近所の年寄りの友人から引き上げてきた1979年頃の日立Lo-Dのオーディオセットを捨てる前にどんなものか?とささっと電源等を点検して整備してみました。
ハードオフに行き、1本100円の電源コードを機器の数だけ買ってきて、電源ケーブルを付けて通電しました。
下のプリアンプはHCA-6500 時の価格で29,000円のもので、
「低歪、低雑音を目指して開発されたコントロールアンプ。
イコライザー回路の初段にローノイズFETトランジスタ、
2段目にイコライザー用ICを採用して高い特性を実現しています。
音質追求のため、ICL・DC構成にしています。
他のソースの再生を楽しみながらテープダビングも可能です。」 とのこと(オーディオの足跡より。)
通電し、音源を入れて再生してみましたが、音が出ません・・・
ボリュームや入力切替スイッチをガチャガチャいじってもプチ・プチと大きなノイズが出るものの・・・
さて、どうしたものかと 基板を念入りに観察しました。①電解コンデンサーの様子(膨張・液漏れの跡)、②基板裏側の半田付けの経年劣化による不良をチェックしましたが「これだ!」というまでの原因(箇所)が特定できません。
初診としては、トランジスターやFETの不能を疑いました。
下の写真が、問題(期待)のパワーアンプ HMA6500です。
大きなパワー計がグッドルッキンで、可動部分は、電源スイッチとスピーカセレクター(OFF、A、B)だけでシンプルかつスタイリッシュ。
基板を観察しながら、トランス(左側の斜めに収められた黒い部品)とトランス後の大きなコンデンサー(2つの黒色の筒)の大きさ(=容量)で素の大体の力を伺うことができます。
トランスやコンデンサーが大きいものは、大電力を取り出すことができる = パワーに余裕があるということです。
ちなみに、先のオーディオの足跡によれば、59,000円程度のもので、
「パワーMOS FETを採用したステレオパワーアンプ。
DCアンプ構成を採用しています。」 とのこと。
プリアンプがNGなので、CDプレーヤーの音源をダイレクトに入力してみました。
CDプレーヤーはDENONのDCD-1600です。
非常に澄んだ雑味のないナチュラルな音です。(低音がちょっと不足か)
イコライザーアンプ等余分な回路が無い。自作のデジタルアンプにも通じる透明感があります。
メイン機の SANSUIのAU-D907Fには及ばないものの、細いながらすっきりと聴き疲れない味わいがあります。
音量は部屋で聞くには十二分の出力(60W+60W)です。
うーん チープなアンプなんだけど、我が家の他のアンプに無い「パワー計」が付いているし、デザインもすっきりきれいだし・・・
どうしようかな・・・アンプも4、5台あるので、じゃまっけといえばじゃまっけなんだけど。。。
パワーアンプの作動確認後に、不動のプリアンプを再度接続してみました。
プリアンプのボリュームや入力切替スイッチを再度ガチャガチャいじっていると・・・
ん!音がでました。
さては、通電させっぱなしにしておくうちに、電解コンデンサーが目をさました見たいです。(私の主観ですが。)
電解コンデンサーは、電子回路の中で、電気を蓄え、放電する素子です。
半導体素子等を異なり、科学変化で作動している一種の蓄電池のようなものなので、経年劣化が他の素子より著しく、接触と並んで電気回路の動いたり・動かなかったりといった「生き物のような」な事象をかもし出す要素です。
長期に渡って放置したバイクは、多くの場合、キャブレターの掃除とバッテリーの点検でとりあえずエンジンは掛かることが多く、アンプは基板のほこり等の除去とコンデンサーの蓄電が重要です っていうと バイクもアンプも一緒ですね~
久しく使用していなかった電気機器は、しばらく通電させることが大事(だと思う。 ただし、火災に注意!)
