我が家の主力アンプのSANSUI AU-D907F及びAU-D707F Extraの製造メーカーである山水電気株式会社が、今年(H24)の5月15日をもって東京地方裁判所の民事再生手続の開始決定を受けたとのニュースをネットで知りました。
悲しいお知らせの詳細はこちら => 山水電気 お知らせ
既に同社では製品の生産は10年以上前に終了しており、細々と修理等の対応をしていたようですが、この度、会社そのものが消失することとなりました。
寂しさを感じていたその4日後の19日に、我が家のD907が再生中に突然音が途切れ、不覚にもボリュームを最大にしてしまった刹那、ボンネットから白糸の滝のような白い綺麗な煙を上げて、全く音がしなくなりました。
今後の参考とするために状況を少し書き留めます。
・朝からアナログレコードの取り込みをしていた。
・良くないと知りながら、1台のスピーカーに複数のアンプを接続した。(アンプのスピーカーセレクタを確実に排他的にすればよいと考えていた。)
・午後当たりから、いつもと違う電化製品の焼けたような臭いを(今 思えば)感じていた。
・夕方から、友達と行うバーベキューを行うための準備をしながら、オーディオプロセッサー経由でラインインからの音源(本日友達に聴かせるためにWAV化したもの)を再生したところ強い歪みを感じた。
・同じプロセッサー経由で別の日に作成した音源を再生したところ、問題がなかったことから、本日の音源のデジタル化での不調と考え、PC内の音源(コルトレーン、サラボーン、マイルスデイビス等のJAZZ)をBGMにして、バーベキューの最中2時間程度問題なく再生した。
・友達が持参した、「マグマ大使」「あっぱれだいさく」「仮面の忍者赤影」「怪傑ライオン丸」等(笑)の「レア」な音源を私のオーディオセットで聞きたいとの要望で、持参したMP3プレーヤーから、アンプのAUX経由で入力したところ、酷い歪が再び発生
・MP3プレーヤーのボリュームを歪みの少ない中間程度に調節したところ、音が非常に小さかったことから、「HiFiの名が廃る」と酔った勢いで「右巻き最大」にしたところ
・受話器から大声で怒鳴っているような「だみ声」が聞こえた刹那、白い煙がたなびいたため、慌てて電源を遮断した。
という状況です。 友達の音源の話は、どうでも良かったですが(爆笑)
早い話が深酒で「朦朧とした状態」での無茶苦茶な操作で、もともとアイドリング電圧等が不適のアンプに最大電流を流したことが原因かと
翌日、二日酔いを朝風呂で治して、分解した写真です。
他の部分にはわき目も振らず、ヒートシンクを取り去り、パワーアンプの基板を観察すると、案の定、左側の抵抗器が1本真っ黒に焦げていました。
拡大した写真です。
AU-D907Fは、パワーアンプ基板が、手前の水平の基板と奥の垂直に立った基盤と2分割となっており、左右独立の回路となっているようです。
焼けた抵抗は右チャンネルの同じ部位の抵抗から1Wの150Ωの抵抗と思われます。
焼けた抵抗の他、異常個所が無いかと観察していたところ、黒いセラミック状の破片が落ちていました。
ん!これはパワートランジスタではないか!やばいぞ!
と裏返して、パワーアンプを見ますと、案の定 左側のトランジスタが破損しています。
どうやら、内部のパンクによる膨張で割れ落ちたようです。白いシリコンシールの一部が黒く見えるのは、覆った下部が焼けたものと推察します。
このアンプに関しては、製造会社の山水電気はなくなっても何としても温存したいアンプなので、これからの修理は、何としても失敗が許されません。
慎重の上に慎重を重ね、作業は頭の中で何回も練った上で、遠回りをすることなく行わなければなりません。
幸い、整備書はアメリカ・カナダのAU-D919用を持っています。
D907とは違いますが、年代も比較的近いので、大変参考になるでしょう。
明らかに不良の部品 150Ωの抵抗と左チャンネルのパワートランジスタ(2SC1216と2SC2922)を先ずは除去しました。
幸い、どちらの部品も容易に入手できました。
本来であれば、それを装着して、テストすれば良いのですが、今回は、
抵抗が焼けたのは、過大な電流が流れたため
=>過大な電流が流れた原因が不明
=>この状態で新調したパワートランジスタを装着すると再びトランジスタが昇天 =>おしゃか か、多大な出費 も容易に予想され
=>おいそれと手が出せない 状況
以上がこれまでのいきさつと現在の状況です。
今回のこの記述は、ある自分勝手な事情を持って記載しています。
先にも書きましたが、失敗は許されないので、確実な作業をしたいのです。
訳が分からずに作業ができませんので、先達の意見・所見を参考にしようと目論んでいます。
身近な先達の目当てもないことから、先ず、状況を詳しく記載し、先達の方々のHP等で質問して回答を得たいと
はっきりいえばそういう算段なのです。
先達の皆様、どうかこの未熟者にお助けのお知恵をよろしくお願いします。
現在、方針が分からず作業を躊躇している事項(疑問点)
【疑問1】 この抵抗が焼けたこと 1216パワートランジスタの破損と2922パワートランジスタのECB全て導通している状況から推察される他のトランジスタ、ダイオード等の破損の可能性の有無
【疑問2】 他の部品の破損の有無の確認方法について、全部除去した上で、テスター等で計測することが確実と思いますが、トラブルシューティングでより簡便な方法があるのでしょうか?
