「あけましておめでとうございます」
我が家は正月を
古屋で迎える。
酔狂にも、昔の人と同じような手間をかける。
大き目の長火鉢に鉄瓶を置いて湯を沸かす。
しんしんとやさしく湯気をあげるさまは炭火ならではの情緒。
雪見障子から庭をながめながら、お屠蘇を飲んで手作りのおせち料理をつまむ。
自分たちでついたもちを使った雑煮を食べ終わるころに、年賀状が届く。
それをネタに家族であれこれ意見を交わす。
「ハレ」の場として古屋のよさをしみじみと感じる瞬間である。
我が家の高度成長期以前の「日本人ぶり」には自信がある。
セルフタイムスリップとでも呼べるかもしれない。