<メルズーガ砂漠近くの化石屋の店内>
モロッコ訪問記(30):第9日目(2):メルズーガ大砂漠(2)
(アルパインツアー)
2009年6月7日(土)~18日(火)
第9日目:2009年6月15日(月) つづき
<メルズーガ砂漠を散策する>
■果てしなく続く砂丘
6時17分,砂漠の地平線から太陽が昇り始めた.初めて見る砂漠の日の出である.
私たちは,小高い砂丘の上に立っている.どちらを見回しても砂漠が茫洋と広がっている.南の方角に,今,私たちが立っている砂丘よりも,大きくてさらに高い砂丘が見えている.あまりに広大な砂漠の中なので,距離感が狂っているかもしれないが,この大きな砂丘までの距離は,およそ300メートルほどだろうか.あるいは500メートル以上もあるだろうか.あまり良く分からない.
私を含めて数名で,青い服を着たラクダの御者兼案内人の先導で,大きな砂丘を目指して,ゆっくりと歩いてみる.結構,細かな上り下りがあって,しかも砂に足が埋まるので歩きにくい.およそ,10分ほど歩いて大きな砂丘の頂上に立つ.
頂上から辺りを見回す.
後ろを振り返ると,小さな砂丘の上に残った仲間達が一塊になっているのが見える.仲間達の顔に朝日が当たっている.大きな砂丘の上から辺りを見回しても,先ほどの小さな砂丘の上からの景色と,殆ど変わらない.私たちが立っている砂丘の向こうには,さらに小高い砂丘が連なっていてきりがない.当たり前と言えば当たり前だが,砂ばかりが延々とつづくとんでもないところだなと改めて実感する.
<小さな砂丘に立つ>
<砂丘の稜線を行く>
■凸凹の砂丘を辿る
ガイドが,英語で,
「・・・そろそろ戻りましょう・・」
と私たちを促す.
私たちは,仲間が一塊りになっている砂丘を目指して戻り始める.残った仲間達が,私たちに向かって,手を振りながら,
「お~ぃ・・・お~ぃ・・・」
と声を掛けてくる.私たちが手を振りながら応えると,遠くから盛んに私たちの写真を撮る.
小さな砂丘で残った仲間達と合流,そして,ベースキャンプへの帰路を歩き始める.砂丘の急坂を一気に直滑降で下る.ものすごい傾斜である.傾斜のきついところは,多分,50度位はあるかもしれない.視覚的には垂直の崖のように見える.ただ,ふかふかの砂地で,落差もせいぜい10メートル程度なので,恐怖心よりも,むしろ面白がって下る.
<砂漠の中の逞しい草>
<蟻が逞しく生きている:右下の黒い塊がラクダの糞>
<砂漠の中の井戸:随分と深く掘ってある>
■ビッシリとラクダの糞
凸凹の多い場所を通り抜けて,ラクダを待たせていた坦な場所に戻る.ここで,ラクダを雇っている2人はラクダに乗る.私たちは,まるで戦国時代の足軽のように,2頭のラクダの後に付いていく.ラクダが尾根沿いに歩いていくが,徒歩組は,時々窪地を先回りする.途中に,古い井戸や,砂地に細々と映えている草を見つけて感動する.
ベースキャンプに近づくにつれて,踏み固められたためか,砂地が段々と固くなってくる.それと同時に,地面の至る所に,ラクダの糞が落ちている.丁度,ウサギの糞を少し大きくしたような感じの糞が隙間がないほどビッシリと地面にへばり付いているので,糞をよけて歩くことはできない.足の裏の面積の中に数個の糞が散らばっているほど,ものすごい数である.一歩一歩,数個の糞を踏みつけながら歩くのは余り良い気分ではない.
<ラクダに乗った二人の後を行く:地面のボツボツはラクダの糞>
※ベースキャンプに近づくにつれて,糞の密度が増す.
<砂漠体験のための宿泊施設>
<ベースキャンプを目指してショートカット>
<サラムホテルへ戻る>
■砂漠の中をひた走る
7時丁度にベースキャンプへ戻る.
歩き始めたときは真っ暗だったので,キャンプの様子は全く分からなかったが,砂漠の真ん中に,日干し煉瓦の掘建小屋が数軒並んでいる.観光客やガイドの溜まり場になっているようである.私たちは,そのまま,チャーターしている3台のジープに分乗し,往路を辿って帰途につく.
