古いバイクの整備は、使える部品、補修すれば使える部品、交換する部品の取捨選択を考えつつ、手順良くローコストに段取りをつけて整備することが面白いところです。
今回のアプリオ号は、特別人気があるバイクではなく、将来への投資になるようなものでももちろんなく、自分のために自分が気持ち良く乗れるバイクを作ることを目当てにゆっくりと整備をしていきます。
先ずは、一番我慢がならない箇所から整備をしていきます。
フロントブレーキの液漏れと、割れた外装を先ず整備しました。
さっそく購入した部品です。
左から、ハンドルグリップ、メーター、ブレーキマスターと、ライトカウルです。
全て台湾からの輸入品です。
国産(って言っていいか微妙ですが(笑))のスクーターは台湾で製造されているものが多く、割と質の良いサードパーティーものが驚くような安さで購入できます。
ヤマハの純正部品が理想ですが、許容範囲内として今回はサードパーティーを利用します。
ただし、ブレーキマスターは、ストックをOHする予定でしたが、リペアパーツと同じ値段でマスター一式が購入できたので、思わず中身を利用することを目論み購入したものです。
ストックのマスターシリンダー(右)と台湾製マスターシリンダーです。
外観からは、完全なコピー物です。
中身をばらして比較してみました。
残念ながら、ピストンのサイズが違います。台湾製の方が若干太く作られていました。
・・・・そうなると・・・マスター一式台湾製で組んでみるしかないか・・・ 残念です。
もともと、このアプリオは、ドラムブレーキだったものをハンドルを加工してマスターシリンダーを装着しています。
当時、マスターシリンダー干渉するステーをディスクグラインダーで削って取付をしましたが、今回ブレーキラインのストレスを考慮し、更に削ってみることにしました。
下のディスクグラインダーで加工します。
ディスクグラインダーはホムセンの安物ですが、自作のスピードコントローラーを併用すると高級機のように回転速度を変えれるので便利です。
ディスクサンダーで粗方削り、ベルトリールサンダーで細かく形を整えます。
次に、ライトカウルの交換です。
ヘッドライトも新品に交換です。
紐で羽交い絞めされた際に、ブレーキ液が紐を伝ってライトレンズに着いた様で、溶解跡があったので交換です。
ライトカウルとブレーキマスターを交換しました。
さっそく試運転です。
エンジン等走りには関係ない部位の整備でしたが、ブレーキのタッチ等を試してみます。
試乗の結果、ブレーキは特に問題なく効くのですが、またしてもブレーキ液が新品のマスターに交換したにもかかわらず漏れだしました。(涙)
エアー抜きをしたり、ブレーキのタッチを確認する際に強くブレーキを握り過ぎているのかもしれません。
自動二輪と同じ感覚で力を入れてはいけないのかも。YAMAHAの原付マスターの仕様ではないかしらと思いながらも、気分はすっきりしないのでストックのマスターのオーバーホールをすることにしました。
台湾製マスターはもったいないことをしました。同じ位の金を出してヤマハの純正リペアキットを注文しました。
久しぶりのサンドブラスト作業です。
砂、アルミ又はガラスの細かい粒子を圧縮空気で当てて錆や塗膜を一瞬に落とす装置です。
赤いキャビネット内に対象の部品を入れ、左右の丸い穴から両手を入れて上の窓から中の様子を見ながら作業します。
この機械は、全く使用頻度が低いので、不要と言えば不要なのですが・・・
ブラスト後にはご覧の通り、完璧な無垢の状態になります。
不要と言えば不要なのですが・・・あればこのような素晴らしいことができますので・・・
一度使ってみたいという方はご遠慮なくご連絡ください(笑)
簡易のペイントブースで塗装
その後、ヒートガンで加熱し簡易的な焼き付け処理をしました。
塗装は苦手ですが、ブラスト処理で足着けができているのでそれなりに塗れました。
ブレーキ液の確認窓が曇って劣化が著しかったのでどうしようかと悩んでいましたが、ホンダマスター用が代用可能とのネット情報を信じて発注しました。
下のリペアパーツ一式を組み込んでいきます。
確認窓が届きましたので装着
無事適合し、はめ込むことができました。この流用情報があれば台湾製のマスターを買わなかったかも・・・
気分は上々、さっそく取付をします。
今度こそ漏れませんようにと、確実に装着しました。
オーバーホールしたマスターシリンダーで液漏れはとりあえず収まった模様です。
次はフロントフォーク交換、ブレーキキャリパーの分解整備です。
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