国立音楽大学楽器学資料館へ行った。その3(オンド・マルトノ、テルミン) よりつづく
さて、本当の目的は「世界の音階と音律」だったはずだ。
期待していたのだが、う~ん、世の中には平均律以外の音律も存在するよ、に毛が生えた程度の展示。
とはいっても音律の話をしようとすると、物理や歴史について説明せざるを得ないし、簡単に聞き分けられて理解出来るものでもないし、仕方がないのかもなあ、とは思った。
ピタゴラス音律や純正音律の話をするのに不可欠なモノコードも置いてあったが、手作りっぽくてこまがぐらぐらしていて音程が定めにくい感じで、これで説明するのはちょっと難しそうだった。
パソコンといくつかのキーボードが繋がれているセットがあって、代表的な音律一通りから音律を選んでそれぞれのキーボードに振り分けて鳴らすことが出来る。
それぞれのキーボードから同じ音を同時に鳴らすと、微妙に高さが異なってうなりが出たりする。これで、ああ、音律によって音の高さがビミョーに違うんだな、と実感することはできる。 あ、基準の音は同じ高さだからうなりは出ないよ。
1オクターブ上の音は周波数が2倍。もうこれは絶対だ。大きい波の中に小さい波がぴったり2個はまって気持ちよい。
では1.5倍にするとどうなるか? たとえばCを1.5倍すると気持ちよい5度のGだ。これは弦や管をいじれば分かる。昔の人もさっさと分かっただろう。
更に1.5倍すると2.25倍になって、オクターブがひとつ上になってしまうので、同じオクターブにおさめるために1/2すると1.125倍になる。たとえば5度のGを1.125倍すると2度のDになる。
この操作を繰り返していくと12個音が出来て、12回め(つまり13個め)は約2.027倍になる。ピッタリ2倍にならない。不都合な真実である。音を出してオクターブが合わないなんて、気持ち悪すぎて演奏できない。
それでちょっと縮めてぴったり2倍におさめるわけだが、どうやると具合がよいか、という試行がいろいろあり、縮め方、つまり音律が何通りも存在する。
ピタゴラス音律の5度はとても気持ちがよいのだけれど、3度と一緒に鳴らす長三和音、たとえばドミソ、はちょっとだけ濁る。波長が単純な倍数の方が気持ちよいから、81/64=1.265625だとちょっとねえ(ちなみに3度は4回目に出てくる)。
長三和音の響きのよい音律が純正律だ。純正律の3度は5/4=1.25だ。シンプル。でも純正律の全ての音で響きがよいわけではない。やっぱり不都合が存在するんだよね。あ、純正律の5度とピタゴラス音律の5度は同じです。
★ 👈 音楽再発見100エピソード 4:5の美しい響きを求めて実験!3度の響き ほら平均律、ピタゴラス律、純正律の3度の間隔が違うでしょ、っていう短い動画。
世にいくつも出た音律で同じ曲を演奏したら このように響きや印象が変わる、という動画をアップしている方がいる。
★ 👈 Shin3 の動画チャンネル
「私は「音律が作曲家の想像力にどのような影響を与えるか」という点に、特に大きな興味と問題意識を持って活動しています。音律の違いは、音楽的な世界観の違いとして現れます。それぞれの世界観はそれぞれ尊重されなくてはなりません。世の中の音律が多様化することで、より豊かな音楽世界が育まれていくものと信じています。」概要より
曲を聴き比べてじっくり味わわずには音律の違いを知ることは出来ない。
思いっ切り端折って現在は、響きに難がとか一部の人にいわれつつも、均等に縮めた平均律が一般的に使用されている。
コンテンポラリーでポピュラーな音楽で 基本的には平均律を使いながらも、曲中のコードの響きの濁りを減らしつつ 矛盾が少ないように展開し 見事におさめたのが、若き天才ジェイコブ・コリア―だ。
★ 👈 Hideaway – Jacob Collier
これを聴いて どう上手いことやったか すぐに聴き取れる人ってそうそういないんじゃないか。
Nomad Diary Jacob Collier(ジェイコブ・コリアー)がスゴい。インタビューを要約・考察してみる 日本語、分かりやすい。
★ 👈 Interview: Jacob Collier (Part 2) June Lee
上記のジェイコブの動画 Hideaway の種明かしです。
ジェイコブの楽しそうに話す姿、いかにも簡単に音が体から出てくる様、ああ、天才ってこういうんだ、というのが見られるだけでも美味しい。いや、話の内容が刺激的なんですがね。
音楽の世界は むかしといまがつながっているんだな、と壮大な気持ちになる。
ピタゴラス音律のまえから民族音楽というのは存在して、それぞれに音階はあった。それはどうやって出来たか?というのはテトラコルドで説明できるものが多いそうだけど、それは不勉強なのでパス。
展示に話を戻す。パソコンといくつかのキーボードが繋がれているセットの隣に、うなり、という連想からか、ガムランに使うガンサが2台置いてあった。
これは 浜松市楽器博物館で体験した!