往路では真っ暗で分からなかったが,私たちのジープは砂漠の真っ直中を走っている.ここと言って,特定の道路があるわけではなく,無数の轍が広い幅の中に付いているところを,ダ,ダ,ダ,ダ・・ガタ,ガタ,ガタと凄い速度で走りつづける.辺りはだだっ広い砂漠である.これでは,現地を熟知しているドライバーでないと,たちまちの内に迷子になるのは必定である.
ガタガタなところを30糞ほど走ると,舗装道路に繋がる.舗装道路に入った途端に,ジープの揺れが収まり,ガタガタ音もしなくなる.それだけで何だかホッとした気分になる.
<ベースキャンプ>
<真っ平らな砂漠を走る:ところどころで轍が交差して迷路のようになっている>
■化石屋で一休み
7時36分,砂漠の中の一軒家に到着する.
店の軒に“FOSSIES AFRICA”と大きな字で書いてある.どうやら化石屋のようである.ここで小休止.
店の中に入ってみる.沢山の化石が無造作に並べられている.中には,赤土を型で固めて作ったと思われるイミテーションもある.それにしても実に多種多様で雑多な商品が並んでいる.
私ははじめから何も買う気がないので,興味本位で見て回るだけだが,仲間の1人が,真剣に品定めをしている.
<砂漠の中の化石屋>
<化石屋の展示>
■サラムホテルへ戻る
休憩を終えて,7時50分,化石屋を出発する.
だんだんと道路の両側に民家が見え始める.7時55分,小さな川を渡る.川の水は排水で汚染されていて汚い.また,川岸には沢山のゴミが放置されている.何とも不衛生なところである.
8時丁度に,宿泊しているサラムホテルに到着する.
■朝食
一旦,ホテルの地質に戻った後,すぐに朝食である.
例によって団体行動なので,勝手に先に行ってコーヒーを賞味することもできないので,少々窮屈である・・・が,致し方ない.
主食はクレーフというホットケーキのようなものとパン.それにコーヒーとオレンジジュース.至って簡素である.ただ,クレーフやパンが,なかなか美味しいので救われる.勿論,オレンジジュースはとびきり美味しい.
8時30分頃,朝食を終える.
一旦,自室に戻る.そして,荷物の片づけを始める.
私たちは,まもなくサラムホテルを出発して,モロッコ唯一の古都,フェズに向かう予定である.
<サラムホテルの朝食>
(つづく)
「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/38ecaa90dec0e5ad54532c8322ff31c6
「モロッコ訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b500e4738b5c7e957e7a04fe5c9ce34d
「モロッコ訪問記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ訪問記」の索引
(編集中)
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第9日目:2009年6月15日(月) つづき
<メルズーガ砂漠を散策する>
■果てしなく続く砂丘
6時17分,砂漠の地平線から太陽が昇り始めた.初めて見る砂漠の日の出である.
私たちは,小高い砂丘の上に立っている.どちらを見回しても砂漠が茫洋と広がっている.南の方角に,今,私たちが立っている砂丘よりも,大きくてさらに高い砂丘が見えている.あまりに広大な砂漠の中なので,距離感が狂っているかもしれないが,この大きな砂丘までの距離は,およそ300メートルほどだろうか.あるいは500メートル以上もあるだろうか.あまり良く分からない.
私を含めて数名で,青い服を着たラクダの御者兼案内人の先導で,大きな砂丘を目指して,ゆっくりと歩いてみる.結構,細かな上り下りがあって,しかも砂に足が埋まるので歩きにくい.およそ,10分ほど歩いて大きな砂丘の頂上に立つ.
頂上から辺りを見回す.
後ろを振り返ると,小さな砂丘の上に残った仲間達が一塊になっているのが見える.仲間達の顔に朝日が当たっている.大きな砂丘の上から辺りを見回しても,先ほどの小さな砂丘の上からの景色と,殆ど変わらない.私たちが立っている砂丘の向こうには,さらに小高い砂丘が連なっていてきりがない.当たり前と言えば当たり前だが,砂ばかりが延々とつづくとんでもないところだなと改めて実感する.
<小さな砂丘に立つ>
<砂丘の稜線を行く>
■凸凹の砂丘を辿る
ガイドが,英語で,
「・・・そろそろ戻りましょう・・」
と私たちを促す.
私たちは,仲間が一塊りになっている砂丘を目指して戻り始める.残った仲間達が,私たちに向かって,手を振りながら,
「お~ぃ・・・お~ぃ・・・」
と声を掛けてくる.私たちが手を振りながら応えると,遠くから盛んに私たちの写真を撮る.
