びまん性脱毛症と広汎性脱毛は似ているけど、根本的に大きく違う。

びまん性脱毛症と診断された

先週いらっしゃった女性のご相談者の話。年齢は不詳とさせて下さい。この女性に限らず、女性の薄毛と言うと、びまん的（全体的に）に抜けて薄くなることが多いので、皮膚科ではびまん性脱毛症と診断されることが多いようです。

新聞の女性向けの育毛剤の広告でも、同じような記述をしているのを時折見かけます。

で、本当にびまん性脱毛症なんでしょうか？

私の経験上、今までびまん性脱毛症と感じた女性は2名です。

お一人は心に問題を抱えていましたし、もうお一人は体に問題を抱えていました。

大きな問題は頭皮にあるのではなく、心や体にあるのです。
心や体に問題があって血の巡りが制限されることで、毛が途中で成長しなくなって全体的に抜けおちるのです。その後、血の巡りが回復しなければ生えてこなくなります。

生えてこなくなるので、短期間＝1年か2年で急速に毛の本数が減っていきます。
抜ける毛の毛根は膨らんでいません。

びまん性脱毛症の人は、ご自身を変えないと駄目なのに、ご自身を変えることに抵抗する人が多いので、毛を無くしてから後悔するようです。
心と体が悲鳴を上げているサインなので、早めに心身の健康を取り戻すケアに取り組んで欲しいと思います。

広汎性脱毛も全体的に抜ける

びまん性脱毛症と同じように、全体的に抜ける脱毛としては広汎性脱毛があります。一見同じように見えますが、根本が全く異なります。

広汎性脱毛は、頭皮＝毛根に問題があるのです。
毛を支えている部位に問題があって、支える力が極度に低下し（角化する）ちょっとしたことで抜けてしまうのです。

洗髪時に大量に抜ける場合とドライヤーを当てているだけなのに大量に抜ける場合もあり、両方で大量に抜ける場合もあります。櫛でとくだけでブツブツっと大量に抜ける場合もあります。

大量に抜けますが、頭皮＝毛根に問題があるだけなので、毛自体は生え変わってきます。生え変わってきますが、成長しなくなる毛にしか生え変わって来ないので、何年もかかって段々と薄くなっていきます。

抜ける毛の毛根は、白っぽくなってシッポのようなもの付いてくるのがほとんどになっています。
アレルギー体質の人の場合は、白っぽい毛根が多く同一にはできないので、毛根を見る場合には注意が必要です。

ご相談者の女性は、完全に広汎性脱毛

先日いらっしゃった女性の場合は、完全に広汎性脱毛なので、ケアのやり方さえ間違えなければ、段々と十分成長する毛に変わってくるので難しくはありません。

ところが、女性の場合に大きな問題があるのです。

それは、広汎性脱毛の原因になっていることを排除できないことが多いのと、抜け毛が減れば安心してしまってケア自体をしなくなることです。

女性の生え変わりのサイクルは男性の倍くらいに長いので、広汎性脱毛のような毛が多くなっている場合には、6年以上の時間の経過があってのことだと言うことを認識していないのです。

角化している毛根が無くなれば抜け毛が減りますし、放っておけば抜け毛は減っていき角化した抜け毛ばかりになり、確実に薄くなっていく慢性状態になる場合もあります。

角化した毛根が無くなっても毛を育てる力が戻ったわけではないので、抜け毛が減っているのに毛が育たない状態が慢性化していきます。

放っておく場合には触るだけで何の抵抗もなく抜けるので、触ることが怖くなり何もできない状態になっていきます。何もできなくて毛が減らなければ良いのですが、確実に毛は減っていくのです。

広汎性脱毛の場合は、初期の頃に2年か3年くらいはちゃんとケアに取り組んで欲しいですね。
そすれば、良質の毛が育つ様になってくるのにと、いつも思います。

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