<堀山の尾根>
豆桜が見頃な丹沢;塔ノ岳(今年20回目)
(単独山行)
2011年4月26日(火)
■今日は体調が良さそう
この前の土曜日(3月23日)に塔ノ岳に行くつもりだったが,天気が悪かったので山行は中止した.日曜日に,某ハイキンググループと大楠山へ出かけたが,何となく運動不足感があって落ち着かない.翌,月曜日は一寸した用事があって山行は不可.そんなこともあって,今日は,是非,塔ノ岳を往復したいなと思う.
例によって,5時10分に出発.湘南モノレールの始発電車に乗車する.この電車に乗車する人たちは何時も同じ顔ぶれだが,今日は普段見掛けない背広姿の男性がキャリーバッグを引きずりながらホームに上がってくる.紳士が,いきなり,
「FHさん,おはようございます・・」
と私に挨拶する.
近くに住む元勤務先の同僚である.彼はこれから島原,長崎方面のキリスト教ゆかりの地を巡るバス旅行に出掛けるという.みなさん,それぞれ生き甲斐を見いだしているのは素晴らしいことだなと思う.彼とは大船駅でお別れする.
東海道本線で,6時21分,小田原に到着する.例によって,小田原駅の階段を2段飛びに駆け上がり,小田急線の階段を駆け下りて,接続時間僅か2分の6時23分発新宿行急行に飛び乗る.小田急線電車に飛び乗ってから,
「あれ・・今日はハアハア言わなかったぞ・・・案外体調は良さそうだな」
と気がつく.
渋沢6時48分発大倉行1番バスの乗客は17人.この時期の平日にしては,かなり人数が多い.三角髭のTさん,K井さん,Y川さん,Kシゲさんなどご常連の顔が見えるが,肝心の韋駄天のTさんの姿がない.
「居るべき人が居ないと,どうも落ち着かないな・・」
とご常連のどなたかがつぶやく.同感である.
■Y川さん
バスは,6時57分に大倉に到着する.ご常連の皆さんは7時前に次々に歩き出す.一般の登山客も,大方の人が,次々に出発する.今日は私も手際よく登山の準備をして,何時もより多少早めの7時04分に大倉から歩き出す.
山麓の聚落は春の花が満開.写真を撮ろうと思ってカメラを構える.すると画面に,“カードがありません”という表示が出て撮影できない.
「シマッタ! SDカードをカメラに入れるのを忘れた!!」
すかさず私の体内に巣くっているもう一人の私がわめき出す.
「バカたれ! お前は・・スットコドッコイのオタンチンパレオロガス! 」
私はガッカリ.でも忘れたものは仕方がない.今日は携帯電話のカメラで代用するしかない.
気を取り直して,歩き続ける.路面はシッカリと乾いていて,歩きやすい.先ほど小田原駅で,今日の体調は良さそうだと思ったが,歩き出してみると,今日は身体が案外軽く感じる.そのため出だしから調子が良さそうである.
7時13分,克董窯を通過する.ここで先発のY川さんに追いつく.Y川さんに
「今日は,何処まで登られるんですか・・」
とお尋ねする.
「今日は“半日登山”にしますので堀山登山です.塔ノ岳まで行くと1日になってしまうので・・」
とのことである.
Y川さんは年に4回発行している「掲示板」の編集に忙しいので,今日も半日登山の後,この雑誌の編集に取りかかるとのことである.
私もY川さんに常連の端くれと認めていただけたのか,「掲示板」NO.27を頂戴している.Y川さんは,この「掲示板」を3ヶ月に1回の発行を5年間も続けておられる.すばらしい.なかなかできることではない.
二言,三言,Yかわさんと雑談をした後,先に行かせて貰う.
<花に囲まれた克董窯>
■堀山の豆桜は見頃
途中で何人かの登山客を追い越させて貰い,8時05分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから1時間01分経過している.1時間は切れなかったが,最近の私の体力から考えれば,まあ,まあ,許容範囲のラップである.
