昭和建築学会


昭和の建築物や路上にあるオブジェなどを中心にご紹介します。

昭和建築学会 第20回 三重県玉城町旧歓楽街をゆく 2

2013年12月16日 | 建築

気を取り直して、再び旧歓楽街へ戻ろうとした。

しかし、わたしを待っていたのは、このような道であった。

 

 

都市計画からいつの間にかはぐれてしまった街、「ぬけられます」と書かれて決してぬけられない迷路のような道……。

 

 

 

再び路地。

路地にあるいろいろと面白いものたち。

 

 

このコンクリートの水槽は、かなり年代を感じさせる。昔は何に使われていたのだろうか?

今は紅いめだかが泳いでいた。

 

 

この家の人はかなり几帳面な人なのか? 雨樋のパイプが面白く固定してある。

 

 

一瞬考えたが、これはまさしくトイレですね。便所という言葉が似つかわしい。

 

ところで、これは先の家のものではない。

 

 

 

手前に、ありふれたトマソンがあり、そのむこうに、なんとコンクリートの円形でない蓋のついた便所のふたがあるのだ。溶けたちり紙が汚っぽい。

この、穴と蓋に何やら歴史が感じられた。

 

 

ところで、脱線するが、わたしが愛して止まない波形トタン、しかもかなり錆びている物件を発見。

 

 

ただし、キリコタイプととらえるのにはかなりむりがあって、側面に屋根の斜面を見せる独特のびんぼーなつくりとなっている。

 

また、違う物件。

 

 

エアコン室外機が、格子で囲まれている。

狭いながらも一戸建てなのである。

格子縞がきれいだな……。

 

 

同様に、木で作られた消化器入れ。これもなかなか年代物ですぞ。

 

 

 

灯油のタンクらしきものと、エアコンの室外機らしきものが、竹で編まれた塀に囲われている。

しかも、堂々と庇まで設けられているのである。

 

 

下の、マンホール状の蓋を押さえているつもりなのだろうか、まっ赤なれんがが唐突に現れて1枚撮った。

ああ、きれいだな。

 

 

こういう玄関のデザインを見ると、遊郭風に思えるのであるが、結論は急いではならない。

熟考すべきである。

 

 

この建物もそう。タイルに、壁にはめ込んだ硝子のブロック。

単純に遊郭風と決めてはなりませぬ。

 

普通の物件に戻ろう。

 

 

窓の戸袋と思いきや、そうでもないらしい。

しかし、この戸袋に見えた出っ張りの部分にも、庇が……。

 

 

そのぜいたくな庇の下方には、くみ取り式便所のあとが。

 

 

かなりぼろいが、一階はつながっていて二階が別れている。

二世帯住宅の元祖?

 

お地蔵様の近くであったが、こんなにもわたしが惹きつけられる物件に出会うとは……。

 

 

ただの廃屋とはお思いなさるな。次の1枚をご覧いただきたい。

 

 

反対側から撮ってみたのだが、なんとパラボラアンテナ装備ですぞ。

 

もう少し正面に寄ってみた。

 

 

建物自身がもうトマソンなのである。

 

ところでその右手を見てみた。

 

 

洗濯機だけではなく、なんと乾燥機さえ動いていたのである。

洗濯機が二槽式であるので、時代がしのばれる。

 

 

手前には、鮮やかな緑の流しが!

これもアールというのか。縁が丸くなっているのがなかなかの時代物である。

もしや、遊郭で……。(つづく)

 

 

 

 



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