家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

なめこ貯金

2011年02月06日 | 山小屋・ログハウス

 

この週末、父と二人でなめこ菌の種付けをした。

桜の木にドリルで穴をあけ、ダボのような種ゴマを金づちで打ち込んでいくという作業。

平日に父が一人でやりはじめていたが、この日は大人一人では持ち上げられない大きさの太い丸太を処理したいというのでつきあった。

この桜は、高速道路工事にともなって切らざるを得なくなったもので、その情報を聞きつけた我が家がいただいてきたものである。幹の部分は板に挽いてもらうべく、現在は知り合いの製材所に置いてある。枝の部分をなめこの栽培用にした。

枝といってもひとかかえほどの太さがあったりするものがあり、たしかに一人ではどうしようもない重さで、運ぶのに大汗をかくくらいだった。

なめこは2年後くらいに収穫できるという。昨年しこんだ「しいたけ貯金」(LINK)とあわせ、「なめこ貯金」の満期がたのしみである。

たくさんのリアルドコモ茸一家(LINK)があらわれるかもしれない。

 


ミニビースト「カーニー」誕生

2011年01月23日 | その他

 

 学研の付録つき雑誌「大人の科学」の最新号(VOL30)の特集は「鬼才テオ・ヤンセンの世界」。昨年、VOL29の次回予告のページを見て、「付録がストランドビーストとあっては、即買いするしかない」と決めていた。 

 ストランドビースト(STRANDBEEST)とは、テオ・ヤンセン氏が生み出した風をエネルギーにして動く人工の「生物」。CMでも使われたことがあるので知っている人も多いかもしれないが、知らない人は「テオ・ヤンセン」で検索してみてほしい。ストランドビーストの動画を見れば目が釘付けになることうけあいだ。

 さて、付録はそのストランドビーストの構造を踏襲した「ミニビースト」。プラモデルのように自分で組み立てるようになっている。雑誌発売日に即買いしたものの、この週末に組み立てた。

 

小さな風車で風を受けて、12本の足が不思議な動きをする。本物のストランドビーストから見たら豆粒のような存在で、そこがまたかわいい。横歩きするので「カーニー」という名前をつけた。

 

 いろいろ遊んでいるうちに面白いことに気が付いた。まああたりまえといえばあたりまえなのだが、「位置エネルギーも動力になる」ということ。すなわち、斜面に置くと、足を動かして降りていく。風車を回しながら…。この場合、風は抵抗力として働くのでゆっくりと動く。うちわであおいで動かすより、じっくりと動きを観察できて楽しい。

 私のようにSF少年だった人にはオススメの一品です。


インフレヘッジとしての山林

2011年01月16日 | 山小屋・ログハウス

 日本は資源のない国と言われる。
 ところが、豊富にある資源もある。
 一つは水、そのほかに、海洋資源、そして木材資源(山林)。
 水と海洋資源はともかく、木材資源は有効に活用できていない。売値が低くビジネスとしてペイしない状況だからだ。結果、林業は衰退し、資源として存在することが国民にあまり意識されない。
 最近、その「そこにあるけど役に立っていない」資源が役に立つシーンが来るかもしれないと思い始めた。

 ここのところ、欧州におけるギリシャ、アイルランド等の危機的状況などから、同様に大きな債務を持つ(国債を大量に発行)我が国の危機についての議論が目立つようになってきた。
 日本国債の暴落、そして超円安、ハイパーインフレ・・・資源を輸入せざるをえない国、日本は大丈夫か、なんて話。
 もしそうなったら大変な事態といっていい。原油価格が高騰、それにともなって国内加工品を含めあらゆるものが値上がりする。生活が困窮することは必至だ。
 しかし、そこで山林(木材資源)のことを思い出す。
 この資源はそもそも輸入しなくても自給できるもの。現在、自給率が低く輸入品が市場を席巻しているのは、円高で外材が安く手に入るからにほかならない。超円安になったら、状況は180度転換するではないか。どん底の林業の風向きが変わる。
 外材が円ベースで高騰すればするほど、国内材の価格競争力は高まり、ペイするレベルになる。とすれば、誰からも見向きもされていない山林が突如宝の山に変貌するわけだ。インフレに対するヘッジになる。