堀山の尾根に到着する.急登の坂を登った後の平坦な尾根は実に気持ちがよい.
登山道に沿いの豆桜は今が丁度満開,清楚な花を見ていると心が和む.体調の良い今日のようなときは,どんなラップになるかにも興味があるので,豆桜などに構わずにドンドン先へ行こうかとも思ったが,ラップタイムは何時でも取れるが,豆桜の見頃は今しかない.私は,歩行速度を緩めて,豆桜を楽しむ.
時々,携帯電話のカメラで写真を撮るが,周囲が明るすぎて画面が殆ど見えないだけでなく,操作がイチイチ面倒くさいのにイライラする.
<豆桜が見頃の大倉尾根>
■ご常連とバッタリ
堀山の家に差し掛かる.賑やかな人の声が聞こえてくる.そして,8時23分,堀山の家に到着する.
小草平のベンチで賑やかに話をしていたのは三角髭のTさん,K井さんなど4~5人.予期しないところで,皆さんに会うので,私は大変ビックリする.
「なんだ,もう(FHさんに)追いつかれちゃった・・」
ど,どなたかが言う.
堀山の家からは皆さんとご一緒に・・となるが,
「(FHさん)どうぞ先頭で・・」
と先を譲られる.
「とんでもない!・・私,坂道ダメなんです・・」
と辞退する.でも,先頭で行けと再三言われるので,
「自分の定速でしか歩けないので,途中追い抜いて下さい・・」
ということで,先頭を行く.
<堀山からの富士山>
■萱場平
何時もの通りに,汗ばむ程度で,流れる汗は絶対にかかないという鉄則を守りながら,速度で登り続ける.長い階段道で,数名の登山客を追い抜く.
8時41分,萱場平に到着する.辺りには誰も居ない.私は煩わしい操作をして,携帯カメラで定点観測の写真を撮る.
■花立山荘
気がつくと,後ろに居るはずのご常連の姿が見えない.多分,一行の中で私が知らない方の足が遅いので遅れているのだろうと推測する.大体,私が三角髭のTさんや,K井さんより速く歩けるわけがない.
8時53分,後7分坂に到着する.前方に止まってしまいそうな速度で登っている男性が見える.私は定速で登り続ける.坂の途中で,この男性氏を追い越させていただき,9時丁度に花立山荘に到着する.後7分坂を定刻通りに登ったことになる.
今日は,大倉を歩き出してから,花立山荘までの所要時間が1時間56分.わずか4分とはいえ,2時間を切っている,通常装備のリュックを背負っていることを考えれば,この私にすればマアマアの記録だと自己評価しておこう.
■金冷シ
花立山荘からも,定速で登りつづけて,9時07分に花立山に到着する.調子が悪いときには,ここまで10分程度掛かることがある.
何時の間にか,雲が沸いていて,花立山から富士山や南アルプスは雲の中である. ここから先,馬の背は,何となく惰性で歩いて,9時12分に金冷シを通過する.
前回,塔ノ岳を訪れたときまで,金冷シから先には多少の泥んこ道があったが,今日はほどよく乾いている.
金冷シを過ぎて最初の長い登り階段を惰性で登る.姿は見えないけれども,かなり後ろの方から,ご常連さん達の話し声が聞こえてくる.私は鳥の啼き声と比較しながら,“人間の啼き声ってこんな具合に聞こえるんだな”と妙にガッテンする.
■塔ノ岳山頂
9時25分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間21分.気温は+5.2℃.
何時もならば,山頂直下の階段で韋駄天のTさんとすれ違うのだが,今日はこの儀式がなかった.何となく,何かを忘れたような,妙な気分である.
立ち止まるとたちまちの内に寒くなる.寒い中,山頂には先客が2人居る.
操作が面倒な携帯電話を使って,山頂の写真を2~3枚撮るが,上手く撮れているか見当も付かない.
<山頂から富士山を望む>
■尊仏山荘
尊仏山荘に入る.