小さな砂丘で残った仲間達と合流,そして,ベースキャンプへの帰路を歩き始める.砂丘の急坂を一気に直滑降で下る.ものすごい傾斜である.傾斜のきついところは,多分,50度位はあるかもしれない.視覚的には垂直の崖のように見える.ただ,ふかふかの砂地で,落差もせいぜい10メートル程度なので,恐怖心よりも,むしろ面白がって下る.
<砂漠の中の逞しい草>
<蟻が逞しく生きている:右下の黒い塊がラクダの糞>
<砂漠の中の井戸:随分と深く掘ってある>
■ビッシリとラクダの糞
凸凹の多い場所を通り抜けて,ラクダを待たせていた坦な場所に戻る.ここで,ラクダを雇っている2人はラクダに乗る.私たちは,まるで戦国時代の足軽のように,2頭のラクダの後に付いていく.ラクダが尾根沿いに歩いていくが,徒歩組は,時々窪地を先回りする.途中に,古い井戸や,砂地に細々と映えている草を見つけて感動する.
ベースキャンプに近づくにつれて,踏み固められたためか,砂地が段々と固くなってくる.それと同時に,地面の至る所に,ラクダの糞が落ちている.丁度,ウサギの糞を少し大きくしたような感じの糞が隙間がないほどビッシリと地面にへばり付いているので,糞をよけて歩くことはできない.足の裏の面積の中に数個の糞が散らばっているほど,ものすごい数である.一歩一歩,数個の糞を踏みつけながら歩くのは余り良い気分ではない.
<ラクダに乗った二人の後を行く:地面のボツボツはラクダの糞>
※ベースキャンプに近づくにつれて,糞の密度が増す.
<砂漠体験のための宿泊施設>
<ベースキャンプを目指してショートカット>
<サラムホテルへ戻る>
■砂漠の中をひた走る
7時丁度にベースキャンプへ戻る.
歩き始めたときは真っ暗だったので,キャンプの様子は全く分からなかったが,砂漠の真ん中に,日干し煉瓦の掘建小屋が数軒並んでいる.観光客やガイドの溜まり場になっているようである.私たちは,そのまま,チャーターしている3台のジープに分乗し,往路を辿って帰途につく.
往路では真っ暗で分からなかったが,私たちのジープは砂漠の真っ直中を走っている.ここと言って,特定の道路があるわけではなく,無数の轍が広い幅の中に付いているところを,ダ,ダ,ダ,ダ・・ガタ,ガタ,ガタと凄い速度で走りつづける.辺りはだだっ広い砂漠である.これでは,現地を熟知しているドライバーでないと,たちまちの内に迷子になるのは必定である.
ガタガタなところを30糞ほど走ると,舗装道路に繋がる.舗装道路に入った途端に,ジープの揺れが収まり,ガタガタ音もしなくなる.それだけで何だかホッとした気分になる.
<ベースキャンプ>
<真っ平らな砂漠を走る:ところどころで轍が交差して迷路のようになっている>
■化石屋で一休み
7時36分,砂漠の中の一軒家に到着する.
店の軒に“FOSSIES AFRICA”と大きな字で書いてある.どうやら化石屋のようである.ここで小休止.
店の中に入ってみる.沢山の化石が無造作に並べられている.中には,赤土を型で固めて作ったと思われるイミテーションもある.それにしても実に多種多様で雑多な商品が並んでいる.
私ははじめから何も買う気がないので,興味本位で見て回るだけだが,仲間の1人が,真剣に品定めをしている.
<砂漠の中の化石屋>
<化石屋の展示>
■サラムホテルへ戻る
休憩を終えて,7時50分,化石屋を出発する.
だんだんと道路の両側に民家が見え始める.7時55分,小さな川を渡る.川の水は排水で汚染されていて汚い.また,川岸には沢山のゴミが放置されている.何とも不衛生なところである.
8時丁度に,宿泊しているサラムホテルに到着する.
■朝食
一旦,ホテルの地質に戻った後,すぐに朝食である.
例によって団体行動なので,勝手に先に行ってコーヒーを賞味することもできないので,少々窮屈である・・・が,致し方ない.
主食はクレーフというホットケーキのようなものとパン.それにコーヒーとオレンジジュース.至って簡素である.ただ,クレーフやパンが,なかなか美味しいので救われる.勿論,オレンジジュースはとびきり美味しい.
8時30分頃,朝食を終える.
一旦,自室に戻る.そして,荷物の片づけを始める.
私たちは,まもなくサラムホテルを出発して,モロッコ唯一の古都,フェズに向かう予定である.
<サラムホテルの朝食>
(つづく)
「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/38ecaa90dec0e5ad54532c8322ff31c6
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「モロッコ訪問記」の最初の記事
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(編集中)