パワーアンプは経年劣化があると思われるも通常動作を確認。
プリアンプも何とか動作を確認。
プリアンプのボリューム、入力切り替えスイッチ等の接点を洗浄し、接点復活剤をスイッチやボリュームの隙間から少量を吹き込みしばらく様子を見ていたら・・あっけなく普通に音が出るようになりました。
これまでの作業の間に、電子部品の不具合を確信していたので、整備マニュアルと、オシロスコープをネットで購入してしまいました。
整備マニュアルは日本では確保ができず、アメリカの好事家からの個人輸入となりました。
日本で作られた物の整備書や部品が海外でしか入手できないことが多々あります。
市場の太さなのか、日本に「ゆとり」がないのか・・・ 微妙ですね~
とりあえず「ガンガン」に音が出せるようになりました。
メインスピーカーのDIATONE DS-505を破綻無くドライブできる力を持っているようです。
メインのD907Fだって十分な性能を維持しいない可能性はありますし・・・
音の良し悪しは、私ごときではなんとなくでしか分かりません。
データ化をして客観的な評価をしてみたい。
PCで正弦波等を生成するソフトがあり、また、分析できるソフトがあるとの事でさっそく利用してみました。
・WaveGene
テスト用音声信号を計算により発生させ、サウンドデバイスや、ファイルへ出力するツール
サイン波、矩形波、三角波、ノコギリ波、パルス列、ホワイトノイズ、ピンクノイズ、M系列ノイズ(MLS)の8種類の波形を出力可能
・WaveSpectra
サウンドデバイスや、Waveファイルをの音声信号を、リアルタイムにその周波数成分(スペクトラム)を表示可能
下のデータ(グラフ)は1KHzの正弦波をPCからアンプに入力し、アンプからPCに取り込んだものです。
意外と左右の音も均等に出ており、1KHz以外の余分な出力(高調波)も出ていますが、-80dbと可聴範囲外で、意外と良好です。
これらのソフトウェアを使用すると、機器の周波数特性や歪率まで測定できます。(これから勉強します。)
オートバイは、不動を動くよう直して、乗って、また、楽しの世界ですが、レーシングコースでのテストは私ごときではできません。
オーディオは、不動を直し、音を聞いて楽しむ他に、データを取って比較し、改善できる楽しみがあるのではと感じ始めました。
オートバイももちろん楽しいのですが、オーディオは危険も少なく、雨や寒さも関係なしなので、存分に熱中できるフィールドかと(やばい!やばいぞ!爆)
2つのソフト(作者は同じ。)低周波発振器やスペクトラムアナライザー等の高価な計測機器等がなくても同じようなことができることにちょっと驚きました。
この方法ですと、PCとアンプの間のデータのやり取りの正確性が大事なので、PCの音源は、オンボード等よりもう少し高級なものがよろしいのではと思い、ONKYOのUSBデジタル・アナログ変換器を使用しました。
この機器は、自宅サーバーのWAV音源をアナログステレオシステムで再生するためや、LPレコードやカセットテープのアナログ音源のデジタル化のために使用していたものですが、今回、ひょんなことで大活躍です。
音が出ると・・・このアンプの素性が気になるところ。
「Power mos fet」をアピールしています。
回路構成がシンプルなので、アンプいじりの入門として遊ばせてもらおうかな~と
AU-D907Fのメンテナンスなんでとてもできるだけのスキルもありませんが、とりあえずこのプリアンプ・パワーアンプの電解コンデンサーを拾い出して、オーディオ用のコンデンサーに全て交換して、安物の配線をシールド線やSP線に交換してAU-D907Fを超えることができるか、また、その様子をデータ取りをして客観的な向上が検証できるが が当面の目当てです。
アンプが動くようになったので、同じく電源コードが切断されていたマイクロフォンミキサーアンプとチューナーにも電源コードを付けてササッと洗浄して通電し動作確認をしました。
マイクミキシングアンプは、3チャンネルで、当然のことながらPAN、エコー(機械式)付きです。
手持ちのマイクで「あ・あ・テスト・テスト・本日は晴天なり」とテストをしました。HiFiで自分の声を聞くのが新鮮で・・・思わず一曲熱唱してみました。スナックのカラオケシステムと変わらないかそれ以上 (笑)
カラオケ用としては十分な性能、車に乗せれば街宣車位の音量は楽勝な感じです。(爆)
ギターの引き語り(私)+パーカッション(妻)で3Chデジタル録音か。。。ギター出してこようかな~。
チューナーも既に5台ありますのでおなか一杯ですが、アンプとデザインが一緒なのでこれも取っておきましょう。
そうすると、オーディオラックがもう1台必要となりますね~。
人様が捨てようと電源コードまで切断し、カーポートに放置されていた昭和のオーディオセット
それを休みの大半を使って観察・洗浄している私
変人?いや、廃人か?