微妙に異なる音程にチューニングした同じガンサ2台がペアになって、半拍ずらしで演奏すると、よく響く青銅の音色にうなりが出て気持ちがよいのだ。
★ 👈 Hujan Mas Kotekan bali musik tradisional Arsa Wijana Bali Art
ああ、それにガムランの音階も平均律とは違うよな。音楽理論 ざっくり解説 ガムラン前編
なにしろ国立音楽大学楽器学資料館内の写真が撮れなかったので、学内の宮地楽器で買ったパンフルートの写真なんぞを載せてしまう。
平均律の7音音階の管を並べるとこうなるよ。ポルタティーフオルガンのパイプもこんな風に並んでいるな。
音律の話に戻すと、わたしのアトラスチェンバロは一応ヴェルクマイスターⅢでチューニングしている。多分。
うちで誰かと合奏する機会もないし、最近はチューニングメーターを使わずになんとかやっている。400年まえにチューニングメーターはなかったはずだし。
チェンバロ大辞典 ⅩⅢ部の最後に載っている割り振り表を参考にしている。あくまで参考。本来はうなりのテンポを数えないといけないのだが、基準になる音の周波数が合ってなければうなりの速さは異なるはずだし、そもそもうなりが聞き取れないんですよ、あたしゃ。
ヴェルクマイスターⅢにはきれいにハモっている5度が8つと わずかにハモっていない5度が4つ混じっているのだが、わずかにハモっていない5度のしわよせをだいたい同じくらいにして、わずかにハモっていない5度の音のとる3度の間隔が あまりずれないように調整する。ヴェルクマイスターⅢの3度で完全にハモっているものはありません。
具体的な話をする。基本的には5度を利用して合わせていき、時折3度の響きをチェックする。耳に心地よいのは純正ということにして、トータルで5度は狭く3度は広くせざるを得ないが、それぞれの間隔が純正に合っているか、広いか狭いかを聴き分けることになる。
まずA-Eをぴったり合わせ、そのEを使ってE-Bもぴったり合わせる。
次に、さっきのAを使ってA-Dを少しだけ狭く合わせ、そのDでD-G、そのGでG-Cをどちらも少しだけ狭く合わせる。その狭さがだいたい同じようにする。
ここでチェック。最初に合わせたEとさっき合わせたCの3度がどうか、GとBの3度の間隔はどうか。G-Bの方がC-Eより広い。つまりC-Eの方がG-Bより響きがよい。
さっき合わせたCに戻ってC-Fをぴったり合わせる。このFを最初のAと鳴らして3度の響きをチェックする。C-Eと同じくらいのずれにする。
Fに戻り、ぴったり5度でF-B♭、B♭-E♭、E♭-A♭、A♭-D♭、D♭-F♯、と合わせていって、B♭、E♭、A♭、D♭、F♯を決める。
ここでチェック。F♯と先に合わせたBの5度だ。この狭さが 先に合わせていたA-D、D-G、G-Cの狭さと同じくらいになっていればよい。
そして、まえに合わせたDとF♯の3度もチェック。さっきチェックしたG-Bと同じくらい広ければよい。
まあ、一発では合わないのでモガモガするが、最初のA-D間の狭さをどの程度にするかがポイントだ。狭すぎても 広すぎてピッタリ1.5倍になっちゃってもダメ。
1オクターブの12音が出来たら、それぞれの音のオクターブ上や下に合わせていく手順のはずだが、わたし、オクターブチューニングがまた苦手なんだ。波が2倍って許容範囲が大きくない?? なので、5度、4度、チェックのために8度、と繰り返す。
たとえばA-E間は5度だが、片方だけオクターブを上げたE-A間は4度の関係なんで、A-Eを鳴らして合わせ、次に上にずらしてE-Aを鳴らして合わせ、そのあとオクターブのA-Aをチェックする、という風にしている。
5度で音をずらしていく 5度圏 って、わたしが初めてふれたのはジャズのコードを知ろうとした学生時代だった。Ⅱ-Ⅴ(ツーファイブ)進行ね。繰り返していくと12の全ての音が現れるのが面白かった。これを知ってからというもの、ピアノの指ならしをするときはⅡ-Ⅴ進行の順で12の調(端折って長調のみ)のスケールと7thコードのアルペジオを弾くようになったよ。
