忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

立憲・小川幹事長「『立憲共産党』のレッテル貼りは誹謗中傷。極めて失礼」

2024年10月11日 | 随感随筆


2015年の流行語大賞は「爆買い」だった。きんきらきんに着飾った大量の中国人が何百万使ったとか、高品質の炊飯器を何個買ったとか、まだまだデフレでしんどい日本の庶民は昼飯に280円の牛丼を喰いながら、中国人がたくさん来て儲かったね、と上から目線のマスコミ報道に辟易していた頃だ。

ちなみにその年の流行語ベスト10に「アベ政治を許さない」もあった。受賞したのは社会運動家、というか左翼運活動家の澤地久枝。もちろん「9条を守る会」の呼びかけ人でもあるが、このフレーズは安保法制反対集会で用いられたプラカードになった。ステッカーやTシャツにもなっていたから、嫌でも目に入ることになった。

「許」だけが大きく書されたバランスの悪い、下品な文字だと思っていたら、揮毫したのは現代俳句協会名誉会長の金子兜太だった。「アベ」をカタカナにした理由は「漢字がもったいないから」。ふたりとも100歳に届く年頃ながら、いつまで経っても困ったもんだった。

安倍さんだけでもなく、自民党の総理大臣は「増税メガネ」とか「ゲル」とか揶揄われることが多い。しかし、マスコミにも「こう言われてますけどww」と聞かれても大した反応もしない。大人の対応、横綱相撲かしらんが、反応するのは河野太郎くらいで、あとは聞き流している。与党だから仕方がない、政治家だから反応しない、ということだが、それにしてもとくに「安倍さんには何を言ってもいい」は蔓延っていた。

安倍さんの顔を模した面をブルドーザーで引き潰したり、太鼓鳴らして「アベヤメロ」と連呼してもいい。山口二郎が反対集会で「人間じゃない、叩っ斬れ」も許された。ところで、これを「切り取りだ」とする論調もSNSであって驚いたが、ちなみに該当部分は

「昔、時代劇で萬屋錦之介が悪者を退治するときに、「てめーら人間じゃねえ!叩き斬ってやる!」と叫びました。私も同じ気持ち。もちろん暴力を使うわけにはいきませんが、安倍に言いたい。お前は人間じゃない!叩き斬ってやる!民主主義の仕組みを使って、叩き斬りましょう!叩きのめしましょう!」

である。日付は2015年8月30日。場所は国会議事堂前。切り取りも塵取りもない。そのまんまなわけだが、本当に暗殺されてしまうと「国葬反対」くらいで大人しいもんだった。いったい、ナニを言うのかとビクビクしていたが拍子抜けもいいところだった。代わりに島田雅彦が「暗殺が成功してよかった」で有名になったが、これらが共に大学でモノを教えているという。本当に学生諸君らには「反面教師」という日本語があって良かったという他ない。

公明党じゃなくて自民党、それも安倍政権に対しては、明確な悪意に基づく誹謗中傷も許されていたわけだが、この対象が野党第一党ならばすぐに怒るのも特徴的だ。立憲の幹事長になったばかりの小川淳也も会見で怒っていた。なんでも「立憲共産党」と呼ぶな、ということらしい。内容はこうだ。よく読んでみたい。

「立憲共産党というレッテルを貼りたがる方々がいるが、立憲共産党という政党はこの世に存在しない。この言葉を悪意なく、意図なく、故意なく使っている人に、私は会ったことがない。分断をあおり、ある種のちょっと「侮辱」という言い方が当たっているかどうかわからないが、野党の協力態勢ができることを嫌がっている人たちがいるのだろう。ある種の誹謗(ひぼう)中傷だ。政党の名前を勝手にもじったり、揶揄(やゆ)したりするのは、その後ろにいる何百万人、何千万人という有権者の存在に対する想像力が欠けた、極めて失礼な態度だ」

