BORN To RUN
~LIVE To RIDE RIDE To LIVE~ バイクの整備・ツーリングのお話です。
 




 新型コロナウィルス対策で、外出は控えましょうということですが、
 私は、休日といえば、前回の三重大王崎の釣行以来、近くの新疆にベトコンラーメンを食べに行った以外、数週間全く外出せず、ひたすらにガレージで細々と作業をさせていただいております。

 さて、今日はMONKYの整備2日目です。

 今日の作業は、キャブレターのガスケットが到着しましたので、組み立てて車体に装着し、エンジン始動を目指します。
 エンジンがかかれば、タイヤのチューブ交換、電装(ウィンカー)の修理になります。


 先週、酷い汚れとノズルの詰まりを通し、1週間、石油に漬けておきました。
 改めて、ブラシ・綿棒・割りばし等で洗浄をしました。

 特に、オーナーさんから、オーバーフローが酷いということでしたので、ニードルバルブとその受け側を徹底的に磨きました。
 綿棒を2つに切ってリューターに装着し、コンパウンド(ピカール)で磨きました。

 結構酷い汚れで、真っ黒になった綿棒を何度も交換しながら磨きました。
 今回初めて、綿棒+リューターを試してみましたが、結構使えると思いました。


 ガスケットを装着して組付け完了!
 多分、大丈夫でしょう(笑)

 ところで、このPAキャブレターですが、最下部のドレンが手回しで回るようになっています。
 使い終わったらマメにガソリンを抜いてくださいよ!ってことでしょうか?

 今回、PAキャブを初めてメンテしたのですが、部品点数が少なく、使い捨て感が強いキャブレターだな~と感じました。
 乗らない時は必ずガソリンコックを閉めて、チャンバー室のガソリンも抜いてもらうと良いと思います。


 エアクリーナーエレメントが恐らく毎度のカステラ状態かと予想して、全部外して洗浄します。
 トレーの中にカステラ状にボロボロになったエレメントがあり、一部はエアクリーナーボックス内でペースト状になっていました。

 エアクリーナボックスの蓋の一部が欠損して、固定用の金具が取れています。
 もう一方の方も亀裂が入っており、金具が取れそうでしたので、外したついでに補修します。

 新品で部品が1.5K程度で出ますが、とりあえず乗出し整備後にオーナーさんに提案することにします。


 金具を収めて欠損部分を樹脂で盛っていきます。

 使用したのはBONDICです。液体プラスティックで、紫外線を照射すると固体化する樹脂です。
 耐久性は不明ですが、とりあえずの「ちょうらかし」でカンベンです。


 エアフィルターエレメントも手持ちの汎用品で作成しました。
 純正エレメントに真似て、丸く切り出し、K&Nのエアフィルター用オイルを塗布しました。


 エンジンオイルを交換します。
 真っ黒に汚れていました。
 API規格:SL
 SAE規格:10W-30
 JASO規格:MA2
 油種:化学合成油(全合成油) 0.7L入れました。
 油量の確認は、オイルゲージはねじ込まず差し込んだ状態で行いました。


 続いて、ガソリンを抜いて新しいハイオクを入れます。
 ガソリンコックをリザーブにしてホースから下抜きした状態では綺麗で異物等もなかったのですが、


 リザーブで全て抜きましたが。コック位置より後ろにガソリンが溜まっています。
 全て抜くために上の給油口から石油ポンプを突っ込んで、かき回しながら抜いたら、濁ったガソリンとともに異物もどっさり出てきました。
 タンクは10年位前に替えられたと聞いており期待したのですが、これだけ出るとフィルターの追加を検討せざるを得ません。


 とりあえず目指すは、エンジン始動と試運転なので、タイヤのチューブを交換しました。


 ♪どんどん! ♪どんどん!
 エンジンオイルを交換します。
 真っ黒に汚れていました。
 API規格:SL
 SAE規格:10W-30
 JASO規格:MA2
 油種:化学合成油(全合成油) 0.7L入れました。
 油量の確認は、オイルゲージはねじ込まず差し込んだ状態で行いました。


 エンジンは、キック数回で無事指導しました。
 オイルを交換するために暖気をして、少し庭の中を走らせてみましたら、突然エンジンから「カタカタ」と異音がしだしました。

