薄毛の原因は男性ホルモンだけではありません
先日、未成年者の方からのご相談がありました。そのご相談の中に「生え際から毛が細くなって短くなっているからAGAだ!」と言うような記述がありました。たぶん、いろんなページでそんなことを書いているので、ご自分の薄毛を男性ホルモンの影響だと決めつけているわけです。
本当にそうでしょうか?
未成年の場合に私が相談室で見ている限りでは、生え際が本当に薄くて後退しているな?と感じるのは、10人のうち2人か3人です。7人から8人の人は単に変化しているだけか、勘違いしているだけでした。
生え際ばかりを気にして全体が薄い
以下の写真の男性は数年前にご相談にいらっしゃった20歳の方ですが、生え際が気になるとご相談にいらっしゃいました。この生え際のどこが気になるのか?お聞きしたところ、「ここが1ミリか2ミリ後退したのです」とおっしゃいます。1ミリ2ミリ後退したって、どのように計ったの?とお聞きしたところ、「見ていれば分かるのです。」とのこと。
このブログを読んでいる「あなた」が見て、どこが後退したと思いますか?本人は1ミリ2ミリと訴えています。どの部位が1ミリ2ミリ後退したのでしょう?
私には分かりませんでした。
ところが、この男性の頭皮の全体を見てみると(写真はありますが、全体だと誰か分かる可能性があるので公開しません)、生え際が問題ではなく前頭部の分け目の部分とつむじ周辺の方が怪しかったですね。
で、この男性は都内の発毛クリニックに相談に行ったそうです。病院でも何ら問題ないと言われたらしく、私のところにご相談にお越しになったのです。
完璧に生え際に関しては、変化か勘違いの部類です。
ところが男性ホルモンに決めつけ薬を飲む
ところが、薄いと言うだけで男性ホルモンの影響だと決めつけて薬を飲もうとする人が多いこと多いこと、とても恐ろしく感じています。
この記事の最初に紹介した男性の方の問題は、まず間違いなくストレスが大きな問題になっていました。ストレスが問題になっているのに、男性ホルモンに決めつけていると短絡的に薬に行きつきます。
他の男性のご相談者の話ですが、同じように男性ホルモンに決めつけ薬を渡り歩いていました。そして、ご相談にいらしたのですが、薬の副作用で毛を無くすのか、薬の影響が無くなって毛が増える方になるのかのきわどい時期に差し掛かっています。
たぶん、ここ4ヵ月でそれがどちらかが分かります。
と言うように、薬に頼るとニッチもサッチも行かなくなることがある上に、体にはとても負担がかかるのです。
薄毛の原因は、男性ホルモンだけではありません。多くの男性は多かれ少なかれ誰でも性ホルモンの影響を受けていますが、薄くなる人とそうでない人がいて、薄くなる人でも程度の差が大きくあります。
それを一絡げに薄毛の原因を男性ホルモンに決めつけて、短絡的に薬に走るのは人生を棒に振ってしまう可能性もあると言うことです。
ですから、問題点を間違わないことがとても大切で、男性ホルモンに決めつけている人の話は、嘘が多いか薄毛の問題点を知らないと思った方が良いのです。
そして、いつも聞かれることがマスターベーションや性行為と薄毛の関係です。
男性ホルモンの分泌が増えれば、男なら誰だってマスターベーションや性行為をしたくなります(要は射精をしたくなるのです)。
同様に
男性ホルモン(テストステロン)は5αリアクターゼ2型の還元酵素の影響で、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換します。これだけでは薄毛にはならないことを覚えておいてください。ですからジヒドロテストステロン(DHT)は脱毛ホルモンではありません。
いずれの場合も「→」方向だけで「←」はないのです。
・男性ホルモンが増える→精子の生産量が増えて射精をしたくなる
・男性ホルモンが増える→ジヒドロテストステロン(DHT)が出来る
精子の生産量が増えて射精をしたくなるのものジヒドロテストステロン(DHT)はできるのも、元が同じだけの話で、精子の生産量がジヒドロテストステロンに影響を与えることはないのです。
また、ジヒドロテストステロン(DHT)は、標的遺伝子の影響で角化細胞成長因子にもなるし、角化細胞抑制因子にもなります。どちらになるかは、遺伝子の影響の仕方次第ってところでしょう。
これら男性ホルモンの話は、「毛髪科学最前線」を参照しています。
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