 一部の中国人が山林を買っていると聞く( 「まゆつば」との評もあるが)。水資源の確保ではないかなどという憶測や、国土を買いあさることに対する陰謀説もあるようだが、もし本当に購入しているのであれば、中国人は遠くない将来の超円安を見込んでいるのではないかと思う。
  経済成長が続く中国にとって、超円安となったとたん、日本材は俄然魅力的な「外材」になる。安い今のうちに仕込んでおけば将来大儲けできるという訳。中国人による山林購入を国家的陰謀などとするより、投資行為ととらえるほうがありえそうで逆に怖い。
 日本の国債は大半を日本国民が持ち、外国人の保有比率は小さい。そのことをもってして日本が破綻することはないという楽観的な論説を聞きもする。しかし、その自国民保有率の高さ故に流動性がいびつで、海外勢がちょっと買い込んで保有比率を高めたあとで一気に売りに転じれば暴落の端緒にすることができるのではないか。そして、超円安をひきおこす。中国人は、距離が近くて輸送費が安い日本材を安価で手に入れ、円安といえど資源としての山林は値上がりして資産価値は落ちず、大儲けしましたとさ、なんてストーリー。まったくのヨタ話とまでは言えないような気がする。

 中国人の話はさておいて、国債の暴落→超円安からのインフレという懸念が本当にあるのならば、山林という資源を社会的にもっと認識しておくべきではないかという問題提起をしておこう。最悪の事態の中の一筋の光明になるかもしれない。
 予期せぬ事態で役に立つのは、普段は重要に扱われていないものだったりするのはよくあることなのだ。

 さて、いつもながらの忠告はしておきたい。私はすでにほんのわずかながら山林を保持している人間である。ポジティブシンキングの技術もある(関連エントリ→LINK1 LINK2)。
 言説に含まれるバイアスの存在(関連エントリ→LINK)は読み手として十分に注意を払ってもらいたい。


あけましておめでとうございます 2011卯年

2011年01月01日 | その他



昨年に引き続き、つたないお手製年賀状で年賀のあいさつとします。

私は今年も廃番製品となったプリントゴッコを使う物好き者。
昔気質の私はせっかく出すのだからと、宛名は手書き、書面もオリジナル図案で、デジタルデータ化していない年賀状をあえて作る朴念仁。
プリントゴッコの消耗品はだんだん手に入れにくくなっていて、逆に希少性があることが気に入っていたりする。


さて、今年はちょっと面白いことを始めるつもり。
よい年になりますように。

<おまけ>
縁起もので、とれたての元日風景を。



ろくさんのIDカードホルダー

2010年12月31日 | レザークラフト

 

 ろくさんのIDカードホルダーができあがった。
 Pさんのジョッターメモ付きIDカードホルダーのエントリ(LINK)を見たろくさんから熱心なアプローチを受け、条件が折り合ったため、制作をお受けした。
 制作にあたって打ち合わせした結果、仕様は以下のように決まった。
・IDカードを2枚収納
・ジョッターメモ付属
・名刺入れ付属
・コインホルダー付属
・写真入れ付属
・ペンホルダー付属
 ペンはWalkiePenのBoldタイプ
・リール付きストラップ
・色調は黒
・ステッチの色はダークグリーン
 いろいろ盛りだくさんである。それでいて見た目をシンプルにするという条件。
 作り手としてはなかなかやりがいのある案件となった。

 Pさんのカードホルダーと大きく異なるのは、Pさんのが1枚の板状だったのに対し、2つ折り構造になったこと。
 これはIDカード、写真、ジョッターと、露出させる必要がある面が3つあったからだ。1枚の板状だと露出する面は2つしかとれない。2つ折り構造なら4面とれる。先ほどの3面以外の残り1面は名刺入れとコインホルダー用に使った。
 一見、目立った特徴のないIDカードホルダーであることがむしろ特徴といっていい。これに前記の機能をすべて盛り込んであるのだ。

 正面はIDカード、裏面はジョッターとなる。首から下げていて、ひっくり返すとすぐにメモがとれるようになっているのはPさんのカードホルダーと同じ。
 ジョッターの下の位置(使うときは上になる位置)にペンホルダーがある。ペンホルダーはIDカード面から見えないように配置することでシンプルさを実現している。

 

 2つ折りを開くと、写真入れと名刺入れがある。名刺入れの表面にコインホルダーを設置した。
 コインホルダーはPさんのとは違って犬のような顔になった。できるだけ厚さを抑えるため、ホックをつけるのに「ハンシャ」という金具を使ったことがきっかけになった。

 

