嬉しかったこと

昨夜いつものように娘とSKYPEで話をした。
新学期前で比較的家にいる時間の多い娘と毎日のように話ができるしあわせ。

娘は、語学研修コースで在日韓国人の女子学生と知り合い、
二人で今の日本の政治について語り合い、娘も率直に自分の見解を語ったらしい。
そこで娘は「日本人であなたのような人と話をしたのは初めてだ。とても嬉しい」
と彼女に云われたと、夫に語り、それを私も聞いた。
ジャーナリストの夫は日本と韓国の問題をテーマにいくつもの取材をし、
ドキュメンタリー番組や本も出版していたし、
私も在日韓国・朝鮮人問題のTV番組の制作には一緒に参加していたので、
その娘の話は、私たち夫婦にとって感慨深かった。
それで昨夜、そのことを娘に云うと、
「お母さん、もっと感慨深いことを話してあげようか」と娘。
「うんうん、聞きたい」と私が促すと、
「あのね、昨日クラスのお別れパーティがあったんだけど、
　私ひとりで後かたづけをしたんだよ。
　パーティの主催者の方の餃子作りも見よう見まねで手伝った。
　家にいたときは、みんなが集まってもあまり手伝ったりしなかったよね。
　お母さんたちにまかせっきりでなんにもしなかった。
　でもここに来たら、そういうみんなを見ていたからかなあ、
　自然に体が動くんだよ」
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なんだかとっても嬉しかった。
そして娘の云うとおり、とても感慨深かった。
勉強に励んで「エクセレント」の評価をもらうことも、
どんな状況にもすぐになじんでしあわせそうな様子を知ることも、
些細な毎日の出来事をきくことも、
遠く離れている私にはみんな嬉しい。
でもこの話は格別だった。
大好きな友人たちとの楽しいパーティの席で、
好物のベイリスを飲み、勢い余って歌を歌い、楽しく歓談し、
なおかつさりげなく後かたづけをしている娘の姿を思い描いて、
愛おしくてたまらなくなった。
そんな女性になってほしかった。
割合と恵まれた環境にいた娘は愛されること与えられることに慣れて、
また私もきびしくしつけが出来るような母親ではなかったので、
一人でイギリスに送り出すとき心配な要素がなかったわけではない。
「可愛い子には旅をさせろ」とは、よく云ったものだ。
この一年の娘の成長ぶりが、素直に胸に染みた。