熱中すると何も要らなくなります。食事だって要らない。
熱中する対象に価値があるか無いかは、自分の興味・心のおもむくままです。(こんなことしてて良いのだろうかと・・・気の迷いではないだろうかと・・・)
過去の技術をかいま見て一人喜び、感心して何になるのか・・・このまま何も残さず人生を終えることに焦燥感は既に無く、寂しさも感じつつ、度量も器量も無いからしょうがないな・・・と自嘲しています。
世間では、「エコ」だの「スマート」だのと言われていますが、私は大電力で高燃費のバイクを愛でています。(バイクなのでハイブリッドより低燃費ですがね!)
「買い替え」がないとお金(経済)は回らないけど、買い替え、廃棄で莫大な資源が奪われているのに、何がエコやスマートだ!と・・・
なんか世の中変だな~と思いながら、自分の考えは「マイナー」と自覚しているので声にすることもはばかられます。
私は、上のオーディオセットを眺めながらコルトレーンのサックスやマイルスデイビスのサックスを聴いているだけでたまらないのです。
角ばったデザインは多分当時人気があったヤマハのデザインのまねっこかもしれませんが、すごく綺麗だと思うのです。
最近の何にでもなるPC、スマホも便利ですが PCやスマホにはこの「たたずまい」が無いと思うのです。
温故知新、ものづくりが元気だったころの良いものが忘れ去られて、資源ごみとして消滅していくことが非常に寂しいのです。
少しでも多くの方がこちら側に来ていただけると、価値が生まれ、経済性も出ると思うのですが・・・
ランキング参加中 ポチッとね~(*^_^*)
カテゴリー分類 (まとめてご覧いただく際にご利用ください。)
・Buell S2T :Buell S2Tに関する記事です。
・FZR250 :不動車を整備しました。
・RZ250R :不動車を整備 クランクまで分解しリビルドしました。
・XLR250R :リターンバイクのきっかけとなったXLR
・シルクロード:不動車を整備しました。
・TLR250R :
・アプリオ :エンジンボアアップ 駆動系チューン、原付2種登録
・フリーウェイ :
・ツーリング :気のおけない友達との楽しいツーリングを中心に
・自転車修理とツーリング : 最近熱中しだした自転車関連です。
・オーディオ、家電等修理DIY : 成功、失敗半々です。参考にされる方は自己責任でお願いします。
・釣り :一日幸福でいたかったら、床屋に行きなさい
一週間幸福でいたかったら、結婚しなさい
一ヶ月間幸福でいたかったら、良い馬を買いなさい
一年幸福でいたかったら、新しい家を建てなさい
一生幸福でいたかったら、釣りを覚えなさい (中国古諺)
・モバイルナビ :
・その他 : 友達、ガレージ整理 etc
ああ、海辺の住人さんそのものか・・・
鉄人レースで走っている姿を見たことがないのにまぶたに浮かべてしまいました。
楠ミチハルの描く男たちのストイックさから来るセンチメンタルな空気、私も好きです。