【疑問3】 そもそも、今回の原因はなんなんでしょうか? 朦朧状態で、アウトプット端子から入力し、ボリューム最大にした可能性も否定できません(馬鹿)
とりとめもなく恐縮ですが、よろしくご教示願えたら幸いです。
(追伸)
H24.05.26
焼損した抵抗150Ω 1Wを基板に装着し、ボリュームを絞り、恐る恐る電源投入したところ プロテクトは2秒足らずで解除されます。
150Ωの抵抗が22.3Ωになったということは、過大な電流が流れたことは事実だけど・・・終段トランジスタコンプリ1組をササッと付けて試したい衝動を抑えながら盆栽を眺めるみたいに日長一日D907と向き合っています。(苦笑)
(追伸)
D907のピンチヒッターでD707F Extraを使おうとしたら、MCヘッドアンプのボタンが入りっぱなしで、音が左チャンネルから蚊のなくような小さな音でNG
D707Fのイコライザーアンプ周りの修理情報についても併せてご教示いただける方からの情報を募集します。
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・釣り :一日幸福でいたかったら、床屋に行きなさい
一週間幸福でいたかったら、結婚しなさい
一ヶ月間幸福でいたかったら、良い馬を買いなさい
一年幸福でいたかったら、新しい家を建てなさい
一生幸福でいたかったら、釣りを覚えなさい (中国古諺)
・モバイルナビ :
・その他 : 友達、ガレージ整理 etc
さて、「907F Extra」の記事からお越しと思いますが該当のアンプは残念ながら現在手元にはありません。
縁あって修理を依頼されたのですが、手元にあれば共通点も多いようですので、何かとヒントのようなものをお伝えできるのですが・・・・・
「1台のスピーカーに複数のアンプを接続した」との内容から、どうやら極めて低いインピーダンスの負荷での動作になったのではないかと推測しています。
(他のアンプも同時に電源が入っていた?)
私の場合も修理に必要な部品が手に入ってもやはりいきなり電源を入れるような度胸はありません。
ドライバ段までの動作が問題ないことを確認出来てからでないとパワートランジスタを取付る気にはなりませんね。
方法としては、パワートランジスタなしで電源を入れて、ドライバトランジスタのエミッタ・エミッタ間の電圧が1.2V付近にあること、アイドリング調整用の半固定抵抗で1.2V付近が前後することを確認することにしています。
なお、大電流でパワートランジスタが破裂していることから、大電流を流す役目を担ったドライバトランジスタの良否も確認する必要があるでしょうね。
早速のご返事ありがとうございました。
やはりパワーアンプ終段(ドライバートランジスタ付近から以降)の全部品チェックの方向で検討します。
アンプの修理は全くの初心者で、信号と駆動電圧の区別程度のイメージしかつかめておりません。
トランジスタの駆動させるための電圧が1.2Vの件を更に理解し、少しずつ点検していこうと思います。
本日はありがとうございました。
また、あんぷりんさんのブログで、ご質問をさせていただきたいと思っております。ご負担にならぬよう配意いたしますが、余裕のあるときにでもご回答いただけますと幸いです。
ありがとうございました。
特に情報発信等というつもりはなく、アンプいじりの日記のようなつもりで始めたブログですので、内容や記述もそっけないようにお感じかもしれませんが、興味がおありでしたら、どうぞまたコメントお願いします。
私も電気に全く関係のない業種の人間です。
気候や時間を忘れ没頭できる知的な遊びを見つけたと喜んでおります。
組み立てキットが作れる位のスキルしかありませんので、あんぷりんさんのブログが大変参考になります。
っていうか、あんぷりんさんのブログを見て、自分もやってみようと決意したところです。
Lo-Dのコントロールアンプとパワーアンプで気を良くしたくらいでは、このサンスイは全く歯が立ちません(汗”)
今日は、パワーアンプの前段と後段の基板をとりあえず本体から離し、基板の部品番号と実装部品をエクセルで拾い出しをしております。
つぶさに見ると、金属皮膜抵抗のカラーコードが白く焼けているものがいくつか・・・
整備書がないと非常に厳しい状況です。
長文失礼しました。右チャンネルだけでも温存すべきだったのが悔やまれます。
稚拙なことをお尋ねすることもあろうかと思いますが、よろしくお願いします。
