
二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第十三話
惑星要塞艦ゴルバから発射された四本の空間重魚雷は、デスラーズ艦隊の手前で突如、炸裂した。
「ん!?」
「雷跡、四つ!!大型です!!」
「重魚雷、扇状に広がった!!」
「何ッ!!魚雷だと!?」
「交わせッ!!」
「魚雷、1.000m手前で爆発!!」
「敵は相対距離を誤ったか?」
だが、それは意図的なものだった。
1.000m手前で炸裂した重魚雷の中から無数の小型ミサイルが散弾、前列に並ぶクリピテラ級10隻に被弾、内4隻が轟沈した。

「母星(ガミラス)を強襲した敵の次元潜航艦か!?」
「艦長!猟犬(フラーケン)を呼び出せ!」
「此方、フラーケン。何か?」
「大佐!敵の次元潜航艦が潜んでいるかも知れん!」
「探りを入れ、これを撃破せよ!」
「すぐに此方も対潜援護を行う!」
「ザーベルク!」
「…散弾する重魚雷、厄介だな。」
ガルは呟くように云った。
「艦長。タラン参謀に報告、艦隊幅を大きく取らせたし。」
「それと、儂が預かる全艦艇にも大きく取らせたよ。」
「ザーベルク!」
そんな矢先、再び轟沈、爆沈の報告が矢継ぎ早に飛んだ。
母星であるガミラス本土決戦と呼ぶに相応しい、戦闘で主力空母を失ったデスラーズ艦隊は、敵部隊の規模が分からず、残存する艦載機を温存、航空戦に備えた。
イメージ曲ブラックタイガー - YouTube
◆

「ハイニ。ピンガーを一度だけ打て。」
「アイサー。」

「カーーーン!」
「……どう思う?」
フラーケンは司令塔に居るクルー全員に問いた。
「…反響音は一つ。それもこの宙域、しかも暗黒ガス雲のかなり奥深い宙域(ばしょ)のように思えますね。」
「同感です。」
「ハイニは、どう思う?」
「奥深い宙域は同感。但し、敵はバカデカイ艦(ふね)に思います。」
「やはり、そう思うか。」
「少しばかし厄介かも知れんな。」
「ハイニ。親父(ていとく)に暗号を送れ。」
「小判鮫を三匹、よこしてくれと。」
「アイサー。」


「……大佐(キャプテン)。高速スクリュー音をキャッチ。」
「音からしてまた、四本。」
「うむ。」
「此方の位置を教えたようなものだが、まるで俺たちが居ないかのように、俺たちを無視してやがる。」
「空間(ようじょう)だけを狙ってやがる。」
「探査士。四本の重魚雷の予測、着弾位置、解るか?」
「勿論ッス。」
「よし。無線士、その予測位置を空間(ようじょう)の奴らに教えてやれ。」
「アイサー。ですが、暗号じゃなくて良いのですか?」
「構わんよ。」
「それが俺(こっち)の狙いだ。」
メルダーズの狙いは何か…。
あからさまにフラーケン大佐が操る次元潜航艦UX01が、存在しないかのような行動。
「舐められた感」が、フラーケン大佐の心にふつふつとこみ上げていた。
第十四話へ
つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。
つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。