BORN To RUN
~LIVE To RIDE RIDE To LIVE~ バイクの整備・ツーリングのお話です。
 



 アプリオの原付2種登録への道もいよいよ最終段階です。
 交換部品を外し、いよいよボアアップパーツの装着です。
 不具合のあるエンジンでもなく、ボアアップキットもメジャーな製品で新品ですので、とにかくマニュアルに従い確実にセットアップするだけです。 

 上の写真は、ピストンをコンロッドにあてがい、ピストンピンを差し込んで事前にセットしたサークリップの反対側のサークリップをセットしたところですが、この作業の注意点は、ピストンピンを差し込む際に、①オイルを事前に塗布しておくこと(今回はモリブデンオイルを使用)、②コンロッドに横方向の力を加えないこと、③サークリップを確実に装着すること。です。

 サークリップが、クランク室内部に入り込まないようウエス(ぼろぎれ)で塞いでおくことも大事です。

 苦手のサークリップの装着です(上の赤丸)。
 もう少しのところで中々入らず、クランクに横方向の力も掛からないように気をつけながらやっとのことで挿入しました。

 最後は、何かの景品でもらった黄色い柄のソケットドライバーが穴の径とほぼ同じだったので、これを利用して「グッ」と押したら「プチッ」という音とともに挿入できました。
(今回の一件で、この安物のドライバーが特殊工具の仲間入りになりました。笑)

 くどいようですが、今回の作業はサークリップの装着が全てです。(笑)
 あとは寝ながらでもできるような簡単な作業です。

 シリンダーも装着する前に並べて写真しました。
 ボア(内径)は当然違いますが、廃棄側の穴の大きさがずいぶん違います。
 純正は、敢えて半月状に塞がれています。
 2サイクルエンジンのチューンではポート研磨と称して、吸・排気や掃気を促すように削ったりするようです。

 クランク側からシリンダーを見ると、「もうこれ以上薄くできません」というほどスリーブが薄くなっています。(右側)
 


 シリンダーを交換する際には、ポート(シリンダー内の穴)等に「バリ」がないか指でなぞって点検し、ヤスリ等で修正するのが本来ですが、今回のデイトナのシリンダーは、バリ取りがしてあるようで、2サイクルオイルを塗布して「ポン」で装着しました。

 ベースガスケットは1枚にしましたが、ヘッドガスケット(上の写真の銅色)は2枚にするか1枚にするか最後まで迷いましたが、耐久性重視であえて高圧縮を狙わずに2枚重ねでセットしました。ハイオクも高いことだし・・・(1枚=高圧縮=高温=ハイオク=ハイパワー)

 シリンダーヘッドも一応写真を・・
 ここまでは、削って高圧縮にできるよとばかりに段差がついていますが、今回はしません(耐久性重視)

 シリンダーヘッドのフィンの長さが若干長いようで、表面積を多くして熱対策も一応されています。
(安いキットはノーマルのヘッドを使用するものが多いです。)

 シリンダーヘッドを装着して、手締めで仮止め後に、上の写真のように作業台にエンジン一式を固定し、シリンダーを垂直にしてシリンダーボルトをセットします。

 この作業で注意したことは、ピストンがシリンダーと均一な圧で接触することです。
 横型エンジンを垂直に立て、手でクランクをまわしながら、4つのボルト対角線上に少しずつ締めるボルトを変えながら7N.mまでのトルクで締めます。
 最後にクランクを回し引っかかりや、異音がしないことを最終的に確認して14N.mで締め上げます。

 締める強さ(トルク)の管理は、上のトルクスレンチという特殊工具を使用します。
 セットしたトルクになると「カチッ」とクリック音がして、これ以上締めるなと教えてくれます。
 普段は使用しませんが、エンジンの組み立てには必須で使用する工具です。

 今回は、くどいですが「渾身の力と情熱」で自分の足を製作していますので、プラグの位置にも配慮してみました。
 プラグの電極が混合気のフローに与える影響があるとか無いとかの情報があり、
 一応、電極が吸気=>排気の線の90度となるようプラグレンチにマーキングしてセットしました。(病気か?俺)

