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木質バイオマス燃料のススメ

2022-09-03 09:14:11 | 焚火 アウトドア





最近、なかなか焚火とかアウトドアについての記事をアップ出来ていないのですが・・・

ほぼ毎週末、家でのんびり焚火しながらコーヒーを焙煎したり、お肉を焼いたりしています。

もう自分にとっては日常なので、わざわざブログ記事にするような面白い事も無いんですよね。



そこで、前々から記事にしようかなぁ、と思っていた「木質バイオマス燃料」について書いてみたいと思います。








焚火を楽しむにあたり、もっとも重要なのは「燃料」です。

当たり前ですが、これが無ければ何も始まりません。

自分が使っている燃料はもちろん「薪」です。

不要な伐採木を譲っていただき、チェンソーと斧で割って使っています。

労力は掛かりますが、タダで手に入ります。


今まで快く不要な木を譲っていただいた方々には感謝しております。



しかし、この入手方法では安定して手に入る保証はありません。

そうなると、市販の物を購入する事になるんですが、出来合いの薪を直接買うより、もっと効率のいい、それでいて焚火遊びはしっかりできる燃料があるんです。

それが「木質バイオマス燃料」。


「木質バイオマス燃料」というと、薪も含めた様々な自然燃料を指します。

今回紹介するのは、木材を生成する際に発生した「おが屑」を圧縮した燃料で、焚火にも使いやすく、比較的入手しやすい物です。












こちらは「オガライト」と呼ばれる種類。

見た目は麩菓子か竹輪か?というような外観。

おが屑の圧縮率が高く、ずっしりとしています。

圧縮率が高いという事は、それだけ良質な薪に匹敵する火力と火持ちの良さを持っているという事です。

ただ、なかなか店頭で売っている所が無いんですよね。

自分も買うときはほぼネットで買っています。

相場としては1キロ100円~200円と、販売所によってバラつきがあります。









こちらも似た木質バイオマス燃料で「ブリケット」

オガライトと同じ人工成型薪ですが、オガライトより太さがあり、圧縮率もそこまで高くないので手でボロボロと崩すことが出来ます。

オガライトは40センチ程度の長さがあり、割って使う際も割と固く、力を籠めなければ折る事が出来ません。

それに対し、このブリケットは10センチ程度ごとに切れ目があるので、任意の量を調整しやすいメリットがあります。

また、圧縮率が低い=火力が柔らかいので、焚火料理のメニューによってはこちらの方がうまく焼ける物もあります。

どちらかというと薪ストーブとの相性が良さそうです。

ちなみに自分がいつも買っている物はこの量(約10キロ)で500円程度という破格!






そして、もう一つ。

自分が最も多用しているのが「木質ペレット」

オガライトやブリケットと同じ、おが屑圧縮の人工燃料ですが、名前の通り粒状になっています。

こちらは自分が買っているタイプがだいたい10キロで600円から700円くらいですね。

薪ストーブと似た「ペレットストーブ」という、これを専用燃料とした暖房器具もあります。

ペレットストーブはメンテナンスのしやすさや、排出される煙の量が少ない事から、都内で薪ストーブを楽しみたい方が選択する事も多いようです。







自分はこのペレットに燃料用アルコールをかけたものを着火剤代わりに愛用しています。

小さい粒なのにヘタな小枝よりはるかに熱量・火力があるので、焚火の最初にありがちな「全体の温度が低下して立ち消えになる」という失敗を防ぐことが出来ます。








木質ペレットの良い所は、量の調節がしやすい事です。

使うコツとして、ペレットのみで焚火を行う際、燃料追加でいきなり大量に入れない事です。

ペレットが粒状のため、空気の通り穴を塞ぎ、すぐに火が立ち消えてしまいます。

ほんの一掴み程度をちょっとずつ追加するのがコツです。

また、通常の薪を使った焚火の際、たとえば誤って湿った薪を投入し火が立ち消えになりそうな時に、ペレットを一掴み投入し、ファイアーブラスターで空気を送り込めば炎が復活します。





ちなみにホームセンターなどでも売っている事もありますが、ペットショップに行けば猫砂用として売っています。

ただし、猫砂用の物は製品によって消臭剤などが混ぜられている場合もあるので注意が必要です。

オガライト、ブリケット、ペレットのどれも、本来は添加物など一切入っておらず、天然木を砕いて圧縮しただけで作られている物になります。



自分がブリケットやペレットを買っているのは、関越自動車道の所沢インター近くの「ペレットマン所沢」。

株式会社リプロが運営しているショップで、木質バイオマス燃料だけでなく、薪も格安で販売しています。







どれが一番使いやすいか?と言われると、一長一短、人による、としか言えないのですが、火力、火持ちで言えば「オガライト」が良いと思います。

実は、木の質量に対する燃費、エネルギーってどんな木の種類でもほぼ同じなんです。

よく「針葉樹は燃えやすいが火持ちが悪い、広葉樹は付きが悪いが火持ちが良い」と言われますが、これは針葉樹は密度が低いため、酸素と結合がしやすいが、そもそも質量が低い(内包されているエネルギー量が少ない)のですぐ燃え尽きる、広葉樹は密度が高いから酸素と結びついて燃焼するのに時間がかかるけど、質量分の燃費を発揮する、という訳です。

