鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第八番浮遊大陸戦線ー第六話(最終話②)

2019-11-05 15:26:00 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



宇宙戦艦ヤマト2202外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー

第六話(最終話②)


ガス雲を抜ける間際、立て続けに二隻を爆沈で失い、更に追い打ちを掛けるように四隻を失った。



「……。」
「管制艦橋、無人艦隊の隊形を解除、散開せよ!」
「第二戦速から速力いっぱいへ上げ、各個に砲撃を開始せよ!」
「それと艦長席に管制パネルを転送し、連動させよ。」

「了解!」

「通信士!第一から第三コスモ零隊に通達!全機、旗艦紀伊より、離脱、各個に足遅い艦艇から沈めよ!」

「了解!」

土方の頭に甦った古代らの会話から、空間を跳躍する兵器=火焔直撃砲の対策案を土方なりに試みていた。

艦隊を散開させ、速度を上げる事で各艦のコントロールは難しくなるが、相手は座標設定が困難となる。
そして、もう一つ思い出した事がある。





「速度が、速度が速すぎる!」
「コントロールに支障が!」

「落ち着くんだ!管制が焦っては勝てる戦も勝てん!」
「儂が、この土方がサポートする!」
「自分たちの能力を信じるんだ!」
その時であった目の前の空間が時空間変動の兆しを伺わせた。
「グニャり。」と僅かに歪んだ。
土方は転送されたコントロールパネルを見つめながら、チェスの駒を動かすように歪んだポイント前のドレッド・ノート級を一マス右に動かした。
火線が霞めてゆく。
狙われたドレッド・ノートの撃沈はまのがれたが、かなりの被弾が伺えた。

「管制!土方だ!」
「そちらでも確認出来たと思うが、あの火線は空間跳躍する時に兆候が見られる!そのタイミングで二マス動かすんだ!」
「二マスなら被弾は無いはずだ!」

「了解!やってみます!」



「………。」
「当たらぬ…が、しかし地球艦(テロンのふね)は戦闘機か?」
「これだけ入り乱れて動き回れては、火焔直撃砲も役に立たぬか。」

「ポランド!サフォーク!聴こえるか?」
「あの一番デカイ地球艦(テロンのふね)の足を止めろッ!!」
「なぶり殺しにしてくれる!!」

「ブンブンと五月蝿いハエどもは大陸の奴らに任せておけ!」


【第八番浮遊大陸占領部隊・第三都督ジャジャ】イメージ


【ジャジャ】
ガトランティス第七バルゼー機動艦隊第747偵察隊所属。
第三都督。(浮遊大陸占領部隊指揮官の一人で三番目の都督。)
都督に昇格した事で、メダルーサー級殲滅型重戦艦メガルーダーを与えられた。
特務偵察隊司令で自身が座乗するメダルーサー級ジャジャ艦の艦長を兼任する。
女性型複製体。(クローン兵)
年齢は地球人に換算して24歳相当。
紅い髪色でロングヘアが特徴。
瞳は黒。
※純粋体ではなく複製体サーベラーのD.N.Aを遺伝子組み換えを行い造られたクローン兵。



「ジャジャ様は相当、ご乱心のようだな。」
「そのようで。」
サフォークは「ニヤリ。」と笑みを浮かべた。



「沈め!沈め!」
「アハハハハハーーーッ!!」
怒りに任せ、巨大五連装砲を乱射するジャジャ。



「あの厄介な砲撃が止んだか。」
「航海士!速度を第一戦速に落とせ!」

「管制艦橋!ドレッド・ノートの速度を第一戦速に落とせ!」
「再度、砲雷撃戦を仕掛ける!」

だが、この土方の判断が、このあとに待ち受ける惨劇を生む、きっかけと成ってしまう。

「機関区に被弾!」

新たに命令を下した矢先、紀伊は機械区に直撃弾を喰らってしまう。
火星アステロイドエリアで一戦を交えた、ククルカン級と大陸に戻り、同じくククルカン級を与えられたサフォークの艦にガス雲を利用され、回り込まれていたのだ。

「後方へ回り込まれた!」

「……奴ら、いつの間に。」
土方は目を細め、呟いた。
「艦長!至急、機関区にダメージコントロールへ向かわせろ!」

「り、了解!」

「通信士!第三迎撃隊(山本隊)を呼び戻せ!」

「了解!」




「くっ!」
「此方、山本了解した!」

「第三迎撃隊、全機当該空間から離脱!」
「旗艦紀伊の護衛に回れ!!」

「ラジャー!」「ラジャー!」



「機関区、ダメージコントロール追い付かない!」

第一艦橋内は艦内報告と命令が乱舞していた。

「司令!あのガトランティス大型艦は空母の能力を有しているようです!」
「タイプ・デスバテーター12機、急接近ッ!!」

「対空防御!波動爆雷を撒き散らせ!」

「コントロール管制艦橋に被弾!!」
「半数以上のコントロールが不可能!!」

「機関長!機関区の状況は?」

「波動エネルギーの流出は止まりましたが、波動エンジンの出力は42パーセントまでダウン!」
「武器の使用を控えれば78パーセントまでの回復が見込めます!」

「もはやこれまでか…。」

「艦長。全コスモ零を帰投させよ!」
「遺憾ながら、当該宙域を離脱する!」

「えっ!?司令、今何と?」

「撤退だ。」

「撤退ですか?」

「そうだ。撤退だ。」
「コントロールを失い瞑想する艦隊が半数以上だ。これでは負けたも同然。」
「これ以上の犠牲者は出さん!」

「………。」
「了解しました。」
うつむき加減で艦長は撤退命令を下した。




「艦長!置き土産を置いてゆく。」

「管制艦橋!コントロール可能な残りの艦(ふね)のコントロールを切れ!」

「緊急ワープと波動砲発射準備!」
「目標!無人ドレッド・ノートアルファ隊!」
「航海士!波動砲発射と同時に緊急ワープだ!」



「総員!対ショックに備えッ!」
「波動砲、発射ーーーッ!!」


◆◆◆◆


地球初の無人艦隊旗艦:戦略・戦闘指揮艦紀伊は主機の故障に苦しみながらも火星圏にワープアウト。
任務を断念して火星アルカディアベースに入港した_。

一週間後、土方は地球連邦防衛軍中央司令部より、第十一番惑星へ出向命令が下された_。


~fin~




【メダルーサ級殲滅型重戦艦】

全長:505m

武装
火焔直撃砲×1門

転送投擲機×2機

艦首大砲塔(五連装大口径徹甲砲塔)×1基

主砲:大型八連装速射輪胴砲塔×3基

副砲:中型二連装速射砲塔×2基

対空砲:八連装高射輪胴砲塔×16基

艦首魚雷発射管×9門

量子魚雷噴進機×4機

艦載機数
12機
艦載機
甲殻攻撃機 デスバテーター




【ククルカン級襲撃型駆逐艦】

全長:190m

武装
主砲:中型八連装速射輪胴砲塔×5基

副砲:小型八連装速射輪胴砲塔×3基

対空砲:高射輪胴砲塔×10基(八連装型×2基、単装型×8基)

量子魚雷噴進機×2基


※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。