(追記)
自分の感性ではプラグがどの角度でセットされていようが違いは判りませんでした。(爆)

 エンジンが組みあがって、付属品の組み付けをしますが、「この際」病が始まって、念入りの洗浄で作業が遅れます。
 このような、下回りの部品こそこれくらい綺麗にすると組み上げ後の満足感が違うんです。(馬鹿)

 肝心なのは、洗浄よりもキャブセッティングでしょ!ということで、大分黄昏てきた中で作業続行です。

 (ボアアップ前のデータ)
 エンジン:ノーマル 49cc
 駆動系:ハイスピードプーリー、10%強化センタースプリング、強化クラッチばね
      ウェイトローラー:5g×3 + 5.5g×3
 吸気系:MJ #90
      SJ #42
      NJ 5段中3段(真ん中)
 排気系:3WFマフラー

 で、まずMJを#95で高速がぼこ付き、濃すぎたので、#90に戻し、SJを#48に上げたところ今度は低中速がぼこ付き、#42に戻し、SJを1段下げて濃くしたが、これまた中速で回転の引っ掛かりを感じて3段目に戻しと・・・
 簡単に書きますが、都度キャブを分解等して試運転と・・・(これが一番面倒)


 結局、ボアアップ前と同じセッティングが手持ちのジェットの中ではベストでした。
 プラグが若干白いので、MJを#92に上げれば多分「ドンピシャ」なのかな~

 んで、さっそく慣らし運転で、堤防を3時間ほど(行程90Km)
 誘惑に負けて瞬間ワイドオープン!
 ガスが薄いので上がすごい!焼きつかないかとひやひやしながら・・・

 (追記)
 きっちりと慣らしも終わり、往復180Km位のプチツーリングもしました。
 現状は、ほぼ目論みどおりの70Km一気に加速、80Km巡航、燃費25Km/hで、納車時から見ると全く別物のスクーターになりました。

 ここまでするなら、初めっから90ccを買えばいいじゃん!なんていうお話もありましょうが・・・
 只でもらったスクーターがあったから・・・というのが実情ですが、

 それだけでもなく・・・手のひら感覚で、一般公道でも常用速域でも「こっそりスポーツ」なものが欲しくなり まあ、おもちゃでしょうか?

 けど、渾身のチューンで、乗り味、パワー共に納得できる状態です。
 メーカーの90ccよりスポーツだと思います。(多分)
 2ストの高回転のエンジンが「もうこれ以上は・・ご主人様」と「もっとまわして~焼き付くまで~」のはかなさが聞こえるようで・・・(変態!)

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コメント
 
 
 
はじめまして!札幌のバイク馬鹿です (シゲタ)
2021-09-04 15:52:37
はじめまして。
札幌でバイクカフェをやっているシゲタと申します。
S43生まれのバイク馬鹿です。

こちらには、「アプリオ 最高速」で検索して辿り着きました。(笑)

オートバイが大好きなんですが、スクーターはずっと苦手でして、食わず嫌いと申しますか・・・、
それが最近、友人のお父さんから最近アプリオ(正確には、アプリオ・タイプ2)を買い受けまして、修理がてらに欲かいてイジり出したら、もう大変!
(大汗かきました。その辺りの顛末は、ホームページをご覧いただけると幸いです)

オートバイとは全く違うスクーターチューニングの難しさを痛感している今日この頃です。

こちらのページは、写真も多く、とても勉強になりますね。アプリオのみならず、他のページも楽しそうです。ゆっくり拝見させていただきます。
お!モンキーも手に入れたんですね!?僕のと同じ6V車だ!嬉しい!
 
 
 
Unknown (fumi640617)
2021-09-25 23:19:05
シゲタさん、
こんばんわ
管理人の風民です。
拙いブログをご覧いただき恐縮です。
素敵なお店を拝見しました。
後日ゆっくりとHPを拝見させていただきます。
新型コロナ禍で、お店もお休みされたとか
早くこの状況が改善する事を切に願っております。
 
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