育毛の効果の出方の話になるので、前回の続きになります。育毛相談を承り育毛の指導していても必ず出てくるのが「抜け毛」に関する内容です。
多くの方は「抜け毛」が減ることが良くて、「抜け毛」が増えることは悪いことだと思っていますから、抜け毛の増減で判断して間違えるのです。
【抜け毛って何なのか知ってる?】
抜け毛に関して書いている私も、抜け毛のことは気になりますから、「抜け毛とは何のか?」を知らない一般の方々や薄毛になっている人にとっては気になって仕方がないでしょうね。
抜け毛の良し悪しを言う前に、抜け毛って何なのかが分からないと「毛が抜けるのが嫌だ」とか「抜け毛が無くなって欲しい」とか、抜け毛に関して嫌なイメージしか持てないですよね。
それでは、抜け毛とは何なのか?簡単に一言で言いましょう。
抜け毛とは成長期を終えた毛が抜けることです。
簡単でしょ。毛には成長期があり、その成長期を終えると嫌でも抜けるのです。そして新しく生え替わっているのです。これが抜け毛の正体です。
ただし、毛の成長期は個人差が激しく、3年くらいの人から10年以上伸びる人までいて、かなりの個人差がありますので、絶対に○年伸びるとは言えないのです。抜け毛の本数に個人差があるのはこの為でもあります。
また、脱毛症のように成長している途中で、何らかの原因でバサっと抜けてしまうこともあります。その場合は、その何らかの原因が解決されると、発毛してきて元の成長期を全うするまで伸び続けます。
これ以外にも、成長期を全うせずに抜ける原因があります。薬による副作用・極端な食事制限によるダイエット・ホルモンのバランスを崩す・脂漏性湿疹皮膚炎等の皮膚の病気・頭皮に炎症(火傷)を起こす等々異常な心身・皮膚になった場合には成長途中で抜けてしまうことがあります。
【10年間毎日抜け毛を数え続けた女性】
あるお電話の女性のご相談者でした。
「毛が抜けて無くなるのが怖いので、毎日洗髪時に排水溝にガーゼを敷き抜け毛を集めて、抜けている本数を数えている。もう10年くらいになる。このままだと私の人生は抜け毛で終わってしまう。抜け毛の本当のことを教えて欲しい。」と言う内容でした。
私は「10年も毎日抜け毛の本数を数えるなんてすごい根気ですね。それで、毎日抜け毛を見ていると分かることがありますよね。何が分かりましたか?」とお聞きしたのです。
「10年抜け毛を数えて分かったことは、抜け毛が増える季節もあり減る季節もあること、抜けている毛の中身に大きく変化はなく、常に太目で長目の毛ばかりが抜けていること、抜け毛の本数は季節による変化と他にも増える時もあれば減る時もあり、あまり異常な差になることはないですね。」とお答え頂きました。
私は次にようにお答えしました。「抜け毛の変遷に大きな問題はないようですが、10年前と今とで毛の本数が減ったとかありますか?」
「いえ、10年前と今とで毛の量が減ったと言うことはありません。」とのお答えです。
私は「それなら問題ないですよ。抜け毛とはそう言うものなので、気にされることはないですよ。それより、その根気強さを他に活かす方が良いじゃないですか?」とお答えして電話を切りました。
【抜け毛が減ると髪の毛も減る人】
私も育毛相談と言う仕事を始める前は、多くの人と同じように「抜け毛が増えれば毛が減る」とか「毛が抜けたらハゲになる」なんて思っていました。
ところが、実際に育毛のご相談を受け相談室で育毛のケアを提供していると、毎回相談室に来てケアをお受け下さる人の中には、常に抜け毛が多い人がいらっしゃるのです。
いつもいつも抜け毛が多いけど、薄毛が進行していないので不思議に感じていたのです。ところがある時、「あれ!今日は薄毛が少し進行したな」と感じた時に洗髪すると抜け毛は減っているのです。
「え!抜け毛が減って毛が増えるなら分かるけど、抜け毛が減って髪の毛の本数も減っているじゃないか!どうして?」と思ったのですね。その方が次にいらっしゃった時には、進行した薄毛は元に戻っていました。その時にいつも通り洗髪した時に抜け毛を見ると、元の本数に戻っているのですね。
この時分かったのが、「抜け毛とは生え替わる本数のことなんだ。」ですね。抜け毛って何なのか?で書いたような原因が無い限り、人の髪の毛は総本数を維持する為に「抜けて生え替わる」を繰り返していると言うことですね。
だから、「あのご相談者の方の場合には、抜け毛が減ると本数が減っていたのだわ。」と言うことが分かったのです。
あのご相談者の方が薄毛になっていたのは、抜け毛の増減ではなく生え替わって来る毛の太さや成長期だったのでしょうね。
【髪の毛は抜けながら減るけど、抜けながら増える】
髪の毛には、生え替わるサイクルがあり、それに沿って抜けて→発毛して→成長して→抜けて→発毛して→成長してを繰り返しているのです。
と言うことは、抜けるのは必然ですし、抜けた毛は生え替わってくるのも必然です。
これで分かるのは、抜けながら減るけど、抜けながら増えると言う当たり前のことですね。
髪の毛が増えるのか減るのかに関わっていることは、抜け毛じゃないと言うことですね。
【抜け毛の本数は何で決まるか?】
気になるのは抜け毛の本数ですね。じゃ、何本くらい抜けるのが正常で何本くらいなら異常なのか?ですね。受験勉強の弊害の一つなんでしょうけど、その答えを知りたがる人は多いでしょう。
実は、正常な抜け毛の本数とか異常な抜け毛の本数はないのです。あるとすれば、個人個人の抜け毛の本数に違いがありますから、個人の中では正常な抜け毛と異常な抜け毛はあります。
現実の事例では、多い時で洗髪時に50本前後・少ない時で30本前後の抜け毛がある方がいらっしゃいます。この方にとっての洗髪時の正常な抜け毛とは40本前後で異常な抜け毛とは10本前後か100本前後です。
違う事例では、多い時で洗髪時に5本前後・少ない時で2本前後の抜け毛しかない方もいらっしゃいます。この方にとっての洗髪時の正常な抜け毛とは4本前後で異常な抜け毛とは10本前後です。
これだけの違いが出るのは、維持している毛の総本数と成長期です。総本数が多い人は生え替わる本数が多いので抜け毛も多くなりがちです。成長期が長い人は生え替わる本数が少なくても総本数を維持できますから抜け毛も少なくなります。
総本数が少ない人は生え替わる本数も少ないので抜け毛は少なくなり、成長期が短い人は生え替わる本数が多くなるので抜け毛も多くなります。
それでも何本抜けるのが平均なんだ!と聞きたい人もいるでしょうから、無理やり出すと、洗髪時の抜け毛は少なくなる季節には10本~20本くらい、多くなる季節には20本~30本くらいではないか?と思います。絶対値ではないですよ。あくまでも無理やり出した平均値です。
【薄毛と抜け毛は無関係】
結論として、抜け毛と薄毛は無関係なんですね。もしあるとすれば抜け方くらいのもの。どの季節に・どんな毛が抜けているか?どんな抜け方をしているか?その抜け毛はどんな変遷を辿っているか?これらを見ないと何の判断材料にもなりません。
なにわともあれ、まずはご自身のことを知りませんか?抜け毛が減って薄毛を治せなくなっている人がご相談にいらっしゃいます。以下のページからご相談下さいませ。