古典音律を勉強して5度圏が出てきて、こんなに歴史のあるものだったのかと感動したのだけれど、順番が逆だったね。
音楽の世界は むかしといまがつながっているんだな、とジーンときたのだった。
チューニングメーターに頼らないヴェルクマイスターⅢチューニングに最近やっと慣れてきたので、そろそろ違う音律も練習せねば、出来れば3度メインのタイプのを、とは思っている。
それで、国立音楽大学楽器学資料館の「世界の音階と音律」を見れば、もしかしてググッと理解が深まり さかさかチューニングが出来るようになったりして !? なんて思ったりしなくもなかったのだが、そんなに甘くなかったね!
楽器学資料館にはオンド・マルトノの10分講座を見に来た音大生も何人かいて、ついでに資料館を見学していた人もいた。
わたしが「世界の音階と音律」コーナーを見ているときにその場に来ていた音大生もいて、資料館の人に、平均律じゃない音律って知っている?とか訊かれて、知らないと答えていた。 知らないか~
世の中には平均律以外の音律も存在するよ、というチラ見せの展示が正解なのかもね。
「世界の音階と音律」はわたし的にはちょっと不満が残ったが、オルガンとスクウェアピアノがとても面白かったので良しとしよう。
今度は違う楽器の10分講座を見たいです
さて、本当の目的は「世界の音階と音律」だったはずだ。
期待していたのだが、う~ん、世の中には平均律以外の音律も存在するよ、に毛が生えた程度の展示。
とはいっても音律の話をしようとすると、物理や歴史について説明せざるを得ないし、簡単に聞き分けられて理解出来るものでもないし、仕方がないのかもなあ、とは思った。
ピタゴラス音律や純正音律の話をするのに不可欠なモノコードも置いてあったが、手作りっぽくてこまがぐらぐらしていて音程が定めにくい感じで、これで説明するのはちょっと難しそうだった。
パソコンといくつかのキーボードが繋がれているセットがあって、代表的な音律一通りから音律を選んでそれぞれのキーボードに振り分けて鳴らすことが出来る。
それぞれのキーボードから同じ音を同時に鳴らすと、微妙に高さが異なってうなりが出たりする。これで、ああ、音律によって音の高さがビミョーに違うんだな、と実感することはできる。 あ、基準の音は同じ高さだからうなりは出ないよ。
1オクターブ上の音は周波数が2倍。もうこれは絶対だ。大きい波の中に小さい波がぴったり2個はまって気持ちよい。
では1.5倍にするとどうなるか? たとえばCを1.5倍すると気持ちよい5度のGだ。これは弦や管をいじれば分かる。昔の人もさっさと分かっただろう。
更に1.5倍すると2.25倍になって、オクターブがひとつ上になってしまうので、同じオクターブにおさめるために1/2すると1.125倍になる。たとえば5度のGを1.125倍すると2度のDになる。
この操作を繰り返していくと12個音が出来て、12回め(つまり13個め)は約2.027倍になる。ピッタリ2倍にならない。不都合な真実である。音を出してオクターブが合わないなんて、気持ち悪すぎて演奏できない。
それでちょっと縮めてぴったり2倍におさめるわけだが、どうやると具合がよいか、という試行がいろいろあり、縮め方、つまり音律が何通りも存在する。
ピタゴラス音律の5度はとても気持ちがよいのだけれど、3度と一緒に鳴らす長三和音、たとえばドミソ、はちょっとだけ濁る。波長が単純な倍数の方が気持ちよいから、81/64=1.265625だとちょっとねえ(ちなみに3度は4回目に出てくる)。
長三和音の響きのよい音律が純正律だ。純正律の3度は5/4=1.25だ。シンプル。でも純正律の全ての音で響きがよいわけではない。やっぱり不都合が存在するんだよね。あ、純正律の5度とピタゴラス音律の5度は同じです。