 通常のホックはボタンのように盛り上がっているが、ハンシャはフラットである。普通ハンシャは隠れる位置に使うもので、市販品では見える位置に使ったりはしてしない。しかし私は、犬の「目」に見立ててしまえばこんなふうなスタッズ的に使ってもいいと考えた。無手勝流の強みである。

 

 あと、Pさんのカードホルダーと違うのは、カードを保護する入れ子構造の透明ホルダーである。Pさんの場合、私のポストイット付きIDカードホルダーと同様、ソフトな塩ビ製のものを使ったが、ろくさんのはハードなPET製のものにした(B8サイズ)。これは5枚入りで安く売っていて大手文具店なら手に入る。煤けてきたらいくらでも差し替えが効く。
 写真もこれに入れて収納するので、2つの透明ホルダーが入れ子となる。この入れ子は本体の「芯」の役割を果たす。

 さてこの作品、私の制作工程は終わったことになるが、実はまだ完成ではない。
 内側の写真入れにろくさんのご家族の写真が入り、革がろくさんに馴染んできたときに完成となる。本当の完成に仕上げていくのは作り手ではなく使い手なのだ。
 その点は家作りと同じだと思う(参考エントリ→LINK)。

 受け渡しのとき、ろくさんから「満足した」との言葉をいただいてほっとしたが、心に残った言葉が他にもある。

    「この作品はgaraikaさんから見た私なんですよ」

 深い。
 確かに黒のボディにダークグリーンのステッチは自分の持ち物であったならば、採用しそうもない。なにより、このような機能の組み合わせは使い手のコダワリがなければ現れるものでもない。依頼主と作り手がゼロから作るフルオーダーだからこそできる作品なのだと思う。
 ろくさんとは「市販品には100%満足できるものがなかなかない」というようなところから会話が始まった。私は「市販品というのは80%の人間が80%くらいの満足度を得ればかなり上々の商品になるけれど、残り20%の満足度を得ようとすると、今度は多数の人が満足できなくなる」というような解説をした。
 私は逆に、そういう残り20%を埋めるための作業から面白いモノが生まれてくる気がしている。万人に受ける商品より、思い入れの強い一部の人に受ける商品に興味がある。
 だからオリジナル性がある仕様だと、やる気が俄然高まる。打ち合わせ時にいろいろな提案をして、オリジナル性を増幅させたりする。その過程で注文主の個性が作品に盛り込まれていく。最初はPさんのと同じものを売って欲しいというろくさんだったが、違うものを作ることになって本当に良かった。
 「この作品はgaraikaさんから見た私なんですよ」
 という言葉はそのとおりかもしれないなあと思ったのだった。

   




カケヤの音が響く朝

2010年11月27日 | 建築現場記録
 
 隣地の住宅が上棟中。
 昨日8割がた終わっていた感じだが、今日は残りの部分をやっている。
 カケヤの音が響く。
 私はワークショップでこうしてPCを打ちながら上棟をリアルタイムで見る。
 これも面白い。
 施主の姿が見えないようだが、私だったらきっと最初から眺めているだろうなあ。

やまぼうしの紅葉 2010秋

2010年11月21日 | やまぼうし
 秋も深まり、我が家のやまぼうしが色づいている。
 といっても、例年と比べると「赤」の鮮やかさに乏しい感じがする。今年はとんでもない猛暑だったせいか、別の庭木(常緑樹)も葉がこげたようになっている部分がある。そのように気候のせいだと思いたいが、花を2回咲かせたりする気まぐれなやまぼうしなのでなんとも言えない。

 やまぼうし連合aiai理事長のところは赤々とした写真がアップされていて、何ともうらやましい。

風通しがいいことの良さをうったえる

2010年10月29日 | 家について思ったことなど
 私は家作りにおいて風通しを重視したことはこれまでも何度か紹介している(関連LINK1LINK2LINK3)。
 私のような一般人の発言では訴求力もたかがしれているなあと思っていたのだが、著名人の発言を収録した記事があったので紹介する。

日経ビジネスオンラインの記事

「椎名誠さん 家族とともに移り変わる風通しのいい暮らし」より
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/a0a0/106889/
***************************************************

「風通しに関してだけは、業者との話し合いに僕も参加したんですよ。というのも、そのころは日当たりばかりが重視されていたけれど、僕は実地体験から風が大切なんだって知っていた。外国に行く機会が多いので、いろいろな国の家造りの工夫を見たりします。例えばバリ島の家なんか、石造りで頑丈にできているんだけれど、実に涼しい。聞いたところ、風の流路を考えて造っているからだと。そこで業者に相談して、風の縦の流れと横の流れ、両方を確保するように計算して、風の入り口を多く作ってもらった。これも成功しました。今年の夏は酷暑だったけど、わりと平気で過ごせましたよ。」