杉の木だろうと樫の木だろうと、同じ密度にしてしまえば、火持ちも火力も違いはほぼありません。

つまり「水分を抜いた質量が最も重い物が一番火力、火持ちの良い燃料」という事になるわけです。

上記三種の木質バイオマス燃料で言うと、このオガライトが最も「重い」燃料となります。









もちろん、質量がある分、酸素との結びつきは表面でしか行われないので、いわゆる「火付が悪い」燃料です。

オガライト単体で使うより、普通の薪や小枝などと併用するのが良いと思います。


また、木材から発揮される可燃ガスが非常に多いので、燃焼の温度が低かったり、酸素供給量が少なかったりすると、可燃ガスが燃焼することなく排出されてしまうので「煙ばかりモクモク出る」状態となります。

個人の経験から、木質バイオマス燃料はウッドガス式の焚火台と相性が良いです。

愛用しているパスタ鍋改造のウッドガスストーブでオガライトを燃焼させると、火柱が立つほどの火力となります。

オガライトから噴出される可燃ガスが効率よく酸素と結びつくので、無駄なく燃焼させることが出来ます。








また、オガライトは密度が高いので、熾火の状態でも強い火力と持続性を発揮します。

よく、ホームセンターなどで売られている「成形備長炭」「オガ炭」と呼ばれているものは、まさしくオガライトを炭化させたもの。

オガライトほどの高密度だと、備長炭に匹敵するほどの火力と持続性になるわけですね。

通常、焚火料理を楽しむ人は、この熾火の状態で料理する事が多いと思うので、オガライトはそうした楽しみ方をされる方にもおすすめです。



通常の薪は、購入する際にも水分量など分からず、買ったはいいが全然燃えなかったり、煙ばかりモクモク出たりすることがありますが、木質バイオマス燃料であれば、必ず「乾いた薪」の状態なので、ベストな燃焼が出来ます。

おが屑という産業廃棄物を有効活用しているので、エコやSDGs的な観点や、林業、木材業の経済効果的な観点からも、有効な燃料です。

また、薪を自宅で保存していると、避けられないのが虫やカビの問題。

人工燃料である木質バイオマス燃料なら、虫が付くこともカビやキノコが生えることもありません。

何より、首都圏在住なら薪を買うより安い!



木質バイオマス燃料をうまく使えば、自宅での焚火もより快適になります。

庭やベランダで薪割りは出来ないけど、ちょっとしたBBQや焚火を楽しみたい、という方には実はおススメです。

唯一の弱点は、水に弱い事。

どの燃料も、水に浸してしまうと、もとのボロボロのおが屑に戻ってしまいます。

しかも、オガライトやペレットはめちゃくちゃ圧縮しているので、水でおが屑に戻ると、とんでもない量に膨れ上がります。

保管する際は雨などの当たらない室内などに置くと良いです。










自分は自宅の庭で、手製の焚火台を燻製器の中に入れ「焚火オーブン」として焚火料理を楽しんでいます。







最近は娘がお気に入りのスペアリブの漬け込みを焼くことが多いです。

炭火や熾火ではなく、立ち上がる炎でグリル&ローストして焼くと、また違う味わいに仕上がります。








魚や干物なども、このスタイルで直火焼きしますが、こちらは「遠火の強火」という魚焼きの基本に従い、あまり炎を立ち上げずに焼きます。

こういう時にはオガライトよりもブリケットの方が活躍しますね。

身の中の水分が飛び過ぎないよう、ふっくらとした仕上がりを意識して焼き上げます。








メイン料理であるお肉を焼いた際、副菜も焚火でよく焼きます。

スーパーなどで売られている既製品のハッシュポテトも焚火で表面をカリカリに焼き上げると美味しいです。






同じく、スーパーで安く売られている冷凍枝豆。

これも焚火で蒸し焼きにし、少し燻製をかけてあげると抜群に美味くなります。

肉を焼き終わった後の熾火で作るとちょうどいいです。

燻製は、熾火に水で濡らした木片を投入し、煙を発生させて燻します。




最近のアウトドアブームで、キャンプ場やBBQ場なども非常ににぎわっていますが、見ている限り、まだまだ焚火料理をしている方は少ないですね。

美味しい焚火料理を楽しむためにも、薪だけでなく木質バイオマス燃料もおススメです!!














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2 コメント

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Unknown (FTS)
2022-09-05 10:30:28
>boh3-jpさん

コメントありがとうございます。
オガライト、確かに音も静かですし、そうした深夜の焚火にも適していますね!

価格に関しては、都内などのアウトドアショップで薪を買うよりは安いと思いますが、常用する燃料と考えると安くはないですね・・・
もっと木質バイオマス燃料を使う人が増えれば、生産輸送コストも安くなると思うので、私も微力ながらこのような記事で啓蒙活動してみました。
返信する
Unknown (boh3-jp)
2022-09-03 10:46:20
こんにちは。
焚き火料理が非常に美味しそうですね!
こんな美味しそうなスペアリブを食べられる娘さんは幸せですね〜(^^)

さてオガライトですが、以前近所のホームセンター(コメリ)で売っていたので買って使った事があります。
普段キャンプでは紅葉樹の薪を使って焚き火を楽しんでましたが、時間が遅くなるにつれてオガライトに切り替えてました。
その理由として、爆ぜる音が出ないので、周りのキャンパーへの迷惑も減るかな?と。
実際はあの爆ぜる音も風情があって良いとは思うのですが・・・色々な人が居ますので(^^;
オガライトは静かに燃えて長持ち、湿気さえ防げれば保存も楽なので、今後需要が増えて来るかも知れませんね。
ただ・・・もう少し安ければ良いのですが(^^;
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