トランプ政権は、中国との貿易交渉で折り合うことができず、中国からの2000億ドルの輸入品に課している関税の上乗せを10日、10％から25％に大幅に引き上げました。
また13日はこれまで関税を掛けていなかった3250億ドル分の輸入品にも25％の関税を賦課する方針で詳細は13日に明らかにされる。
中国からは劉鶴（Liu He）副首相が予定通りアメリカに到着し、中国側の態度を表明しています。
交渉が決裂したわけではない。それどころかむしろ、これは2か国間における交渉で起こる通常のねじれだ。避けられないことだ」
「われわれは、北京で再び会い、引き続き交渉を進めていくことで合意した」
ああ、そうですかと（わらい
劉氏は米国での2日間の協議は「生産的だった」としたが、相違点は残っていると指摘。「多くの分野で合意したものの、率直に言うと合意していない分野もあり、これらは大きな原則に関わるものだと考えている」と述べ、米国との合意を妨げた主要な3つの点を初めて明らかにした。
第1に、中国側は合意が成立すれば懲罰的な追加関税はすべて取りやめるべきだと考えていること。
第2に、習近平（Xi Jinping）中国国家主席とドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領が昨年アルゼンチンで貿易戦争の「停戦」を宣言した際に予備的に合意した中国が輸入する米国製品の数量について、米中の見解が一致していないこと。劉氏は「これは非常に深刻なことで、状況は簡単には変わらないと思う」と述べた。
第3に、「どの国にも威厳は必要」（劉氏）であるから、合意文書はバランスの取れた文言であるべきこと。
これらはトランプがもう全て否定しちまったじゃないか。
第3の中国共産党の威厳てなんなんだと（わらい
中国共産党の機関紙「人民日報」もこの３つの争点を伝えながら、「中国はいかなる極限の圧力にも屈しない」とする評論を掲載しています。
中国は自己主張ばかりして米国の要求は受け入れないと言うのでは、米国は協議以前の方針通り全品目の輸入品に25％関税賦課することになるだけ、それでも輸入が減らないなら関税を30，40と上げていくだけでしょう。
同時に中国はアメリカが10日、中国からの2000億ドルの輸入品の関税を引き上げたことについて「必要な反撃措置を取らざるをえない」と主張している。
しかし具体的にどのような内容なのかは打ち出せないでいる。
中国に反撃の奥の手なんてあるの？米国にはいくらでも次の手があるし、米国の要求はエスカレートしていくよ。
トランプ氏はツイッターで25％の関税を掛けるが、交渉は引き続き続けていくと言明しているしね。
米国側には交渉で失うものなど鼻から無いわけで、いかに中国に米国の要求を受け容れさせるかだけの交渉なのだから、中国がいくら強がっても太刀打ちなど無理、かえって自滅するだけ。
米中貿易問題は中国側の一方的黒字が問題なのであって、双方の経済基軸が違うだけに米中貿易を均衡させることなど実際の話不可能と言ってよい。
米中協議に先駆けサンパウロでの米中交渉で中国が大盤振る舞いに、米国からの輸入を3兆円ほど増やすと言明したけど。
3兆円と聞けばびっくりする額だが、米中間の貿易で中国は18年度の対米黒字だけで３２３３億ドル（約３５兆円）にも上った。
一事しのぎの3兆円の輸入など焼け石に水でしかない。
では、米中の通商協議の本質とは何か
米中貿易は中国が一貫して黒字を積み上げてきた経緯がある、米中の貿易の不均衡が極限に達してしまい米国が耐え切れなくなった。
そこでトランプは高関税を賦課することで中国からの輸入を減らそうとした。
普通であれば米国も対中輸出を増やせばいいのだが、中国の貿易システムに障害が多くあり、米国が望むようには輸出が増えない仕組みになっている。
そこで米国はその障害を無くすよう今回の協議で要求している。
そこで今日は渡辺哲也氏が、動画で詳しく説明してくれていましたので要点を抜粋して掲載してみました。
＞トランプ流「対中関税２５％」、米中貿易戦争は終わらない！[桜R1/5/11]
中国の障害とは主に3つあって
1つ目に知的財産権
中国は勝手にコピーして商品を作ってしまったり、アメリカや他の国が持っている知的財産権を中国に寄こせ、寄こさなければ中国で営業活動させないぞ、中国向けに輸出させないぞと脅しをする。
このような行為はやめろ！とアメリカは要求している。
2つ目に為替の自由化
中国は為替を自由化していない、管理変動相場制ということで、政府が為替をコントロールしている。これを完全に自由化しなさい。ただし、為替の切り下げで人民元を安くして、輸出し易くする様な行為をやってはいけません、と言うルールに変更しなさい。
3つ目に資本の自由化
一旦中国に投資されたお金、中国国内で儲かったとしても、海外へ持ち出すのが非常に困難、つまり中国で儲けても国外に持って帰れない、それが企業の撤退や企業の資本移動の自由の障害になっている。中国で儲けたものをもう一度中国に投資する以外無かった。これを止めてちゃんと持ち出せる環境にしなさい。
これがアメリカが要求している三要素
この3要素を中国は今までやると言いつづけてきて、将来的にやりますよといい続けてきて、何一つやっていないし守っていない。
これがアメリカ側の言い分。
ですからアメリカは中国が改革開放、WTOに入ると言う過程において、約束してきた全てを守りなさい。
守れなかったら自由主義社会から出て行けというのが、アメリカの強硬な態度と言うことになるわけです。
そうして今まで守れなかったと言う理由から、絶対に守れるような仕組みを作る。
つまり時系列、何月何日までに何々がやりますと言う達成目標を作って、その過程を検査して出来なかった場合、全ての産品にいつでも関税をかけられる、場合によっては、その関税率をさらに引き上げることが出来る。
中国はこんな要求を守ってしまえば、中国共産党支配が瓦解してしまうので守るわけにはいかない、今この戦いが行われていると言えます。渡辺哲也
こんな話聞くと中国は強がりを言ってますが、追い詰められていますね。
アメリカは、どう転んでも失うものは無く得るものばかりです。
中国が足掻いても米国は手を緩めることはしません。
それだからこそ貿易戦争と揶揄されるわけで、勝つか負けるかしかありません。
そしてアメリカに交渉する時間は無限にあるということ、逆に中国は決断を迫られていると言うことです。