***************************************************

 どうだろう。風通しに興味をもってもらえただろうか。
 最近は、一部のハウスメーカーやビルダーが自分達が建てる住宅の強みの機能を訴えるあまり、施主達がその機能ばかりに目が向かされて他の機能がないがしろにされているケースが増えているように思う。
 例えば、風通しという機能は、断熱・気密の性能をピーアールする上では不必要なので、高高住宅をもてはやす昨今は話題に上ることは少なくなっていそう。Q値はどう、C値はどうということばかりが施主とメーカーの間で会話され、椎名誠のように風通しについてつっこんだ打ち合わせはしていないんじゃないか、なんて思える。
 断熱も気密も機能として大事であることはそのとおりとしかいいようがないが、一番大事なことは各機能が高水準でかつバランスよく考えられていることではないだろうか。

 地元のTVでは、「耐震」に絶対の自信があるメーカーが、耐震以外の機能を文字通り切り捨てるようなCMを流している。
 一点強調型のブランディングなのだろうが、施主としてそうしたものに変な影響を受けて、家の機能のバランスを崩すのはいいこととは思えない。

 なお、上記記事は住宅メーカーとのタイアップ記事と思われるが、それらメーカーが風通しを重視しているかどうかは私はよく知らない。住宅を建てようと考えている人を本のプレゼントで呼び寄せるマーケティングに過ぎず、メーカー自身は記事の内容にこだわりがない可能性は否定できない。その点はご注意のほど。

開運宝くじ入れ

2010年10月03日 | レザークラフト
 
 ずいぶん前に購入した黄色い革の使い道を考えていて、ふと思いつきで宝くじ入れを作ってみた。
 風水などでは黄色は金運につながるとして、財布を黄色にした製品を売っていたりする。そこから、宝くじ専用の入れ物を黄色で作ってみるのはいいかも、と思ったわけ。
 2枚のパーツを張り合わせてハトメリングを付けただけの超シンプルなものである。ハトメリングにはストラップを通し、やはり金運につながるパワーストーンを付けてみようと考えている。
 
 先日購入したオータムジャンボ宝くじを入れた。さて・・・。

日本銀行と養生シート

2010年09月07日 | その他


 日本橋本石町にある日本銀行本店の脇の通り(通称:日銀通り)はちょくちょく行き来するが、最近、気になることがある。
 日銀の建物の窓を補修するために目張りしている真っ青な養生シートが目障りなのだ。

 日本銀行本店は明治の建築界の重鎮である辰野金吾が設計、明治29年(1896年)竣工の重要文化財である(※)。
 風格のある建物で、たまにファッション雑誌が海外の街角に見立ててモデルの背景として撮影に利用しているくらい。そういう建物に、なんでまたこんな下世話な色の養生シートを張らねばならないのだろう。

 かつて我が家の水まき用のホースの選択にあたって、ホームセンターでのホースの色揃えの悪さについて問題提起したことがあるが(関連エントリ→LINK)、その時のコメント欄でもm-louisさんからホースのほかに養生シート(ブルーシート)も色揃えが悪いとの指摘があった。
 こうして重要文化財にあわせて見てみれば、色のセンスの悪さが一目瞭然である。
 みんな不思議に思っていても一向に改善されないものが世の中にはいくつもあるが、この養生シートの色もそんな部類に属する。
 
 養生シートが多色になれば、一般人のレジャーシートにも使えるはず。
 花見の時など、場所取りで真っ青な養生シートが全面に広がって自分の仲間の場所がわかりにくいなんてことがあるが、5色ほどもバリエーションがあればずいぶんわかりやすくなるだろう。
 運動会などの学校行事でも、クラスごとにシートの色を変えたりすればクラス対抗っぽさが強調できるし、なにより華やかになっていい。

 ベーシックなものを多色展開するのが得意なユニクロのような発想をする建築資材メーカーが出てきてもよさそうなものだと思う。


(※)ちなみにGoogle Mapの航空写真で見ると日銀の建物は「円」の字になっているというのは有名なトリビアだが、竣工当時の¥の漢字は「圓」であり「円」を意識したものではないらしい。