「死んでくださ~い」とSNSで発した非常識を消費されるタイプの女芸人が総スカンに叩かれて消えたが、こんなもん左翼活動家崩れの大学教授と比したら可愛らしい冗談の類だ。先ず、死んでくださ~い、とされた対象者は生きている。過日、元気に走っていたが、立憲民主党に対して「立憲共産党」とおちょくるのが誹謗中傷なら、かつての安倍政権に投げつけられていた悪罵はなんだったのか、と誰でも疑問に思う。典型的な左巻きの特徴でもある「自分は何を言っても許されるが、自分にナニか言うのは許さない」である。

真面な有権者は「そういうところ」に呆れ果てている。今回も自民党をぶっ壊したいが、ぶっ壊してしまっても大丈夫なんだろうか、と二の足踏んでいる原因は野党の体たらくである。「自民党の最大の支持団体」と囃される真因がこれである。上から下まで客観性が死んでいる。どうりで消費税以下の支持率も気にならないはずだが、そういえば、それで思い出したことがある。

2年ほど前になるか、文春オンラインが名古屋の焼肉店の個室で会合した立民県議らが帰ったあと、個室に人糞が置かれていた、と被害届を出した件を報じると、アカウント名「パンパカ工務店」と名乗る人がSNSで「驚異の下ネタ団体・脱糞民主党」とおちょくり、ロゴマークの一部を排泄物のようなデザインに変えて発信した。

これを立憲民主党が名誉棄損で訴えた、というから文春オンラインが相手だと思ったら、なんと、一般人である発信者を訴えたから、みんな驚いて脱糞しそうになった。

今年の5月、結果が出ている。当然ながら不起訴処分だったそうだが、腐っても野党第一党の公党が一般人を刑事告訴するという現実に対して、これはやはり、政権取らせるわけにはいかない、と判断する他なかった。小西や杉尾みたいなのもいるし危なくてしょうがない。

ところでこの件、当時もいろいろと疑問だった。思い出したので書くしかないということだが、先ず、なぜに訴えるなら文春じゃないのか。なぜ「やっていない」なら立民県議らが菓子折り持って店主に謝罪に行ったのか、党内に箝口令を敷くのではなく、きちんと説明する姿勢がなかったのはなぜか、なども気になるが、当時の記事などから更に思い出してみたい。

尾籠な話で恐縮だが、発見した従業員の証言も興味深い。もちろん「モノ」はトレイに流されており「物的証拠」はない。せめて「現場」にクリーニング入れる前にDNA採取の機転は欲しかったが、現場は飲食店個室であるし、臭くて不快だし、取り急ぎ、なんとかしたかったのも理解できる。いや、もしかすると誰かがデッシュか何か、拭き取って保存しているのかもしれないが、妄想はともかく、発見した従業員は「こぶし大」の大きさであり、便臭はきついものであった、と証言している。

先ず、モノは「こぶし大」である。おそらく読者諸賢も大便はすると思うから、ちょっと思い出してほしい。周知のことだが健康な状態の便はいわゆる「バナナ便」という。説明はしない。この場合の問題は大きさではなく、形、そう「こぶし」である。つまり、丸かった。

高齢者などにみられる弛緩性便秘の場合、それも運動不足などで腸の活動も弱まることから便は「丸く」なる。当日、個室を出てすぐにトイレに行った「少し年配の人」がいる。文春オンラインが「故意ではなくても、その人が漏れたんじゃ?」と質問するも、現場にいた県議は「そんな年ではない。健康に問題はない」「合流する前もデパートに行ったりしている」「育ちもよくてそんなことするわけない」と答えているが、この返答にはなんら説得力はない。

2017年に「ユニチャーム」が便失禁についてアンケート調査したところ、男性の22%ほどが「最近半年以内にあった」と答えている。年代別でみると「40代~50代」が最も多い19.3%だった。もちろん、私も経験がある。すまん。20代の頃に元旦早々もやった。