先客は誰も居ない.小屋の中は静まり返っている.私が入口の扉を開けると,その音を聞いたオーナーのHさんが,
「ラっしゃい・・!」
と言いながら,奥の部屋からヌッと現れる.定番の300円也のお茶を所望する.
ネコのミー君に会うのは諦める.
「今日は,韋駄天のTさんが来ないので,1番バスの乗客で,一番乗りはFHさんですよ」
とHさんが私に話しかける.
「1番バスには,17人,乗っていましたよ.何時もより少し多いですね・・」
あまり食欲はないが,窓越しの富士山を眺めながら,コンビニオムスビを一つ頬張る.その間,小屋にだれも表れない.
「だれも上がってこないですね・・沢山乗客が居たのに・・」
と私が言うと,
「1番バスの方は,大体,10時半頃になれば来ますよ」
とHさん.
言われてみれば,大倉尾根経由塔ノ岳の標準時間は3時間半.大体,常連の皆さんが速すぎるのだ.
そうこうしている内に,K井さんが山荘に到着する.三角髭のTさんは,小屋に立ち寄らずに下山してしまったようである.
何となく雑談が始まる.
K井さんが,私に言う.
「・・F田さんが,FHさんを尊敬していましたよ・・」
「エッ,エェ~・・・尊敬?・・ですか? 何ですか,それ・・」
「(FHさん)カムチャッカへ行かれたことあるでしょう?・・・」
「はい・・以前,カムチャッカのアパチャ山へ登りましたが・・」
「F田さんが『私より年上のFHさんが登ったんだから,私にも登れるはず・・』って言っていましたよ.FHさんの話に大分刺激を受けているようですよ・・・」
“何だ,尊敬って,そんなことか.” 私は拍子抜けする.
その後,小屋番のHさんと,K井さんは,小屋の雨漏り対策で余念がない.
■ユックリ下山
今日は,大倉発12時22分のバスに乗ろうかと思う.
そこで,充分に時間を取って,9時53分に尊仏山荘を出発する.
実は,昨日,藤沢のコージツで,軽量の2本組ストックを購入した.転ばぬ先の杖は2本あった方が,より安全だと思ったからである.
もともと登山学校では,ストックなしで歩くように訓練されたので,むしろストックは煩わしい.でも,できるだけ安全に登山をしたいので,最近は下りだけはストックを使うことにしている.
2本ストックは,馴れていないので,手がこんがらかる.でも,使い方を習得しなければと思いながら,馴れないストックを操る.
途中,何人かの顔見知りのご常連とすれ違う.
萱場平を過ぎた頃,2人連れの男性から,
「今朝登られたんですか?」
と話しかけられる.定番の問答パターンである.この方々も年数回のご常連である.年数回の方に比較すれば,このロートルの私でも,それは速いのが当然.この種の比較にはウンザリする.
途中,堀山の尾根の豆桜をユックリ堪能して,12時07分に大倉へ下山する.
予定通りのバスに乗車し,小田原経由の東海道本線を利用して,13時50分頃,無事,帰宅する.
<大倉の聚落>
<ラップタイム>
7:04 大倉歩き出し
7:23 観音茶屋
7:38 見晴茶屋
8:05 駒止茶屋
8:23 堀山の家
9:00 花立山荘
9:12 金冷シ
9:25 塔ノ岳山頂 着(+5.2℃)
======================================================
9:53 塔ノ岳山頂 発
10:04 金冷シ
10:17 花立山荘
10:54 堀山の家
11:15 駒止茶屋
11:39 見晴茶屋
11:51 観音茶屋
12:07 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間
大倉 発 7:04
塔ノ岳 着 9:25
(所要時間) 2時間21分(2.35h)
水平歩行速度 7.0km/2.35h=2.97km/h
登攀速度 1269m/2.35h=540.0m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 9:53
大倉 着 12:07
(所要時間) 2時間14分(2.23h)
水平歩行速度 7.0km/2.23h=3.14km/h
下降速度 1269m/2.23h=569.1m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/50b155d411470d0e2a8ee8cf5a801aa0
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6440b667a4aca5e67e1c591d67f81580
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