★ 👈 音楽再発見100エピソード 4:5の美しい響きを求めて実験!3度の響き ほら平均律、ピタゴラス律、純正律の3度の間隔が違うでしょ、っていう短い動画。
世にいくつも出た音律で同じ曲を演奏したら このように響きや印象が変わる、という動画をアップしている方がいる。
★ 👈 Shin3 の動画チャンネル
「私は「音律が作曲家の想像力にどのような影響を与えるか」という点に、特に大きな興味と問題意識を持って活動しています。音律の違いは、音楽的な世界観の違いとして現れます。それぞれの世界観はそれぞれ尊重されなくてはなりません。世の中の音律が多様化することで、より豊かな音楽世界が育まれていくものと信じています。」概要より
曲を聴き比べてじっくり味わわずには音律の違いを知ることは出来ない。
思いっ切り端折って現在は、響きに難がとか一部の人にいわれつつも、均等に縮めた平均律が一般的に使用されている。
コンテンポラリーでポピュラーな音楽で 基本的には平均律を使いながらも、曲中のコードの響きの濁りを減らしつつ 矛盾が少ないように展開し 見事におさめたのが、若き天才ジェイコブ・コリア―だ。
★ 👈 Hideaway – Jacob Collier
これを聴いて どう上手いことやったか すぐに聴き取れる人ってそうそういないんじゃないか。
Nomad Diary Jacob Collier(ジェイコブ・コリアー)がスゴい。インタビューを要約・考察してみる 日本語、分かりやすい。
★ 👈 Interview: Jacob Collier (Part 2) June Lee
上記のジェイコブの動画 Hideaway の種明かしです。
ジェイコブの楽しそうに話す姿、いかにも簡単に音が体から出てくる様、ああ、天才ってこういうんだ、というのが見られるだけでも美味しい。いや、話の内容が刺激的なんですがね。
音楽の世界は むかしといまがつながっているんだな、と壮大な気持ちになる。
ピタゴラス音律のまえから民族音楽というのは存在して、それぞれに音階はあった。それはどうやって出来たか?というのはテトラコルドで説明できるものが多いそうだけど、それは不勉強なのでパス。
展示に話を戻す。パソコンといくつかのキーボードが繋がれているセットの隣に、うなり、という連想からか、ガムランに使うガンサが2台置いてあった。
これは 浜松市楽器博物館で体験した!
微妙に異なる音程にチューニングした同じガンサ2台がペアになって、半拍ずらしで演奏すると、よく響く青銅の音色にうなりが出て気持ちがよいのだ。
★ 👈 Hujan Mas Kotekan bali musik tradisional Arsa Wijana Bali Art
ああ、それにガムランの音階も平均律とは違うよな。音楽理論 ざっくり解説 ガムラン前編
なにしろ国立音楽大学楽器学資料館内の写真が撮れなかったので、学内の宮地楽器で買ったパンフルートの写真なんぞを載せてしまう。
平均律の7音音階の管を並べるとこうなるよ。ポルタティーフオルガンのパイプもこんな風に並んでいるな。
音律の話に戻すと、わたしのアトラスチェンバロは一応ヴェルクマイスターⅢでチューニングしている。多分。
うちで誰かと合奏する機会もないし、最近はチューニングメーターを使わずになんとかやっている。400年まえにチューニングメーターはなかったはずだし。
チェンバロ大辞典 ⅩⅢ部の最後に載っている割り振り表を参考にしている。あくまで参考。本来はうなりのテンポを数えないといけないのだが、基準になる音の周波数が合ってなければうなりの速さは異なるはずだし、そもそもうなりが聞き取れないんですよ、あたしゃ。
ヴェルクマイスターⅢにはきれいにハモっている5度が8つと わずかにハモっていない5度が4つ混じっているのだが、わずかにハモっていない5度のしわよせをだいたい同じくらいにして、わずかにハモっていない5度の音のとる3度の間隔が あまりずれないように調整する。ヴェルクマイスターⅢの3度で完全にハモっているものはありません。
