忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

自民、本会議壇上で叫んだ山本氏らに懲罰動議検討

2022年02月23日 | 忘憂之物




エジプト南部、スーダンとの国境近くにあるヌビア遺跡。ここにあるのがアブ・シンベル神殿。世界遺産に登録されている。毎年2回、10月22日と2月22日、太陽光が神殿内部を通過して冥界神であるプタハの像を避けて、神殿の壁と残る3体の神の像を照らす。実に神秘的ではある。

たぶん、昨日の2月22日も賑わったと思われるが、日本では竹島の日だった。NHKは朝から「猫の日です」としか言わないが、民放でも「忍者の日ですね」とか「食器乾燥機の日でもあるんですよ」とかおちょくっていた。それなら8月15日、NHKが一日中、日本は悪かったと報道する日だが、その日は「今日は刺身の日ですね。それでは沼津の漁港から美味しいお刺身をレポートします」とすればよろしい。普通の日本人が不気味がりもしない。

ところで昨日の竹島の日。日本の衆院本会議場では令和4年度予算案が通過していた。国会議員の投票にて賛否が問われるが、反対なら反対の票を入れて帰るだけのことができないのがいた。相も変わらず「正しいことをやっている、言っているんだから、少々のルール違反も仕方がない」というスタンスだ。

自分の言い分が通らないと、相手を蔑むか、罵倒するか、レッテルを貼るか。絶対的に正しいのはこっち、完全に間違っているのはあっち、という思考はもうがちがちに固まっているんだろう。

2013年10月31日。ちょうど「犬の日」の前日だが、山本太郎は秋の園遊会で当時、天皇陛下であらせられた上皇陛下に手紙を手渡した。全日本人、ドン引きの日だった。とりあえず、周囲の人は戸惑いながらも、何の手紙だったのか聞いたら「福島第一原発の現状だ」と口を尖らせていた。

本人は「意識していなかった」とのことだったが、たぶん、田中正造を真似たんだろうと言われていた。私は違うと思う。「意識していなかった」も違うと思う。そんなの知らなかった、が正解だと思う。

12月10日といえば「アロエヨーグルトの日」だが、1901年のその日、東京の日比谷で帝国議会開院式から還幸中の明治天皇陛下に直訴しようとした事件だ。もちろん、警備に取り押さえられている。

手紙の中身は「足尾鉱毒事件」だったが、田中は直訴する前、妻に離縁状を送り、釈放後の手紙には「12月10日に死ぬはずだった」と書いている。田中正造はその年の10月に議員も辞めているが、山本太郎はまだ、本会議場での投票の際に叫んでいる。類は友をナントカ、今回はトリオだった。

「直訴事件」のとき、さすがにいろんな識者が批判していた。「天皇の政治利用だ」とか「現行憲法における天皇の役割をわかっていない」とか。ましてや「原発問題」という国民世論が分かれる事柄において、天皇陛下を巻き込もうとする非常識に世間は驚いていた。

せめて田中正造は議員を辞めて「一般人」だったが、山本は現役の国会議員だった。福島瑞穂でも「死刑反対」とか「ジェンダーフリー」とか天皇陛下に直訴しないと思われるが、国会議員ならば「国会でやれ」と言われるだけのことだった。メディアでやるもよし、講演会でやるもよし、日本は言論の自由もある。そのための政党政治でもあるとか、散々に叩かれていた。

しかしながら、多くの日本人が驚いたのはもっとシンプルな理由だった。

要するに「畏れ多い」がわからない、ことに驚愕した。ましてや「園遊会」である。その「場違い」に絶望的、且つ、危険性の高い小児性をみた。また、薄ら呆けたような警備にも不安が生じた。つまり、その場で取り押さえてもよかった。冗談抜きに、アレが手紙でなかったら、と背筋が凍ったのである。丸めた手紙になにか付着していなかったか、と案ずることは至極当然である。なにかあってからでは遅きに失する、の極みだった。


「あって当然」の有難さは「失ってみなければわからない」とも言われる。ほとんど賛成してもいいが、日本国における皇室の有難さだけは例外だ。何があっても絶対に護らねばならない。絶対に皇統は護らねばならない。



実は昨日、2月22日のアブ・シンベル神殿には太陽光は指していない。また、10月も2月も、22日に王が生まれた日、即位した日などと言われているが、なんの根拠もないらしい。太陽光が伸びて冥府神を避けるのは、実は翌日とのことだ。つまり、2月23日。今日は天長節だ。私は肉を焼いて酒を飲む。



今日けふの吉よき日ひは 大君おほきみの。
うまれたまひし 吉よき日ひなり。
今日けふの吉よき日ひは 御みひかりの。
さし出でたまひし 吉よき日ひなり。
ひかり遍あまねき 君きみが代よを。
いはへ諸人もろびと もろともに。
めぐみ遍あまねき 君きみが代よを。
いはへ諸人もろびと もろともに。







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