アマチュア無線の先輩から、不動車の修理を依頼されました。
ホンダの不朽の名作 モンキーです。
1978年製 42年前のバイクです。
人気車なので、部品は調達可能のようですが、拝見したところ改造等はなく、ほぼストックの状態です。
オーナーさんは、よく催事等で見るミニチュアの蒸気機関車を整備されたり、ボランティアで「おもちゃの病院」をされたりする機械整備の大先生なのですが、私の拙ブログを見られてお願いしたいとのことで、私もモンキーに興味があったので引き受けた次第です。
軽く洗車をされてたようでところどころ痛みも見受けられますが、ほぼオリジナルの状態を保っており、非常に貴重なものとお見受けしました。
今回の作業の方向性は、まずエンジンの始動を目指し、その後、走行する上での最低限の故障等の箇所を補修することにします。
いわゆる「乗出し整備」程度ということです。
先ずは外観のチェックから
フロントタイヤがパンクしています。
続いてアクセルワイヤーがアクセルホルダー付け根から裂けています。
ウインカーのスイッチの出っ張りが欠損しています。
これらはエンジン始動を確認してから交換等をします。
キャブレター周辺です。
ガソリンタンクは交換されたものとのことで、コンディションは良いです。
ガソリンコックも新しいものに交換されており問題ありません。
エアクリーナーボックスの蓋が破損して少し口が空いています。
エンジン始動確認後に補修するか交換することとします。
キャブレターを外そうとしてキャブ上部の蓋を開けようとしましたが、ピストンバルブが固着していました。
WAKO'Sのラスペネを少量注入してしばらく放置したら無事動きキャブも外せました。
キャブを外しました。
結構綺麗ですので、オーバーホールがされているのかと思いましたが、ガソリンのオーバーフローが止まらなかったので、フロートチャンバーのみ外したとのこと。
キャブレターです。
PA型の刻印です。PA型を触るのは初めてです。
御開帳~
外見とは裏腹に、フロートチャンバー底部がご覧の通り真っ黒なタール状の物でベッタリ堆積しています。
メインジェット部、もパイロットジェット部もチャンバー底の堆積の中で埋もれていたようで、ノズルが完全に詰まっています。
通常ならメインジェット(フォルダー)とスロージェットを外して洗浄すればOKなのですが、このキャブレターは、各ノズルがキャブ本体に圧入されており、「ジェット」がありません。
ノズルの中がニス状な物が詰まっており、キャブクリーナー、圧縮空気、荷札の針金で突くを何度も行っても開通する気配がありません。
キャブレター交換かな~と半ばあきらめつつも、キャブクリーナーを吹いて、その後、石油に完全に浸して様子を見ることとし、前輪のタイヤのパンクを直すことにします。
ジェットの無いPA型キャブレターには驚きましたが、タイヤにもびっくりしました。
タイヤレバーを用意して外そうとしたのですが、タイヤが硬化してビートが上がってこないので、グーグル先生にお尋ねすると、8本のボルトでホイールを分解すれば良いとのこと。
赤丸のボルト・ナットを外すと、あっけなく簡単にホイールが左右にパッカーンと分かれ、チューブとご対面です。
無茶苦茶楽ちんなタイヤ交換です。
左右のホイールの接合面は、相当荒れております。
ここら辺りは、エンジン始動後再塗装をして錆を止めたいところです。
ささっとチューブにパッチを当ててパンクを直すつもりが、広い範囲でひび割れ裂けています。
チューブが長期間、空気が無い状態で同じ場所で曲げられていたことで劣化したと思われます。
再使用は断念し、新品のチューブを注文しました。
写真はありませんが、タイヤの作業をした後に、キャブレターのメインジェットノズル部を細い針金で突っついていたら「グニュッ」と貫通しました。パイロットジェット部もエフ(荷札)の針金で突いていたら「ニュルッ」と入りました。
細い針金なので、全ての貫通ではありませんが、空気が通りさえすればあとはキャブクリーナー、パーツクリーナー、「突っつき」、圧縮空気の波状攻撃(30分以上)を繰り返してすっかり綺麗になりました。
オーバーフローについては、ニードルジェット目視点検し、洗浄して爪楊枝+研磨剤(ピカール)で磨き、ニードルジェットホルダーは無いのでニードルジェットが収まる内部を洗浄、綿棒と鉛筆上にピカールを付けて磨きました。
キャブレターに関しては、来週末まで石油に漬けおいて置くことにします。
キャブレターのOHに目途がついたので一安心です。
キャブレター組み上げるため、純正のガスケットキットを発注しました。
40年以上のバイクなのに未だ新品で部品が出るとは本当に驚きっていうか、如何に人気車なのかって言うことですね(笑)
私の持っているマイナーなバイクではとてもこんな具合には行きません(汗”)
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