サービスマニュアルはAU-D11が907Fか707Fと同等品のようです。
hifi engineにありました。
http://www.hifiengine.com/manuals/sansui/au-d11.shtml
150Ωの抵抗はフィードフォワードアンプの出力にシリーズで入っているものだと思います。
(上記マニュアルの回路図kR68)
これが燃えたということは
kQ24 kQ25 kR57 kR58 kR59も怪しいのでチェックしたほうがいいと思います。
各部の電圧チェックにはみのむしクリップよりICクリップのほうが安全なのでお勧めします。
それにしてもなかなか厄介な故障になっていそうですね。
かなり部品を交換しないといけないかもしれません。
707Fexから着手したほうがいいかも…
貴重な情報ありがとうございます。
さっそくレジストを取ってダウンロードさせていただきました。AU-919のサービスマニュアルでは、調整方法等一部は参考となるものの、焼けてカラーコードが見辛くなった抵抗の値やダイオードの規格が不明でしたので、「感激」しました。
先のあんぷりんさんのご推察のとおり、D907を他のアンプから接続されたスピーカーに接続したことにより、大量の出力を流したことが故障の原因かと思っていますので、ご指摘のトランジスタも全て点検(交換)の可能性大です。
しかし、これらのトランジスタのうち多くが既に生産を終了している模様で、高騰したそれらを入手するか、同等品を検討して交換するかといった問題があります。
D707F Extraからの先に整備することも確かに「あり」ですね。
しかし、D707はMMカートリッジでは問題なく使用できるので、MCをしばらく辛抱して「温存」したいと思います。もう少しスキルを上げないとドミノ的にアンプを失いそうなので(苦笑)
最近は、トランジスタの互換性について、検討しています。ネット情報を参考に検討し、また、先達のご意見をお伺いするかもしれませんが、その節はよろしくご教示をお願いします。
小信号バイポーラトランジスタなら、わたしは2SA970/2SC2240が好きです。
ダメになったデュアルトランジスタをコレ2個に交換してしまったこともあります。
D707FexはMM/MC切り替えスイッチがダメになっているのかもしれませんね。
わたしはD707Xなら弄り回した経験があるのですが、この機種は分解が非常に大変で閉口しました。
スイッチの清掃もしましたが、元に戻すのに苦労しました。
Fexもサービス性はあまりよくないと聞いたことがあります。
スイッチまで手を入れようとするなら気合とか根性が必要かもしれません。
がんばってください。
タイムリーなコメント ありがとうございます。
先ずは、回路図が入手できたので、パワーアンプ基板の全ての部品の部品番号と規格を全て把握することができました。
全てのパーツについてエクセルに入力するという途方もない作業が終わりました。(苦笑)
そこで、bitstreamさんのタイムリーなアドバイス!
多くのトランジスタが生産中止となり入手が難しくなているようですね。
現状、次のように整理し、検討しております。
互換性があるようなのですが、①音の特性がはっきり分かるほど悪化しないか?②トランジスタのランクが明示されずに販売されている(通販)場合の問題 が分からず迷っております。
1 2SA899/2SC1904の代わりに2SA1360/2SC3423を使用
2 2SA992/2SC1845の代わりに2SA970/2CS2240を使用
3 初段FET μPA68Hの代わりに後継品のμPA68HA
と 把握しているものの、発注を躊躇している状況です。
あと、もうひとつ悩ましいのは、ダイオード類です。
ほとんど入手不可能で、代替品の把握の情報もありません。(考え方の方向すらない状況です。(苦笑))
ブログの更新は、ネットでの情報収集等で中断しておりますが、おってアップいたしますので、先輩諸氏のご教示をご期待いたします。
D707F Exですが、あまりのご高察に驚きました。
MCスイッチが、押し下がった状態から復帰しないのです。明らかにスイッチ周りにも問題があります。
しかし、これ以上手を広げると収拾が付かなくなるので、D707は後の手当てとするつもりです。
bitstreamさん、的確なご教示ありがとうございました。
先輩各位
トランジスタの互換性と、ランクの違いが与える影響について、ご教示いただけると幸いです。