今年の冬は例年になく寒いですが、いかがお過ごしでしょうか
我が家ではそんな最中、主力のファンヒーターが故障したということで、パートナーから緊急の修理依頼がありました。
機器側からE0(不完全燃焼のエラーコード)が吐き出されています。
いざ鎌倉!、ここで我が力を存分に発揮せずいつ発揮するか。B2Rラボ開業です。
一応、今回の作業は、整備マニュアルなしで、素人が行っているものですので、作業を行う際の参考程度としていただき、作業される際には自己責任でお願いします。
ガレージに持ち込み、早速分解します。
ファンヒーターやストーブは、熱を扱うので、筐体等は大半、ブリキで構成されています。
昭和の時代のブリキのおもちゃのように切り込み等ではめ合わせ、ビスで固定してあります。「キー、ギャー」と心持ちが良くない音がし、無理をすると指を怪我したり、配線を損傷させる恐れがあるので、できるだけ束ねてある配線は解き、外せるものは外して作業します。
早速、不審なものを発見しました。
送風ブロアと燃焼室(気化筒)を連結する送風ホースから、燃料ガスの吹き替えしとみられるべたつきがありました。
ウエスで吹くときれいに取れましたので、パーツクリーナーを吹きかけ清掃します。
機械の故障は、多くの場合致命的な箇所は一箇所なので、極力手を広げず治すのが大事だと思います。
今回の不具合は、①炎検知器、②点火プラグの2点と目星をつけています。
いずれの場所も燃焼室内で最中心部であるので、遠回りですがほぼ全バラをした上で、組みなおすこととしました。
時間に追われ、預かり品の修理であれば、リスク回避で遠回りはしませんが、半分趣味なので気分のおもむくまま、全バラです。
組付けの状況を記憶し、大量のビスはマグネットトレーで整理しながら分解を進めます。
整備対象の燃焼室と、手前左側から気化筒、炎検知器、点火プラグを取り出しました。
ファンヒーターの土台に燃料タンクと送風室だけは残し、ブロアーでそれぞれの内部を清掃しました。
以下から、清掃・組付けです。
分解当初に最初に気が付いた油状の吹き替えしをきれいにします。
これは、深刻なものではなく、消火の際に臭みを抑えるために気化した燃料ガスを送風室に戻しているようで、それが蓄積したものと判断しましたので特別補修は行わず清掃のみ行いました。
参考までに、ファンヒーターも車のエンジンなどと同様、石油燃料の吹き出し量を調整し燃焼を制御して、エネルギーを取り出しています。
燃焼は、①燃料があること、②燃えるための空気(酸素)があること、③燃焼するための適切な空燃比があること、④点火する装置があること これらすべてがバランスして良好な燃焼となることを念頭に実際の動作が支障なく行える状況であるかどうかをイメージします。
重要ではない箇所でしたが、きれいにしました。
オートバイのキャブレターに似ているので、重要ではないと思いながらもつい、きれいにしたくなったのかもしれません。
ただし、針状のニードルは中空構造になっており、先端が精密なので、曲がったりしないよう細心の注意を払う必要があります。
清掃は、ニードル内にパーツクリーナーを吹きかけ、エアーダスターを通しておきました。
次は、優先順位3番目のバーナーヘッドの点検と清掃です。
バーナーヘッドの位置を合わせる矢印があります。点火プラグの位置に合わせます。
バーナーヘッドの横から見た写真です。
一部ですが、黒い煤がついていました。
特に問題がないと判断しましたが、不完全燃焼で付着した煤ですので、金網部分をパーツクリーナーと石油で洗浄して真鍮のワイヤーブラシで磨いてエアーを吹いておきます。
今回の作業の優先順位1、2の炎検知器と点火プラグです。
詳しくは知りませんが、電子は炎の中では電極が離れていても通電するようです??