具体的な話をする。基本的には5度を利用して合わせていき、時折3度の響きをチェックする。耳に心地よいのは純正ということにして、トータルで5度は狭く3度は広くせざるを得ないが、それぞれの間隔が純正に合っているか、広いか狭いかを聴き分けることになる。
まずA-Eをぴったり合わせ、そのEを使ってE-Bもぴったり合わせる。
次に、さっきのAを使ってA-Dを少しだけ狭く合わせ、そのDでD-G、そのGでG-Cをどちらも少しだけ狭く合わせる。その狭さがだいたい同じようにする。
ここでチェック。最初に合わせたEとさっき合わせたCの3度がどうか、GとBの3度の間隔はどうか。G-Bの方がC-Eより広い。つまりC-Eの方がG-Bより響きがよい。
さっき合わせたCに戻ってC-Fをぴったり合わせる。このFを最初のAと鳴らして3度の響きをチェックする。C-Eと同じくらいのずれにする。
Fに戻り、ぴったり5度でF-B♭、B♭-E♭、E♭-A♭、A♭-D♭、D♭-F♯、と合わせていって、B♭、E♭、A♭、D♭、F♯を決める。
ここでチェック。F♯と先に合わせたBの5度だ。この狭さが 先に合わせていたA-D、D-G、G-Cの狭さと同じくらいになっていればよい。
そして、まえに合わせたDとF♯の3度もチェック。さっきチェックしたG-Bと同じくらい広ければよい。
まあ、一発では合わないのでモガモガするが、最初のA-D間の狭さをどの程度にするかがポイントだ。狭すぎても 広すぎてピッタリ1.5倍になっちゃってもダメ。
1オクターブの12音が出来たら、それぞれの音のオクターブ上や下に合わせていく手順のはずだが、わたし、オクターブチューニングがまた苦手なんだ。波が2倍って許容範囲が大きくない?? なので、5度、4度、チェックのために8度、と繰り返す。
たとえばA-E間は5度だが、片方だけオクターブを上げたE-A間は4度の関係なんで、A-Eを鳴らして合わせ、次に上にずらしてE-Aを鳴らして合わせ、そのあとオクターブのA-Aをチェックする、という風にしている。
5度で音をずらしていく 5度圏 って、わたしが初めてふれたのはジャズのコードを知ろうとした学生時代だった。Ⅱ-Ⅴ(ツーファイブ)進行ね。繰り返していくと12の全ての音が現れるのが面白かった。これを知ってからというもの、ピアノの指ならしをするときはⅡ-Ⅴ進行の順で12の調(端折って長調のみ)のスケールと7thコードのアルペジオを弾くようになったよ。
古典音律を勉強して5度圏が出てきて、こんなに歴史のあるものだったのかと感動したのだけれど、順番が逆だったね。
音楽の世界は むかしといまがつながっているんだな、とジーンときたのだった。
チューニングメーターに頼らないヴェルクマイスターⅢチューニングに最近やっと慣れてきたので、そろそろ違う音律も練習せねば、出来れば3度メインのタイプのを、とは思っている。
それで、国立音楽大学楽器学資料館の「世界の音階と音律」を見れば、もしかしてググッと理解が深まり さかさかチューニングが出来るようになったりして !? なんて思ったりしなくもなかったのだが、そんなに甘くなかったね!
楽器学資料館にはオンド・マルトノの10分講座を見に来た音大生も何人かいて、ついでに資料館を見学していた人もいた。
わたしが「世界の音階と音律」コーナーを見ているときにその場に来ていた音大生もいて、資料館の人に、平均律じゃない音律って知っている?とか訊かれて、知らないと答えていた。 知らないか~
世の中には平均律以外の音律も存在するよ、というチラ見せの展示が正解なのかもね。
「世界の音階と音律」はわたし的にはちょっと不満が残ったが、オルガンとスクウェアピアノがとても面白かったので良しとしよう。
今度は違う楽器の10分講座を見たいです
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