この「すぐにトイレに行った少し年配の男性」のことを県議は「定年前」としている。つまり、50代後半だ。全然おかしくない。恥ずかしいかもしれないが、世の中、仕方のない時もある。放置して知らん顔がもっと恥ずかしくて仕方なくないだけで、人間だもの、そういう時もあるわけだが、個室の清掃に入った女性従業員が店主を呼びに来て、扉を開けた店主は「強烈な臭いだった」と証言している。

便臭は腸内細菌によって分解された結果、スカトールやインドールという物質になる。これが便臭の正体だ。当然、便秘で腸内滞留の時間が長いなら臭いは増す。

立民県議らの言い抜けが臭すぎて鼻をつまんだ店主は「謝ってほしいんじゃなくて、先ず、その前に本当のことを言ってほしい」として被害届を出している。おまえら臭うぞと。


政治家の大好きなワードに「説明責任」がある。もちろん「その場その時」に、いや申し訳ない、いい歳こいて粗相をしてしまいました、と謝って秘書と共に片付け、翌日に自分お金で個室内をクリーニングさせてもらい、改めて謝罪を行っていれば、店主も快く許してくれたはずだし、事実、そう言っている。

そして政治家らしく、立派に説明責任を果たす。

例えば、

私は加齢と運動不足による弛緩性便秘でして、めずらしく昼間歩いたのと、そのあと、いつもより多量に食事をしてアルコールも飲んだことで、おそらくS状結腸内に滞留していた便塊、いや、これは弁解しているのではなくて便の塊ですね、これが大蠕動によって直腸に一気に押し出され、それにより私の排便中枢が刺激されて排便準備状態となりましたが、もうこの年で運動不足でしょう、内肛門括約筋も外肛門括約筋もゆるゆるでございまして、高まった直腸圧力に抗えなかった結果、このように便失禁ということになってしまいました。食事をする場所で大便、いや、これは秘書に代弁させるとかではなく、ともかく、大変申し訳ございませんでした、

とでも言えば説明責任は果たせたし、被害届を出されることも、文春オンラインに抜かれることもなかった。

というか、53歳にもなってまだ昨日の仕事も残っているのに、朝の5時から何故に私はう〇このことばかり書いているのか不安になったが、ここまで読んでいるあんたも相当なもんだということで、この件、最大の疑問に触れておきたい。それは、



なぜ、ズボンの中にしなかったのか。



言うまでもなく、これが最も被害が少ない。秘書にだけこっそりと伝えてなんとかなった可能性もある。周囲が薄っすら気付いたとしても、そこはいくら立民県議といえども小学生ではない。取り囲んで指さしてわぁわぁとやらないだろうたぶん。そして「敷き潰さないよう」に工夫して車で帰宅するとか、なんかあったはずだ。それをせず、まさかの個室内でぺろんと尻を出すという行動(想像です)に唖然とするが、あ、また、思い出した。


そういえば「アベ政治を許さない」が流行語にノミネートされた同じ2015年。イギリスのバーバリー本店前で中国人親子が、何ら躊躇いもなく、子供に排泄させたとして動画が拡散されたことがあった。中国を知る人は既知であったが、タイでも韓国でも台湾でも、中国人というのはどこでも尻ペロンして排便するのだと世界が驚愕した。クアラルンプールのポート・ディクソン海水浴場でいきなり、浜辺で尻ペロンして中国人の成人女性が排便してびっくりさせた。マレーシア人も「猫でもトイレに行くのに」と嘆いたが、世界でも稀有な「大便禁止」のポスターが貼られる国(都市部)である。電車の中で腹が立つマナー違反の4位とかに「子供に大便させる」が食い込む国である。

ま、まあ、なるほど、ということか。


ところで「アベ政治を許さない」を揮毫した金子兜太大先生。先生のお父さんも有名な俳人で俳号は「伊昔紅(いせきこう)」だとか。

有名な代表句がある。

「元日や餅で押し出す去年糞」

ま、まあ、なるほど。そういうことか。




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