その原理を利用して、炎検知器の先端と離れているバーナーヘッドリンクの間に炎があると通電して「燃焼」と判断し、炎がないと通電しないことから「不完全燃焼」として判断して、エラーコード「E0」を吐き出す仕組みのようです。
煙検知器、点火プラグ共に汚れておりますので、ベルトリールサンダーやリューターで研磨し、紙やすりで表面を整えました。
ネットでの受け売りですが、白い汚れは室内のヘアースプレー等に含まれるシリコンが固着したものだそうです。
これを除去するのが清掃のポイントだそうです。
大体きれいになりましたので、組付け作業に入ります。
先ずは、燃焼室の組付けです。
特に何も難しいことはないのですが、組付け順序を間違えないように注意します。
間違えると、すきま風が入り、空燃比が狂い不完全燃焼になります。①から⑤のバーナーヘッドの順に重ねて組み付けていきます。(④のバーナーヘッドリングの写真は撮り忘れです。)
燃焼室のバーナーヘッド周りの組付け終了です。続けて①、②の順に組み付けます。
①の名称は不明ですが、放熱効果を狙ったものと思われます。
②は「触媒」でガラス繊維状のものです。最終的に上昇した燃焼ガスを熱で燃やす機構だと思います。
自動車のエキゾーストの触媒と同じですね。(笑)
放熱板(仮称)も取付位置が決まっているようです。4つの小さな穴の意味するところをしばらく考えましたが判りませんでした。
「マエ↓32」の表記に従い、矢印を正面に向けておきました。
燃焼室の最上部は触媒です。
多少、不完全燃焼の後の黒ずみがありましたが、完全燃焼で高温になれば焼けると判断し、破れると交換なので「そっと」しておきます。
気化筒周りの組付けをです。
真鍮のニードルとパイプが折れると交換なので慎重に扱います。
バーナーヘッドの黒煤は、送風ホース経由の空気量が少ないことも一応考えられましたので、下の写真左中央の送風モーターも点検しておきました。
重要な箇所の組付けが、概ね終わりました。
石油の経路は、火事等に直接かかわりますので、目視を徹底し確実に作業をします。
燃焼室のカバーを装着します。
ファンヒーターは、石油ストーブと異なり、炎がカバーで見えないのが誠に残念なところです。赤外線でなく温風で温める仕組みなので高温を吸収する金属のカバーで覆うのでしょう。
外装板を装着しました。
冒頭にも記載しましたが、高温にさらされる筐体なので、ほぼ全て構造体はブリキです。柱等がなく、互いに組付けあって強度を保っています。
コントロールパネルを装着し、ここでテスト運転をします。
再び、エラーコードが出たり、異臭、不完全燃焼だったりした場合に、ばらすのが手間なので、試運転をして確認します。
果たして・・・
無事、数分のプレヒートが終わり、送風ファンが回って、電磁ポンプの微かな「ジー」の音に続き、「ヂヂヂヂヂヂ!」と点火プラグの音、
刹那、白煙がなく、「シューュウーーーッ ボッ!」と点火
苦労が吹き飛ぶ至高の瞬間です。(大げさか・・(笑))
数時間、集中したご褒美です。
心持ちをうまく説明できないのですが、バイクのエンジンや、ボイラーなど、この手の「火」を扱う機械は見ているだけでウットリする心持ちの良さがあるのです。
火炎も上々、炎検知器も真っ赤に焼けています。
ささっと外装の装着を完成させ作業終了です。
コントロールパネルの各ボタンの作動を確認しました。
ecoモードを外して、最高設定温度で最大出力を出しましたら、明らかに迫力のある音がして、吹き出し温度も修理前よりは高いことが確認できました。
バーナーヘッドからの火炎も各孔から均等に火炎が出ており、OKです。
参考に制御基板の写真を上げておきます。
コロナのファンヒーターですが、基板に接続するデバイスの名称と配線の色が表記してあり、迷うことなく作業ができました。
素人に触らせないように表記しないことも考えられようところですが、私にとっては良い仕様で、コロナという会社の好感度が倍増です。(笑)
非常に長い駄文になりました。
常に最新の良いものを求められる向きには全くお目汚しであったかもしれませんが・・・
ファンヒーターって、石油ストーブの親戚みたいな感覚で壊れなさそうなイメージでメンテナンスせず使用されることが多いのではないかと思っています。
我が家だけかもしれませんが、4台のファンヒーターがある中で、ちょくちょく不具合が発生します。
電気屋さんに修理を依頼すると部品交換と工賃で購入価格に近い価額が掛かると聞いたことがあります。
電気屋さんも生業にしてる以上、相応な値段とは思います っていうか、ファンヒーターに関していえば、物量と組み立ての手間を考えると1、2万という低廉な価格でよく売っているな~という印象です。
がんばれ!コロナ!、トヨトミ!、ダイニチ工業!そしてアラジン!
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一週間幸福でいたかったら、結婚しなさい
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一年幸福でいたかったら、新しい家を建てなさい
一生幸福でいたかったら、釣りを覚えなさい (中国古諺)
・習い事:サックスの練習
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駄文なんてとんでもない。我が家ならば、とうに不燃物処理行きの代物やね。(知識と勇気がなくてお手上げ)
「火」を扱う機械は見ているだけでウットリ、の表現が心に刺さりました。
電気モーターも悪くはないのですが、やはり私も2ストバイク・農機具各種・エンジン除雪機など「火を入れて動かす」物の方が好きです。修理をやっていても飽きません。
これからもこのブログ楽しみにしています。頑張って下さい。
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