


小倉山峰のもみち葉心あらば
今ひとたびのみゆき待たなむ
藤原忠平
ちはやぶる神代も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは
在原業平
今からさかのぼることおよそ1300年前
平安時代には現代のように紅葉のスポット
はなかった。そこで野山にでて美しい
紅葉を探し求めて動物を狩るごとく
もみじを狩ったのであります。
やんごとなき御方たちは自分の足で
歩くようなことはしません。
牛車、神輿に乗って大勢の供を連れて
紅葉の下で酒などを酌み交わし
優雅に和歌を詠んだと想像されます。
蛇足
”ちはやぶる”は古典落語にもあります。
あらすじは相撲取りの竜田川が遊女の神代に
恋をしたのだがふられてしまいます。
(ちはやふる神代も聞かず竜田川)
やがて遊女の神代が落ちぶれて竜田川を
頼って来ますが”おから”さえも与えないで
追い返します。遊女神代は悲嘆のあまり哀れにも
水に身を投げてしまいます。
おそまつな一席、お後がよろしいようで。
次回は謡いの紅葉狩りの予定です。