が少し落ちているが,雨具は着ないまま,歩き出す。今日は梓川右岸沿いの木道を歩くという。明神橋を渡ると,観光客の人数が少しへったような気がする。
<上高地の木道>
※今回は写真を撮らなかったので,以前訪れたときのスケッチで代用する。
樹林帯の中の木道歩きは清々しくて気分がよい。雨で木道が濡れているので滑らないように気を付けながら歩き続ける。沢山の観光客とすれ違う。かなり年輩の方々も散歩を楽しんでいる。河童橋に近付くに連れて,私達のように,リュックを背負った汗くさい連中は段々と少数派になる。
12時29分に河童橋の袂を通過する。この辺りは沢山の観光客で賑わっている。そのまま川の右岸に沿って歩き続けて,12時34分に上高地アルペンホテルに到着する。ここで入浴する予定である。
<混雑する上高地にて>
■上高地アルペンホテルで入浴
アルペンホテルの物置場のようなところからホテルの中に入る。いくら汗くさくて汚いからといって,お客を物置のような所から入館させるなんて“フザケルナ”という怒りも込み上げるが,一般客から見たら私達のような汗くさい連中は,文字通り鼻持ちならない輩に見えるに違いない・・・となれば,物置からコソコソと入れて貰うのも致し方ないことだと納得するが,どうも釈然としない。
とはいえ,久々の風呂はまことに気持がよい。この気持ちよさを味わいたいがために山登りをしているといっても過言ではないかもしれない。私は,頭のてっぺんから,足の先まで,数日間の汗を徹底的に洗い落とす。頭にシャワーを掛けると,ショッパイお湯が口に入る。ここは塩泉かと勘違いするが,自分の汗である。
<上高地アルペンホテル> <塩カルビ丼>
■バスターミナル2階の食堂で盛り上がる
風呂を出て,下着,靴下,ズボンなど着替えると,実にサッパリとした気分になる。上機嫌になって,ホテル前の空き地で,リュックの中を整理する。そして,湯上がりの肌で爽やかな風の感触を味わっていると,同行の山旅6期の男性2人組が,
「そろそろバスターミナル付近で食事しましょう・・・」
と私を誘う。もちろん異存はない。
12時23分に上高地アルペンホテルを後にする。ブラブラと往路を引き返して,12時29分に河童橋を渡る。橋の周辺には東京駅の構内を歩いているのではないかと錯覚するほど,沢山の観光客が屯している。
観光客の流れに乗って,林の中の道をバスターミナルに向かう。
12時35分にバスターミナルビルの2階にある食堂に入り込む。昼食時の混雑が一段落した時間のためか,食堂の中央付近のテーブルに直ぐに着席する。同行のお二人は,すぐに生ビール中ジョッキを注文する。下戸の私は,いきなり「塩カルビドンブリ」を注文する。脇に座ったA氏が,
「ちょっとだけでも,一緒に飲みましょうよ・・・」
と言いながら,私のコップに生ビールを注ぎ込む。
「もう・・・もう,コレデ十分です・・・」
と言いながら,コップ3分の1ほど生ビールを分けて貰う。
「乾杯!」
下戸とは言え,風呂あがりのビールは何とも美味しい・・・が,ビールで直ぐに体中が火照ってくる。
塩カルビドンブリは予期していた味とは,少々違っているが,山小屋定番の食事とは違うので,結構美味しい。
賑やかに食事をしていると,山旅8期のSさんと6期のIさんが現れて,私達の席に合流する。SさんとIさんは,つい先日,一緒に塩見岳・蝙蝠岳を縦走した方々である。下戸の私には,少々辛いところもあったが,一同大いに盛り上がる。その内に,共同運行バスで一緒だった槍ヶ岳組も,いつの間にか加わって,食堂は時ならぬ大賑わいになる。
私は他のお客様に気兼ねを感じるが,アルコールで盛り上がっている皆様は一向に平気である。
■貸切バスで上高地を出発
15時25分に食堂を出る。かなり強い雨が降り出している。トイレを済ませて,すぐに貸切バスに乗り込む。トイレに行っている間に,バスの前の方の席は,一杯になっている。私は仕方なく,最後部から2列目の席に座る。座ってみると希少価値のある男性群は,ほぼ全員一番隅っこに追いやられている。
「・・んだから,女性群ばっかりの旅に混じるのは厭なんだ・・・」
と小心者の私は,心の中でブツブツ言っている。そして,同じく心の中で,
「次回の八海山も,男性が少ないかもしれない。それに厭な自炊だ。もし男性の参加者が少ければ,不参加にしよう・・・」
と固く心に決める(八海山の参加者は,私を除いて全員女性と分かったので,8月30日に参加をキャンセルした)。
■無事帰宅
15時35分,私達を乗せた貸切バスは上高地バスターミナルを出発した。発車して間もなく,しこたまビールを飲んだ男性が,大声で辺りに話し出す。さらにトイレに行かせろと騒ぎ出す。
「だから,酒飲みは嫌いなんだ・・・」
と私は誰にも気付かれないように,心の中で罵倒する。
途中,風穴の里,八ヶ岳SA,談合坂SAで休憩をとって,20時57分に無事町田に到着する。町田から小田急線,バスを乗り継いで,22時過ぎに無事帰宅する。
(つづく)
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