≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

博物館明治村へまた行った。その4(宇治山田郵便局舎)

2023-04-20 17:35:28 | 展覧会に行った話
博物館明治村へまた行った。その3(鉄道寮新橋工場(機械館)) よりつづく

まえに明治村を訪れたときは修理中で見ることが出来なかったので、期待が高まる。約4年にわたる修理工事を終えて2022年11月3日より一般公開 だそうだ。オープンしてまだひと月くらいで見ることが出来た。
シンメトリーな姿が印象的だ。  ←明治村HP 宇治山田郵便局舎

明治42(1909)年に伊勢神宮外宮前に建てられたそうだ。右手前のアカマツがなんとなく伊勢神宮っぽい。

伊勢神宮なら数カ月前に行ったぞ!
伊勢市駅から外宮にまっすぐつづく参道を歩いて外宮手前まで来ると、おしゃれな建物とその隣に郵便局があるのが見えた。そのおしゃれな建物はコの字型に配され、フランス料理レストランチョコレート専門店旅行会社 が入っているようだ。敷地入口には背の高いアイアンの門扉があり、扉の柵から見える中庭が素敵だ。
その建物は 逓信館(旧山田郵便局電話分室)だそうで、宇治山田郵便局舎 が手狭になって大正12(1923)年に建てられたのだそうだ。今となりに建っている郵便局の場所に、移築するまえの宇治山田郵便局舎があったらしい。両方並んでいたら壮観だったろうな。



宇治山田郵便局舎の正面から入ると円形のホールがあり、V字型に左右の翼につながっている。
円形の天井を眺めるという体験はわたしの日常にはないのだが、そういえば トーハクの表慶館の中央ドーム とか 東京駅の南北のドーム とか、見上げて ほええ~ と口を開けてしまう感じを思い出す。どちらも明るい色合いなのも似ているな。

目線を下げると 柱に沿って郵便窓口のカウンターが弧を描いているのだが、写真を撮り忘れた。HPの写真だとよく分かる。


カウンターの弧に 玄関寄りの壁も連なって円形が完成している。壁には扉などが嵌められていて、その建具も微妙にカーブしている。手の込んだ仕事だ。さすがにガラスは湾曲していないけれど。





私書箱。中身が入っているか開けなくても見える仕様。私書箱は湾曲している !?






私書箱の左隣りの扉を抜けると応接室があり すぐの扉を抜けると私書箱の反対側が見える。そしてそこは建物の向かって左の翼と ドームの下が合わさった広い一つの空間だ。
そこで日本の郵便事業の歴史について展示されている。

懐かしい丸ポスト、と一瞬思うがちと違う。

レリーフが彫り込まれているし、「郵便」が右からだ。
蛇足だが、横書きが右からなのは、縦書きの手法にのっとっているから。



キャプション。







ボリュート。ドーム両側の角塔の上のとんがり付き丸蓋の下を飾っていた。今ついているのはレプリカだろう。
ボリュートといえば建築装飾の渦巻飾りの意味があるが、それ以外にギターのネックとヘッドを補強する構造のことも指していて、むしろわたしはそちらの話の方を夫から聞いていたので、へえ!渦巻き! と思って写真を撮った次第。






玄関入ってすぐ右の電報配達人控室。ベンチに座って待っていると小窓から電報を渡されて配達に行く、ということか。



宇治山田郵便局舎の見取り図。こうして見ると、ずいぶん変わった形をしている。
日本郵政HP 重要文化財旧伊勢郵便局舎(宇治山田郵便局舎)保存修理事業(pdfファイル) より抜粋

電報配達人控室のほかに、建物向かって左の翼には集配人控室が、右の翼には交換手控室がある。宿直室も 集配人、局員、工夫用とで3室ある。
左の翼の現業室と集配人区分室のさかいに壁はなかった。
右の翼は左とは異なり いくつもの部屋に分かれている。端の切手倉庫の防火対策が見ものだったが写真を撮り忘れた。下の方の赤星リンクを見てください。
今は電報は電話局の仕事になったが、電報のみならず電話交換もかつては郵便局で行っていたらしい。それらの仕事は右の翼に集まっていたようだ。
宇治山田郵便局舎が建てられてから14年後に電話事業が別棟の逓信館(旧山田郵便局電話分室)に分かれたのは先に述べたとおり。


茶の湯的 ・ 建築 庭園 町並み観賞録 旧宇治山田郵便局舎(博物館明治村簡易郵便局) ~愛知県犬山市~ が分かりやすい。修理工事前なので外壁の塗装の色が違うけれど。


明治村HPの宇治山田郵便局舎ページ をスクロールすると、移築解体時に現れた当初の姿という写真がアップされている。
移築まえ、移築後、修理後と姿を少しずつ変えているようだ。最新の姿がいちばん建てられた当時に近いのだけれど。



修理工事についてのキャプション。  ←明治村HP メイジノオト 現存する最大の木造郵便局舎「宇治山田郵便局舎」がリニューアル公開!


耐震補強、銅板屋根の取り替え。


銅板屋根の取り替えのつづき。青写真にはボリュートも描かれている。


木部修理。


塗装修理。

古い建物を正しく修理して見学できる状態にするというのは とても手間のかかることなのがよく分かった。



   博物館明治村へまた行った。その5(六郷川鉄橋、他) へつづく




 

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