 「ヤバイ」と思いながら、聴診器のようなエンジンスコープで異音の発信源を確認します。

 シリンダーヘッド・バルブ周り、クランク周りは綺麗な音で問題なし。
 クランクより後ろからの異音でした。


 実際の異音及び発生場所の特定時の様子は↓のYouTubeで・・・
 「エンジンより、お前の頭がヤバい」なんて思っても言わないでください(笑)

OGPイメージ

MONKY Z50J レストア

 

YouTube

 

 アイドリング時の異音なので、ドライブシャフト以後ではなく、クラッチかミッション周辺の可能性が高いと判断し、遠心クラッチの調整を行いました。

 調整方法は、
 ①エンジンクランクケース右側の14ミリのナットを眼鏡レンチで緩め、②マイナスの溝が彫ってあるシャフトをマイナスドライバーで右回りに360度回し、③次に左回りできつくなる迄回した後に、④右に1/8回転(45度)戻して、⑤ナットを締めて固定

 です。
 エンジンクラッチの調整で異音は収まりましたので、次に電気系統の点検に入ります。

 電気系統は、目視や作動状況で診断ができないので厄介なのですが、何かしらのヒントが無いか観察をしていきます。

 先ず気が付いたのは、鉛バッテリーです。
 オーナー曰く、10数年前に中古で購入した際に新品で装着したとのこと。

 バッテリー液がほとんど入っていません。
 この事象から私が可能性として考えたことは、規定電圧を大きく超える電流が長時間かかり、過充電で電解液が蒸発した可能性です。

 この時点では、レギュレーター(発電機から発生した電圧を熱に変換することで適正電圧に調整するデバイス)が故障していると思っていました。 

 仮説を確かめるために、エンジンを起動させバッテリー端子の電圧を測定します。
 エンジンの回転に併せて電圧はどんどん上がり、高回転域では14V以上となりました。

 6Vバッテリーに14Vもかかれば鉛バッテリーでもダメージは必至だと思いました。


 レギュレーターのパンクか・・・
 結構高額な部品だし、純正部品って出るかな~
 社外だと安いけど信頼性が???だしね~

 どんどん電圧が上がる様子は↓のとおり。 ※クラッチ調整後でエンジンの異音が収まっております。 OGPイメージ

20200328 モンキー修理②023

オリジナルのMONKY Z50JⅡ はレギュレーターが無く交流を直流に整流しているだけのようです。 ACジェネレーターを回すとどんどん電圧が...

YouTube

 

 さあ、厄介と思いながら、
 HONDAのHPサイトから、取扱説明書を探し、配線図を確認すると・・・

1 「レギュレーター」はそもそも無い。
2 ACジェネレーター(発電機)で交流を発電し、
3 シリコン整流器で交流を直流に整流しているだけ
であることを確認

 さっそく整流器を取り出し、テスターで点検
 オームレンジで、ダイオードの特性(電流の流れは一方通行)であるかを確認したところ、一方通行(テスターの端子を替えると電流が通じたり通じなかったりする)を確認しました。

 シリコン整流器はとりあえず生きています。


 ウィンカーが不灯なので、次にウィンカーリレーを取り外し、故障の有無を確認します。
 円筒状のリレーを取り出し、黒(B端子)をマイナスに、肌色側端子を6V(+)をかけたら「カチカチ」と作動音がしました。

 ウインカーリレーも生きています・・・???どゆこと?


 え~と思いながら、ウインカー球を4つとも外してみると・・・
 何と4つ全部、フィラメントが切れいていました。


 へ~っ
 こんなことは初めてだけど
 高い電圧の下、バッテリーが故障(パンク)して、バッテリーという受け皿が亡くなったので、ウィンカー等各回路にも高圧の電流が回った。

 ウィンカー球は確か8W程度と消費電流が少なく、フィラメントが細いので切れた???

 そういえば、ニュートラルインジケーター球も、スピードメーター球も全部点灯してないやん!!

 レギュレーター無しの仕様はバッテリーが故障すると電流の「バッファー」なしとなり、ヤバいですね~

 今回の修理はオリジナルにこだわりたいと思っていましたが、計画変更
 6Vレギュレーター無しに嫌気がさしたので、12V化(レギュレーター付)のキットを装着することにします。

 カブやモンキーを整備して見える皆様が「12V化」をと言っている意味が今回よく判りました。
 私も12V化で・・・

 オーナーさんもカーアクセサリー使えるから等で12V化に了解してくださいました。

 では!



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